エキストラA10月24日 22時50分
宮下龍一 会社員
ようやく仕事が終わったと思ったのに再び駆り出されて俺は不機嫌だった。既に人気のない倉庫へと向かい、商品をチェックする。アメリカとの取引でどうしても商品の詳細が必要だったのだ。時差というのは厄介なものでもう日付が変わろうとしているのに、わざわざ倉庫まで来させられた。
うちの会社では主に小さなネジを作っている。いつもは国内取引だけなのだが、最近海外へ向けても取引を始め、俺はその担当者としてアメリカとの取引をしていた。初めての海外取引ということもあり、何もかもが手探りだが、担当者への抜擢は自分の能力を認めてもらえたようで嬉しかった。
さっさと、詳細を送って帰ろう。ネジの現物の写真を撮っていると、ガタンと大きな音がした。
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