冨岡と喧嘩した冨岡と初めて喧嘩をした。言い直すと、冨岡と恋仲になってから初めて喧嘩した。
発端はいつもなら笑って済ますような事だった。
風呂から上がった冨岡が、ろくに髪も拭かずにウロウロしていたから「そういう事してるから風邪ひくんだろうが!またひいても粥作ってやらねェぞ」と、この間同じような事をして熱を出したあいつに言った。
すると、いつもならどこ吹く風という感じの冨岡が珍しくムッとした顔をして「お前はいつもそう言うけど、お前に会うまでずっとこうしてきたがそれで風邪なんかひいたことなかった。この間のは髪のせいじゃない、たまたまだ」と言い返してくる。
散々心配した人の気も知らねェで、とカッとなった俺が、思わず売り言葉に買い言葉で
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