二年間ピピピッ…
「……」
朝の七時、普段と同じ時間にセットしていたタイマーが知らせる。働かない頭を無理矢理起こそうとするが動かない。
(…眠い)
布団に倒れ込みたい気持ちは凄くある、だけどそんな事をしてしまうと会社に遅刻してしまう。
(動かないと…)
洗面所で顔を洗って冷蔵庫から昨晩の残り物を取り出す。ご飯をチンして簡単な朝食、化粧も済ませて普段と変わらない一日が始まる。
歩き慣れた通勤路、駅の自動改札に定期券を通して満員電車に乗り込む。人の混雑具合で息苦しい中でも我慢して会社の最寄り駅へ向かう。
社会人の二年目の今年、フレッシュな新入社員も迎えた私の会社。だが
「日高、今日使うあの資料は?」
「あの資料…あっ!す、すみません!自宅に忘れてきてしまいました…」
3008