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——どうせ叶わない想いなら、いっそ最期まで貫いてみたい。
掲げたブレードの刃よろしく、煌めく願いは生きた証。
対峙した巨体に視線を据えた。
視界の隅に、「あいつ」を抱えた黒髪が映る。
一秒だけ目を閉じた。
…ああ、それでいい、…上等だ。
「エレンを守ることは私の使命」
そう言うお前を守ること、それが俺の使命。
身勝手な論理
(2015/1/5)
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歓声と、拍手の中心に彼女が居る。
遅れ入った食堂での光景に、首を傾げた俺にコニーは言った。「今日はミカサの誕生日なんだと」
講義の中休み、裏山へと走った。
金も時間も、勇気も足りねえ今の俺だが、それでも、今日の日だけは——
「——ッ!」
二月の陽に、きらり煌めく一輪の花。
その優美に、胸はとくりと音立てた。
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