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    キリエ

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    キリエ

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    新刊に入れられなかった前作のあらすじです。

    『藍絲結び』あらすじ この本丸には二振りの山姥切国広と、同じく二振りの山姥切長義がいる。
     本丸の最初の一振りである山姥切国広と元監査官の山姥切長義、二振りめの極めた山姥切国広と政府からの褒賞の山姥切長義。それぞれはそれぞれに紆余曲折あって伴侶の契りを結んだ番――平たく言えば夫婦であった。
     一振り目同士が出会ったのは最初の聚楽第特命調査のときである。元監査官である長義は、監査官という特殊な個体ゆえに、当初から山姥切国広の存在を認識しており、実際に顔を合わせる以前から国広に複雑な感情を抱いていた。それが爆発したのは、山姥切長義として本丸に配属された直後だ。
     この本丸が非常に優秀な術者である主を戴く優れた本丸であったことも不運に働いたのかもしれない。突然訪問した監査官に本能的に何かを感じ取って怯える国広の様子を察した審神者は、国広を聚楽第攻略のメンバーから外した。しかし本丸のはじまりの一振りであり審神者の近侍を務める国広が聚楽第に来なかったことを、長義は国広が自分から逃げたと思い、結果それが長義の怒りに火をつけることになった。
     配属後の練度上げの出陣にまだ解放されていた聚楽第を選んだ長義は、監査官の権限を利用してゲートを閉じると数日に渡って国広を監禁し陵辱を繰り返した。
     審神者が行方不明となった二振りを捜索していると知った長義は、心神喪失状態の国広を連れて本丸に帰還したものの、国広は自身に起きたことを主に知られることを恐れて口をつぐみ、そんな憔悴しきった国広を長義は本丸に戻ってからも従属させ続けた。
     そして特命調査期間の終了が迫る中、国広は忽然と本丸から姿を消したのだった。
     審神者が八方手を尽くした末、国広が経路閉鎖の直前に聚楽第に飛んだことを突き止めると、意外にも長義が国広の捜索を買ってでた。
     二振りの関係に気づいていた審神者が長義を詰問するも、これまでとは違う長義の真摯な訴えに折れ、国広の捜索を託した。
     元監査官としての権限を駆使して残り僅かな時間で聚楽第に侵入した長義は、本丸の最奥で国広を発見することになる。
     長義との関係に疲弊し、自ら消滅を願って瘴気の中に沈んでいこうとしていた国広を発見した長義は、そこでようやく自身の本当の想いを国広に伝える。それを聞いた国広もまた、「俺はあんたを憎むことはできない」と自分の気持ちを吐露した。
     長義によって救い出されはしたものの、心身共に深い傷を追った国広は長期の休養を余儀なくされ、長義もまた主によって国広の回復までの謹慎を言い渡された。
     その後、国広の回復を待って、長義は国広を娶りたいと主に嘆願。主は呆れ半分、憤慨半分で反対したが、当の国広自身が長義の求婚を受け入れたことで、頭を抱えつつもやむなく二振りの結婚に同意することとなった。

     そんな事件から数年後。
     本丸には二振り目の山姥切国広と、同じく二振り目の山姥切長義が顕現していた。
     二振りめの国広は、一振り目の長義の伴侶となった一振り目、初期刀の国広に代わり主の刀として修行に出て極となったのだが、そこに政府からの褒賞として配布された山姥切長義が顕現したのだ。
     二振り目としてのびのび育てられ極にまでなった国広は本歌である長義に対しても一切臆することはなく、また長義の方も監査官を経験していない個体ゆえに拗らせた感情も一振り目よりもかなり軽かったため、二振りは主や一振り目たち、本丸の仲間からも暖かく見守られながら日々元気いっぱいに喧嘩しつつ、お互いへの淡い恋心を密かに育んでいったのだった。
     そんなある時、元気が有り余りすぎる二振りの暴れっぷりに、さすがに業を煮やした審神者は、一振り目たちのアドバイスに従い二振りを強制的に結婚させることにした。
     しばらく離れに閉じ込めて共同生活させ、そこでお互いの気持ちを打ち明け合えば意地の張り合いも少しは収まり上手くいくかと思ったのだが……。
     この本丸に顕現した山姥切長義は暴走するジンクスでもあるのか、共同生活の初日、形だけの初夜というシチュエーションで国広の些細な発言にこれまで募らせた想いを悪い方向に噴出させた長義は、その晩国広を手酷く抱いてしまう。
     翌朝冷静になったものの時すでに遅く。長義と国広の淡い想いはこれまで以上にすれ違ってしまった。
     それでも、国広の様子を見に来た一振り目の長義の言葉で、二振りは改めて離れでの共同生活をはじめ、次第にお互いを労るようになっていった。
     そしてある晩、布団を抜け出し庭で泣いていた国広を目撃した長義は、そこでようやく国広の本心を知ることになる。
     お互い淡い想いを抱きつつも、相手は自分を嫌っているという思い込みからすれ違っていた二振りは、そこでようやくお互いの気持ちに触れ、改めて初夜を迎えると共に正式に伴侶としての契りを結ぶのだった。
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