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    candymonopolize

    零薫に狂わされた日々。下手の横好き。SS中心で上げてきます。溜まったらまとめてpixivへ。
    お題も喜んでしますのでリクもどうぞ♡

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    candymonopolize

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    クリスマスはお仕事だよねって薫くんが言ってた。

    零×薫「…つっかれた…」
    「お疲れ様じゃった、薫くん。」
    時計の針は12月26日、0時すぎを指していて薫は大きなため息をついた。
    クリスマスは仕事で終わった。
    相棒で、恋人でもある零と共にいた時間は長いものの、雑誌の撮影、バラエティ番組の撮影をこなしたらこんな時間だ。
    タイミングがなくて渡せずにいるプレゼントはカバンの中。ディナーもこのスケジュールだと難しいのはわかっていてますます溜息を深くついた。
    「………薫くん」
    零が珍しく声を掛けるのを逡巡してから名前を呼ぶ。
    楽屋のソファに据わって脱力していた薫は戸惑うような怖色に耳聡く気付いては居住まいを正す。
    「零くん、どうしたの。」
    こういう時、歳上の零は自分を抑えてしまう所があるのだと理解しているからこそ疲れは顔に出てしまっているものの、言葉をじっと待った。
    「我輩…部屋をとっておるんじゃよ。」
    「うん…?」
    「今日くらいしかもうないと思ってのう。SSもある故レッスンでクタクタになると思うて」
    遠慮がちに言われた言葉に薫はしばし思考を巡らせてから相手の言葉の意味を理解してはすくっと立ち上がる。
    「……外泊届け出してない。」
    「我輩がこっそり薫くんの分も出しておいた」
    こういう時も抜け目のない恋人に薫は適わないと痛感するばかりで、こうしては居られないとそそくさと着ていた衣装を脱ぎ始める。
    「か、薫くん?」
    「1秒も無駄にしたくないの。」
    「…?」
    「早く帰れば、2人きりになれる時間が長くなるから。」
    今度は零が、己の恋人の可愛らしい姿を見ては適わないと実感する。
    愛しくて堪らないのだ。
    ころころと変わる表情、懐の深さもあるのに相手の事を慮って突き放すその冷静さも持ち合わせている。
    今はその頭の回転の速さと器量の良さに感心してしまう。
    「ほらほら、零くんもはやく。俺の事、エスコートしてくれるんでしょ?」
    私服にそそくさと着替えた薫は、面食らったままの零に向かってひとつウィンクをくれてやる。
    「…全く、おぬしは…。」
    ぽつりと呟いては零は薫にならって私服にそそくさと着替えては鞄を手にして隣に立つ。
    「我輩に惚れ直すかもしれぬぞ?」
    「あはは、それは…毎日してるから心配要らないよ。」
    「…我輩とて同じじゃが。」
    楽屋の扉のノブを掴んだまま、どちらからとも無く一度口付けては何事も無かったかのように楽屋を後にした。



    乗り込んだタクシーに行き先を告げた零の顔を薫は驚いたような顔をして見つめた。
    声には出さないが信じられないと零に表情で伝えていた。
    名前を聞いただけでどんなホテルかわかってしまいむず痒さと着恥ずかしさに視線をさ迷わせる。
    (ダメージジーンズで来ちゃったじゃん)
    気軽にラフな格好で立ち入れるホテルではないと内心冷や汗をかいて隣で涼し気な顔をして車窓から景色を眺めている恋人を見た。
    深夜のタクシーの車内。
    行き交う車も疎らで時折ヘッドライトや街頭に照らされる横顔が物憂げにも見えて薫は心臓を高鳴らせる。
    到着したのは都内有数の五つ星ホテルで、事前にチェックも済ませているのかエントランスを抜けてそのままエレベーターに乗り込む。
    こういったホテルは初めてではないけれど、タクシーに乗ってからほぼ無言の零に薫は緊張した面持ちで黒髪が掛かる横顔を見つめる。
    表情は読めない。
    緊張からか心臓の音が煩くて、落ち着かせるように深呼吸をしてみた。
    最上階に近い階層でエレベーターは止まって、質の良い絨毯が敷き詰められた廊下を進む。
    カードキーを使ってドアを開いた零に促されるようにして薫はそのまま中へと進んだ。
    階層で何となく、薫はどんな部屋を用意されているかは理解していた。
    振り返った先の恋人の零の顔は、優しく薫を見つめていて、大きな窓ガラスに反射する夜景の光に鈍く照らされていた。
    その表情を薫が見ては、言葉にならない思いを伝えるかのように、持っていた鞄をその場に捨ておき首に腕を絡ませるようにして零を抱き締める。
    「…っ…零くん」
    「薫くんも我輩も少し息抜きが必要じゃと思うての。」
    ほぼ毎日仕事で一緒にいて、明日もSSに向けてのレッスンだってある。
    苦手な昼にも起きて仕事をしている姿も知っていて、ここまで内密にそしてスマートに事を済ます己の恋人に男としては悔しさを感じながらも素直に嬉しいという感情が薫の中を占めた。
    「っ…ほんと、ズルいよ。」
    「惚れ直してくれたかや?」
    「ほんと…憎たらしい位にカッコよくて…大好き」
    「それは光栄じゃの。我輩は薫くんを愛しておるよ。」
    くすくすと二人、顔を見合せて笑いながらもどちらからともなく口付けては何度も啄むように唇を触れ合わせる。
    (ディナー、SSが終わったら…)
    そんな事を考えながらキングサイズのベッドに縺れるようにして倒れ込む。
    「…っ…ン…、れぇくん…」
    「…がっつき過ぎだって、笑うか?」
    「こういうのも、悪くないよ。」
    優しい色を称えていた筈の深紅の瞳には今は情欲の炎が灯っていてじりじりと身を焦がされるような感覚に息をゆっくりと吐いた。
    「…加減はしてね?」
    「……善処する、としか」
    「沢山、可愛がってね。」
    「仰せのままに。」
    (今だけは零くんの事だけ、考えたいから)
    浮かぶ雑念を封じ込めるように、薫は己の内から湧き上がる情欲に身を任せては舌を差し出して深いキスを零に強請った。

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