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    soseki1_1

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    soseki1_1

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    夜行梟🦉🔮にクソでか感情を抱いている番人の鹿🦌が、白鷹🤕🦅にそれを渡す話
    (鷹梟+鹿/傭占+鹿)

    「白鷹」
    水辺の側に植る木の根元。幾羽かの雛が上擦る声音で親鳥を希う下に集めた素材を置き終えたとき。徐に呼び名を紡がれ、白鷹は顔を上げた。声は近頃聞き馴染んだベインのものに違いない。白鷹よりもはるかに上背のある森の番人は、存外なほど直ぐとした眼差しを白鷹に注いでいた。
    「あの子を頼む」
    告げられたのは眼差しと同じく直ぐとした声音だ。いっそ重たさすら感じ得るというのに、その底にあるものはあまりに優しい。
    あの子、と、ベインが幼い子供のように呼ぶのはひとりだけだ。森の守り人の奥底にある人。暗い夜にひとりきりで泣いている彼。その名を知らずとも、ベインはあの厳格たろうとする姿の奥にある彼を見つけている。
    「言われるまでもないだろう。解っている。だが、言わざるを得ない程にあの子は孤独だ。そして孤独に慣れすぎた」
    ベインはこの森の生まれではないのだと、いつだったかに彼は語った。帰らずの森に迷い込んだ存在のひとりで、血塗れで倒れていたところを夜行梟に保護された。加えて、ベインが訪れたのには何事かの目的があったそうだが、それを夜行梟が手助けしたのだと言う。
    その一件以来、夜行梟に恩情を感じているともベインは言った。そのとき、夜行梟は未だ小さな子供だった。背丈の伸び切らない背姿を見ながら、彼が過ぎる重荷を追っていると悟ったのだと。
    「強い風が吹けば倒れ、天敵が襲い来れば身を隠す。しかしあの子は倒れない。天敵もいない。だから厄介だ」
    告げられる言葉の意味を、白鷹はなんとなしに想像することができた。それは強き者の宿命だ。どれだけの者が倒れ付そうとも倒れることができない。どれだけ取り零そうとも、零した己の手は崩れることなく有り続ける。荒野にただひとり立ち尽くしたとて、地平線は無情にも暁の終わりを自分ひとりに告げ知らす。耐え難いと思えど黎明が目を焼く。酷い孤独だ。
    「お前は強い。お前なら、あの子の隣に立てるだろう。私でもあの子の相棒でも成せなかったことだ」
    「…レディは、何があろうとあいつのそばにいる。羨ましいほどだ」
    「あれはあの子が奈落に堕ちようとすれば果てまで伴って行くだろう。だがお前は、あのこの手を引っ張り上げてやれる」
    ベインの眼差しは変わらない。重く、実のところ優しく、だからこそ力強い眼だ。
    「あのとき…お前が初めにこの森へと訪れた時には、どうしてくれようかと怒りさえ覚えたものだ。だが共に過ごせばわかる。あの子は芯からお前を選んだのだ。そして、その選択は正しい」
    初めに合わさった眼差しは、確かに苛烈さを奥底に隠してきた。しかし今、白鷹の眼前にあるのは穏やかなものだ。梟族の元へ挨拶に赴いたときよりも、ずっと重い鼓動が胸の裡にある。それを抱えて然るべきだと、白鷹は思った。これが長きに渡り夜行梟を見ていた眼差しだと思うと、深い感謝さえ湧き出でる思いだった。これこそが、アイツがひとりでなかった幸いの証だ。
    「あの子を頼む。俺の、数少なくなった願いだ。見放してくれるな」
    ほんの少し冗談めいて…けれども実のところ、酷く切実な願いを込めて、ベインは微笑む。その眼差しから一寸とも視線を逸らさぬまま、白鷹は笑った。
    「ああ、言われずとも」
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    soseki1_1

    PROGRESSハネムーンクルージングを満喫してるリズホワ/傭占
    (この後手マ♥でホワ🔮を5回はイかせるリズ🤕)
     麗らかな金色に白いベールを被せるハムエッグ。傍らに鮮やかに彩られたサラダを横たわらせた姿は、実に清々しい朝を連想させる。大皿の横に据えられた小皿にはフルーツドレッシングが揺蕩っており、そこから漂うさわやかな香りもそのひと役を買っていた。焼き立てのパンを詰めた籠を手渡したシェフ曰く、朝食時には一番人気のドレッシングらしい。客船に乗ってから数日、船員スタッフは慣れた風に微笑み「良い朝を」とだけ言って、リーズニングをレストランルームから見送った。
     依頼人から報酬代わりのひとつとして受け取ったクルーズは、リーズニングに思いの他安寧を与えている。慣れ親しんだ事務所には遠く及ばないものの、単なる遠出よりは幾らも気軽な心地で居られている。「感謝の気持ちに」という依頼人の言葉と心に嘘偽りはないとは、この数日で理解できた。クルージングの値打ちなど大まかにしか理解出来やしないが、おそらく高級な旅を与えられている。旅行に慣れない人々を満喫へと誘うスタッフの手腕も相応だ。乗船前は不信感すら抱いていたリーズニングも、今はこうしてひとり、レストランルームへ赴けている。満喫こそしているものの、腑抜けになった訳ではない。食事を部屋まで配膳するルームサービスは今なお固辞したままだ。満喫しつつ、警戒は解いて、身なりを保つ。この塩梅を上手く取り持てるようになった。
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    soseki1_1

    DOODLE知らない間にフル⛏になって教🧪を愛でてる探🧲と、それを受け入れてる教🧪と露見 探教/フル教
     白いシャツが似合う人だった。だからその下にある青黒い痕がよく映えていた。
    「ムードがないね」
     いきなり服を剥かれたあの人は、切り傷を伴った痣を腹に晒したまま、慣れたふうに微笑んでいた。
    「相変わらずだ」

     少しずつ可笑しいと気付いた。最初は記憶が飛ぶ夜が続くこと。その夜の後はいつも決まって部屋にいると気付いたこと。それからあの人の様子。僕が記憶を飛ばして、自室のベッドで目を覚ました日。あの人はいつも決まって悪い顔色をしていた。この荘園には肌も何もかも髪だって白いやつもいて、片目の上に青痣を引っ付けてる奴もいる。試合が終わった後は大抵悪いもので、それを次の日に持ち越す奴だって稀じゃない。でも僕は、あの人の肌色だけはよく覚えていたから。だからあの人の、海に輝る太陽に焼かれた方がもっと似合うだろう肌が、部屋に篭っているからいつまでも白い肌が、首元辺りに宝石みたいな鱗が浮き出ている綺麗な肌が、その日だけ決まって悪いことにも気付いた。で、何でだろうと考えた。ハンターの中に苦手な奴がいるのか、それとも薬でもやり始めたか。規則性を見出そうとして、見つけられたものが僕の記憶の欠落と目覚めのことだった。それまでは、酒に溺れて酔いに感けたのだろうと思った。安酒には慣れているけど、それなりの品にこの体はちっとも慣れていない。だから食堂だとか談話室だとかに集まって飲んだ後は記憶が朧げなときも稀にあって、その程度がひどいんだろうと思っていた。でも思えば、僕は記憶が霞むことはあっても、飛ぶくらいに酷い酔い方をしたことなんてなかった。そんな無警戒な真似はするはずがなかった。じゃあなんで記憶が飛んでるのか。僕の体がおかしくなったのか。それがどうしてあの人の青い顔色に繋がるのか。色々考えて、僕は、体に埋まった石ころのことを思い出す。
    2002