ふたり一緒に「これからも、一緒に居ような。耕ちゃん」
不意に風間にそう言われ、僕は目をぱちくりと瞬いた。
これからもいっしょに――
一緒に、居られるんだろうか。もし何かがあって、繋がりが消えるなんて、アッという間じゃないだろうか。僕自身が、そういう場所に身を置いているから。約束が破られたら、風間は怒るんだろうか。悲しむんだろうか。それとも――
僕は、お前と一緒にいることよりも、もっと先を見てしまう。予想できない将来の、哀しみばかりに目を向けている。お前はしっかり、今を見ているんだな。今を感じて、今に生きてるんだな。お前はすごいよ、風間。
「いやぁ、なに言ってンの風間はぁ。そんなの、当たり前じゃないか」
「そうかぁ?耕ちゃんにはちゃんと言っておかねえと。俺ぁな、心配なんだよ」
「風間に心配されなくても、僕だって分かってるよぉ。ホラ、僕はここに居るだろう?」
「ああ、そうだな。余計な心配だな、すまん」
風間はそう言ってイタズラをしたように笑う。余計じゃないんだ。僕は本当に、その言葉に救われているんだよ。お前が心配してくれるから、僕はここに居てもいいと思うんだよ。
でも、言えないんだ。僕は、臆病者だから。
僕も真似してけらけらと笑った。どうか、僕の心の内が、君に伝わりませんように。