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    ユウキダ

    @Kanata_i_You

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    ユウキダ

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    Notカプ 牛鬼のプロフ見ててこんな癖あったらいいな〜って殴り書きしたやつ

    「あー……また来ちまった……」

    ゴロゴロ転がる石と粗末なあばら家以外何も無い小さな丘の上で、俺は頭を掻く。
    俺には、この場所にフラっと無意識に立ち寄ってしまう癖がある。

    「(ほんと……どうなってんだろうな、俺の足は)」

    なぜなのかは俺にもわからない。しかし、吸い寄せられるようにここに来てしまうということは、俺が忘れてしまった何かがここにあったということなのだろう。
    目を閉じて、過去の記憶を探ってみようとする。すると、キーンと頭にノイズが走った。

    「っ……」

    まただ、ここに来て昔のことを思い出そうとすると必ず頭痛に襲われる。

    「……帰るか」

    どうせ思い出せたところで、それが戻ってくるわけでも何かを得られるわけでもない。
    何より、もう今の俺には関係ないことだ。自分にそう言い聞かせ、帰路につく。
    一際強い風が吹き、砂埃を巻き上げる。反射的に目を瞑り、手で顔を覆った。その時だった。


    「──お兄ちゃん!」


    「…………あ?」

    一瞬、視界の端に人影のようなものが見えた気がした。
    風が落ち着いたあとで辺りを見渡すも、やはり誰もいない。

    「……気のせいか」

    そして俺は、その場をあとにした。
    背後からたったったっと、小さな足音が聞こえたような気がした。
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