五条の目から見ても姿は自身と似ている気はしたが、それだけだ。
つまんねーの、と閉じようとした所で聞こえた声に五条は画面を食い入るように見つめた。巻き戻してもう一度同じ部分を再生する。おそらく入れるつもりはなかったのだろう、ほんのわずかな声だったが、これは
「傑」
「は?」
「これ、傑だ」
出来る限り音量を上げ、拡大する五条に家入は不審をあらわにした顔をする。爆音にした動画はひび割れた音で、なんとか誰かが「さとる」と呼んでいるのが聞こえる。
「ほら、俺の名前つけてるし」
「まあ……それは気になるけど。でも、これが夏油の声だって確信は私には持てないな」
「絶対傑だって。手も、よく見たらアイツ」
「わかるのがキショイ」
げえ、と家入は舌を出したが、五条はもう動画に夢中だった。同じ投稿主の動画を次々と再生する。
やっと、今世の夏油と繋がった。