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    soseki1_1

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    soseki1_1

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    セッ久しないと出られないロッカーに閉じ込められた傭占🤕🔮
    (なおきちんと期待していた🔮)

    「セックスをしないと出られないロッカー、らしい」
    「は?」
    「セックスをしないと出られないロッカー」
    「……」
    「私の目が狂っていないのであれば、そう書かれてある」
     ナワーブから返答は来なかった。ただ深く重苦しい沈黙ばかりがロッカーの中を満たした。イライも同じように、何事も言葉を発さなかった。ただナワーブの返答を待った。ナワーブは、深いため息でもって沈黙を破った。息を長く深く吐き出しながら、今一度イライの胸元へと額を落とし、摺り寄せた。イライの目が狂うことなど、読み上げられた文字以上に有り得ないと彼はもう知っているのだ。
    「またか」
     溜息を吐くように呟かれた言葉に、イライは苦笑を滲ませるしかなかった。
     そう。イライも、そしてナワーブも、悲しいかなこうした不測の事態には慣れていた。荘園は提供するゲームに際し、多種多様なフィールドを用意する。その空間を作る際に、どうしても綻びが出るのだろう。或いは、荘園の主の悪質な趣向か。定かでないが、こうしたバグは荘園内で度々生じていた。条件を満たさないと出られない部屋にふたりで取り残されたことも有る。壁に嵌って出られないイライを見つけ、ナワーブがナイチンゲールへと救難を出したことも。演繹の褒美としてとんでもない道具を渡されたことだってあった。とにかくなんでも有りなのだ。有り得ないゲームに、時々スパイスのように有り得ないバグが生じ……そうした経験が積み重なれども慣れはしないものの、諦める心は身についていった。
    「今回はまた……悪趣味なものに当たったね」
    「悪趣味すぎる」
     吐き捨てる声音でナワーブは言う。やるしかないとは解っていれども、納得など出来るはずもない。イライの胸元に何度も額を擦り付ける様は駄々をこねる有り様のようで……イライは内心で、その様に心臓を掴まれていた。可愛い。と、状況に似合わないことを思っていると自覚はある為、口には出さないまま頬を摺り寄せられる頭に寄せる。
    「第一、準備も何もできない。こんな状況でどうしろってんだ」
    「………それなんだけど」
     イライは、一瞬黙った。どう言うべきか、言わざるべきかすら思い悩んだ。しかし条件を満たすため、懸念はなるべく減らすべきだ……という、理性のような言い訳のような言い分が羞恥を押し殺した。
    「準備はしてあって」
     再び、深い沈黙が落ちる。先程のようにやや殺気立ったものではない。間抜けな吃驚に満ちた沈黙だ。ナワーブの頭は胸に寄せられたままぴくりともしない。イライの口は羞恥のままに言葉を続ける。
    「ほら、あの、部屋に行く予定だった、ろ? ね?」
    「……そうだな」
     ナワーブの腕がイライの背に回る。真正面から抱きつくような姿勢に陥る。
    「そうだ」
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    soseki1_1

    PROGRESS大佐🤕と喧嘩して家出した🔮を匿う副官🧲2
    /現パロ大占傭占
    「ああ、いるよ」
     携帯電話から届く声が誰なのかは判別がつかない。ただキャンベルさんの口ぶりと目線で彼だと解った。彼は眇めたような流し目で僕を見た。
    「僕の家に居る」
     裏切られたと思った。立ち尽くした足が後ろにたたらを踏んで、この家から逃げようとする。だけど裏切られたという衝撃が体の動きを固くしていた。そのうちに、彼は言った。
    「なんで? あげないよ。送り届けてなんてやらない」
     踵を返して走り出そうとした足が止まる。息を止めたままキャンベルさんを見ると、彼はもう僕の方を見てはいなかった。ただ、唇を歪めて厭に微笑んでいた。
    「飽きたんだろ?貰ってあげるよ。常々美味しいんだって聞いてたし」
     怒鳴られてる。とは、漏れ出る音で解った。そういう空気の振動があった。それに構うことなく、キャンベルさんは鬱陶しそうに電話を耳から離すと、液晶に指を滑らせて電話を切った。四方形のそれをソファに投げて息を吐く。僕の、何とも言い難い視線に気付いたのだろう。彼はもう一度目線だけで僕を見た。それが問い掛けの代わりの視線だと解ったから、逃げ出すより前に口を開いた。
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    soseki1_1

    PROGRESS求愛してる白鷹とそれに気づかない夜行梟/鷹梟/傭占
     そもそもの始まりは食事からだった。と、夜行梟は呟き始める。狩りのやり方を教えた頃から、やたらと獲物を取ってきたがると思っていたのだ。覚えたての狩りが楽しいのだろうと微笑ましく思えていたのは一、二年ほどで、そのうちどこからか料理を覚えて振舞うようになった。あれはそういうことだったのだ。給餌だ。求愛行動のひとつだったという訳だ。夜行梟はその真意に全く気付かず、私の料理美味しくなかったかな、悪いことしたな、なんてひとり反省していた。
     夜行梟の誕生日に三段の素晴らしいケーキが出された辺りから、つまりは今年のハロウィーンを終えた辺りから、いとし子は本領を発揮し始めた。まず、夜行梟の寝台に潜り込んだ。今思えばこのときに気付いてもよかった。よかったのに、夜行梟は布団の隙間を縫うように身を潜らせたいとし子に「怖い夢をみたのかい?」なんて昔と同じように声を掛けた。もうとっくに子供じゃなくなっていた白鷹は、このときは未だ我慢していた。「そんなものだ」とだけ言って隣に潜り込み、足を絡ませて寝た。今思い返すと完全に求愛だった。鷹族の習性だ。鳥型の鷹は空中で足を絡め合い、互いの愛情を深めるのだ。鷹族の遠い親戚からきちんと聞き及んだ話だった。のに、思い当たらなかった。まだ甘えん坊さんだな、なんて嬉しく思っていた。
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