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    sheera_sot

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    書きたかったもの:家では皐月さん呼びされる英さん/家では母様呼びしている英さん/着物で生活する(以下略/化粧品は資i生i堂をライン使いする(以下/日傘をさしている(以 全て妄言かつ捏造

    英さんの朝の話 朝が来る。まだわずかに開き切らない目のまま、庭の草木に水をやった。向日葵の葉の上、弾かれて玉になった水が艶々と涼しげで良い。太い茎がまっすぐに伸びている。数日もすればこぼれんばかりの大輪を咲かせてくれるはず。それを思うと少し楽しみだ。
     裸足で歩く縁側はまだわずかに夜の冷たさを残しているけれど、もう少しもすれば日が差して、温まるを通り越して暑くなってしまうだろう。日光は植物の生育に欠かせない要素だけれど、日の当たり過ぎは良くない。暑さは苦手なもののひとつだった。汗をかくと化粧も崩れるし、髪が首筋にまとわりついて鬱陶しい。

    「おはよう皐月さん」
    「母様、おはようございます」
     丁度、化粧水を顔に塗っているところだった。花に肥料をやるように、顔の皮膚にも適切な栄養を与える必要があるらしい。ヤナギの人が言っていた。植物みたく水を与えて日光に当たるだけで済んだら楽なのに。
     母様はきちんとした人だ。自分が起きて姿を見る時には必ず化粧をしている。着物が崩れているところを見たことがない。常に整った美しい姿勢には厳格さすら感じるけれど、花に向ける笑顔が慈しみに溢れているのを知っている。
    「水遣りをありがとうね。今日はお仕事でしょう。遅れないように」
     それだけ言って、庭へと向かっていく。今日も昼からフラワーアレンジメントの教室があるから、いくつか花を見繕ってくるのだろう。

     下地はオシロイバナの種二つ分くらい。丁寧に伸ばして、上から粉をはたく。筆で余分な粉を落としてから目元に色を。生命の力を感じる赤い色、まぶたの下に薄く伸ばして馴染ませる。
     アイラインは黒、まつ毛の際に細く細く引いていく。ひどく繊細な作業だ。思わず息を詰めてしまう。いつまで経ってもこれには慣れなかった。それからマスカラ。これも技術が必要で、まぶたにつかないように慎重に行う必要がある。きちんと塗ることができれば睫毛が下がらず、目の下が汚れることもない。
     ここまでくると残す手順は二つ。頰紅をブラシにとった後、手の甲で少し粉を落としてからつけるものだと聞いた時には面倒臭さと勿体無さを感じたけれど、やってみると確かに仕上がりが異なるのだから不思議だ。何度か筆を頬に滑らせていくと白い肌に温かみが差して見える。
     そうして、最後に口紅を塗る。黒のケースの天面には椿の刻印。口紅の色はとても難しい。時期によって似合う色だけではなく、質感まで異なる。暑い季節だから、少しだけ透け感と艶のあるものをこの前選んで買ってきた。本来何かを選ぶのは苦手なことだけれど、蓮の名前を冠したそれは、つけてみた自分を想像することができて楽しかった。数ミリ繰り出して慎重にラインをとりながら塗っていく。テクスチャが柔らかくて塗り心地がいいのも好みだ。
     終わりにもう一度鏡の中の自分を見て、変なところがないか確かめる。いつもと同じ手順だからそうそう間違えるはずはないけれど。生気のない顔をした自分はそこにいなかった。問題はない。

     着物から着替えて、髪を結える。髪を整えると一気に外出の気持ちに切り替わった。ただの出勤ではあるけれど。
    「皐月さん、行ってらっしゃい。気をつけて」
    「はい。行って参ります」
     わざわざ見送りに玄関の外まで出てくれた母様に挨拶をして歩き出した。斜めに差し込む陽の光が眩しくて日傘の内側に隠れる。今日はきっと、暑くなりそうだ。
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    513friday

    DOODLE1/18
    貴方が出したCPシチュガチャは…
    10秒間キスしないと出られない部屋に閉じ込められ、攻めが受けにするものの、受けの息が続かなくて9秒で止まる えだひのきのカリ烈です、おめでとうございます!
    #CPシチュガチャ #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/970270

    やっと書き終わった
    後、出られるとは言ってないです
    △△△

     入ってくる光の量が目覚めたばかりの目には多くてチカチカする。窓のカーテンを閉め忘れて寝たらしい。
     昨日は、確か……。
     思い出そうとすると頭がズキズキ強く痛みだす。二日酔いか? 神父として、寝酒で深酔いするとは情けない。
     反省して、頭をスッキリさせようと身体を起こすと首がビキッと鳴る。床で寝ていたのか背中や腰も固まって鈍く痛い。どれ程、眠りこけていたのだろう。
    「カリム! やっと、起きたか☆」
     ぼやける視界に力を込めると、物がハッキリ見えてきた。鼻と鼻が付く距離まで近づき覗き込むレッカが、安堵した表情でカリムが目覚めた事を喜ぶ。
    「随分と目が覚めなくて、心配したんだぜ? 」
     不安からかレッカの凛々しい眉毛がなかなか上がらない。
     だが俺は何故レッカが"俺の部屋"に居るか、の方が気になる。
    「うるさいぞ、レッカ」
     頭に響いて響くだろ。興奮したレッカの暑苦しい声は現場の何処に居てもすぐ分かる程に大きい。余程に心配させたのは悪いと思うが、目の前で耳の鼓膜が破れそうな程の声を張らなくても聞こえている。
    「カリム、驚かずに聞いてくれ。俺たちは閉じ込められているんだぜ! 」 4461

    riza

    REHABILI【rizaのエメ光♀】
    「デートみたい?デートだよ?」
    #この台詞から妄想するなら #shindanmaker
    https://t.co/hckXrMQeba
    これは開き直ったエメトセルク

    いつものミコッテ♀ヒカセンだよ
    ※謎時系列イマジナリーラザハンにいる
    ※実際のラザハン風は多分違うと思う

     まだ土地勘のないラザハンで、ほとんど拉致されるように連れ込まれた店にはウルダハでもなかなかお目にかからないような服や宝飾品が並んでいた。
     彼が選んだ数着のドレスごと店員に任せられたかと思ったら試着ファッションショーの開催となり、頭に疑問符を浮かべたままサベネアンダンサー仕込みのターンを彼の前で決めること数度。
     そういえばこのひと皇帝やってたんだっけと思い出すような審美眼で二着が選ばれ、それぞれに合わせた靴とアクセサリーが選ばれる。繊細な金の鎖のネックレスを彼に手ずからつけてもらったところで我に返ると、既に会計が済んでいた。
     当然のような顔をして荷物を持ってエスコートしてくれるまま店を出たところで代金についてきけば、何故か呆れたように、プレゼントだと言われてしまった。
    「今日なんかの記念日とかだっけ……?」
     さすがに世間一般的に重要だとされるような、そういうものは忘れていない、はずだ。そう思いながらおそるおそる問いかける。
    「私にとっては、ある意味で毎日そうだがな。まあ、奢られっぱなしは気がひけるという 1255