プレゼントは取り決めたわけではないが、月に二度、歳の近い縁者でビデオチャットが開かれる。
各々アルコールや軽食を準備し、近況報告とも言えぬ雑談を交わすのは、それほど悪いものでもなかった。
参加が義務付けられているものではないので、仕事に追われていれば顔を出さない日もある。
咎められることはない。
不都合があるとすれば、後日、参加したランカスターのエドワードから自慢げにリチャードの様子を語られることくらいだ。
公言していないが、バッキンガムとリチャードが深い関係にあることは縁者ならば大体が察している。
何処そこのワインを飲んでいた、俺の言葉に笑っていた、など、心底どうでもいいこと(ワインメーカーは多少気になる)だが、自分の知らないリチャードを知っている男が存在すると思うだけでどうにかなりそうになる。
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