うちのちがねうちのちがねは鍛錬が好きでよくぶしさんと山行ったりしてる。
真面目で頑固。ちょっと天然なところある。
人見知り。皆んなと普通に喋れるけど、なかなか内を見せない。最近は脇差部屋では自由人してる。
ずおから突っ込まれる。
ひぜんと夜中のカップ麺仲間。
影の物語に固執してるというかそれこそが自分だと言ってるけど、影だからって自分の個を諦めてる。でもね、ほんとは海の底から飛び立ちたい飛べない鳥。
戦う時だけ自分自身の物語である武術を発揮できるから、戦うのは好き。守るために誰であろうと切り伏せる。
大切なものを守るためなら自分の命すら惜しまない。でも本当はその命自分のために使いたかった。あきらめてるけど、影が死ぬだけさって。やっぱり本当は自分が欲しい、悲しい子。
笹貫に牽制かけたのは琉球の影の役割半分、自分のけじめ半分。牽制かけたけど、ここでは仲間。すぐは仲良くなれないけど、複雑な関係の多い本丸の中だし、それなりに普通の生活はお互い出来る。
だい兄にバレて叱られます
誰の代わりのつもりだ?俺も思うところはあるが、お前が琉球の影のを全て背負うことは許さない。お前は俺の影だというが、俺は俺で、お前はお前なんだ。
オレってなんだろう、だい兄、琉球の光の影。辛いことはオレが引き受ければ良い、背負う?背負うのがオレの生き方、それがオレの物語。ただ、だい兄が笑って、なんくるないさーって笑ってくれたら、それがオレの存在意義なのさ。
ただ、この本丸は居心地がよくて、みんなオレを治金丸と呼ぶ。最近じゃ影をやってもすぐバレるし。脇差部屋は楽しい、鍛錬仲間とも楽しい、でも、これで良いのかって思う。オレの物語はどこへ?
そんな時来た笹貫、にふぇーどー。オレが影だとただの影だと思い出させてくれた。でもこの憎しみを飼いながら共同生活することは、本当の気持ちなのか?
「治金丸、もう十分だ。にふぇーどー、俺たちの代わりをひきうけてくれて。でも、もうそんな必要はない。これは俺たち兄弟の問題だろう」
おまえには俺となーちりーがいる。兄らしいことさせてくれ。
笹貫、歴史では色々あったが、この本丸ではなんくるないさー。だ。
弟が先走ってしまってすまない。
(だい兄に何をさせてしまったんだ!オレは影なのに!)
影に固執するあまり自分を見失うちがねを、影をされている兄として。俺とお前は違う、と千代金丸は言い切る。
それからにーにー達は普通に笹貫と接してる。影としてのオレはどうしたら良いかわからない、
笹貫とは軽く話す程度はするようにはなれた。
それが主の元での使命だ。
時々自分を見失いぼんやりすることが増えた。
「あい、治金丸。組手やろう」
突然だい兄に言われるがまま、組手をはじめた。だんだん熱くなってきた、だい兄は波のようにオレの攻撃を受け流すんだ。これはどうだ?このわざは?
気づいたら汗だらけで疲れてふたりすわりこんだ。なんで、何も考えずに熱中してたんだろう。ふたりで思い切り笑った。
君たち兄弟すごいねえ。とちい兄に頼まれたと飲み物を運んできた笹貫が笑ってた。
そうだろう、治金丸は強くてすごい
だい兄は攻撃があたらないからすごい
同時に飛び出す言葉
「いいね、兄弟」
笹貫の目は優しそうに細められた。