3.あさきど妊娠パロのおまけストーリー
・初合わせ
子どもが生まれてからの日頃のルーティンや定期検診に各所の手続き、それらが大方落ち着いた夏頃、俺は兄貴と子どもを連れてある場所を目指し、シマ内から離れた土地に足を運んでた。
「ほんまにひっさしぶりやわぁ、ここ来るん」
「そんなに来てなかったんですか?」
「まぁな。ちっさい時はオトンが死んでもうた事を何か認めてまうみたいで嫌やったし、最後に来たのは高校出て、天王寺組の門叩く前やな」
「それじゃあお父さん、だいぶびっくりするんとちゃいますか?」
「そうやなぁ」
それは城戸の兄貴のお父さんの、何年かぶりの墓参り(言うても最期がどうなったんかはわからんらしいから先祖代々の墓らしいが)。車を飛ばして数時間、朝に出発して日の出が浅かった空も気がつけば昼前、ようやく山道を抜けて辿りついた時には駐車場を確保するだけで難儀するほどやった。
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