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    bach_otamama

    @bach_otamama
    普段はFGOヘクトール受メインに小説書いてます。アキヘク、タニヘク、マンヘク多め。こちらはメギド72ロキマネなどFGO以外の作品を上げていく予定です。

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    bach_otamama

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    転生日の贈り物に、カイムへ花を贈るソロモン。
    カイム転生日過ぎてしまいましたが、花が好きなイメージがあるので、花を贈りたくて書きました。
    モーリュの花の「魔女から身を守る」は元ネタ?かもしれないオデュッセイアから

    炎の花 呼ぶ声にカイムは振り返った。
    「我が君、いかがなさいました?」
    ただ一人と定めた主の少年が、息せききって駆けてくる。手には紅白のひらめく何かを手にしているが、物を持ったまま走って危なくないだろうか。
    「カイム!あの、わわっ!」
    折悪しくアジトの床に落ちていた何かを踏んだ少年が、バランスを崩して転びそうになる。
    「我が君!」
    カイムは咄嗟にフォトンに干渉して杖を浮かび上がらせた。倒れそうになったソロモンは杖に掴まって転倒を免れる。
    「ふぅ、助かった。ありがとうカイム」
    「当然のことをしたまでです。ところで我が君、このカイムに何の御用です?」
    「用。うん、用っていうか……あ」
    ソロモンは手にしていた花束を見てため息をついた。深紅の薔薇に白いモーリュの花を合わせた花束は、転びかけた時に薔薇が折れてしまっている。
    「ごめん、その。この前カイムの転生日だっただろ?でもアジトにいなかったから」
    今日はいると聞いて贈り物を用意してくれたようだ。花を選ぶのは、いつも皆のことを考えてくれるソロモンらしい。
    「ごめん、でも潰れちまった」
    落ち込む少年へカイムは首を横に振った。
    「我が君のお心遣い、このカイムしかと受け取りました!ほら、ご覧あれ!」
    薔薇を抜き取ったカイムはリジェネレイトしてから覚えた技で火を送る。炎の薔薇が束の間、ソロモンの前に咲いて消えた。
    「きれいだ」
    「ええ」
    「あ、でも。やっぱりこれはやめておくよ」
    ソロモンが花束を後ろへ引っ込めた。
    「いかがなさいました?」
    「うん、ほら。カイム、モーリュの花は好きじゃなかったかなと思って」
    「そんなことありません。我が君がくださるものはどれも素晴らしいものです!何よりもそのお心遣いが値千金、何物にも代えがたく尊いものです」
    手を振るカイムの仰々しいほどの身振りにソロモンは苦笑したが、花束を渡そうとはしない。
    「だけどさ、出撃のあと、燃やしてるから」
    「我が君」
    カイムは首を横に振った。
    「モーリュの花は、魔除けなのです。そして、火はすべてを浄化します」
    「そう、なのか」
    「ええ。モーリュの花には、かつて魔女から身を守るために使われたという言い伝えがあるのです」
    友の罪も、友のための涙さえも焼いた。後は笑うだけ。この悪魔にできることは限られているが、主と定めた彼のためにはまだできることがある。カイムは柔らかく微笑むともう一度炎の花を咲かせた。

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    bach_otamama

    DOODLE〆でも観○少女パロをついに書いてしまいました。プランツロキとマネージャーの出会い編。ナナシというのもなんですが、さすがにマネージャーという名前にするのは無理があったので……そこらへんももし続きを書けたら書きたいです。
    観用召魔 歌声が聞こえた気がして、ナナシは周囲を見渡した。しかし、辺りには声の主と思しき人影は見られない。気のせいかと思って歩き出すと、また声が聞こえた。
    「あっちの方か」
    振り切って歩こうとすると声が気になってしょうがない。歌は少し前に流行った歌で、ナナシも好きな歌だ。だが、好きな歌だからといって、声の主を探したくなるようなことは今までは一度もなかった。

     不思議と彼の心を揺さぶる歌声に引きつけられ、声をたどって歩き出す。気づけば、普段は通らぬ小路に入り込んでいた。
    「メギド72?変わった店名だな」
    瀟洒な建物の前には、店名を記した小さな看板があった。だが、重厚な紫檀のドアといい、漆喰を塗り重ねた壁といい、堅固な作りの建物はとても歌声が漏れ聞こえるようには思えない。以前には劇団を率いていたので、音響などには多少の知識がある。そして、近くにいたわけでもないナナシにも聞こえるような歌声ならすぐ近くに来たらさぞかし大きな声だろうと思うが、音量は先ほど聞いた時となんら変わらない。
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    bach_otamama

    DOODLEベルイム。大遅刻ハロウィンすみません。惨劇前の例えば、な一日です。
    東方イベで各地域や職務担当のハルマがいるみたいなことをお出しされたのと、異端審問官がハルマの作った組織なあたりからの捏造や想像を含みます。
    時系列は明記されていませんが、トルケーの惨劇を10年ほど前、カイムが母親と別れたのはハルファスと同じ14,5歳くらいと仮定しています。
    I'm a wizard 陽光を紡いだような美しく長い金の髪と蒼天の瞳、彫りの深い端正な面差し。冷たく冴えた冬の晴天のような美貌はいかにもハルマらしい。一方で、調和を良しとする彼らには珍しく、長い髪を奔放に背へ流し、白い服も大きく着崩している。
    「一週間後はハロウィンだ。クロウタドリ達も自由に歌っていいだろう?なに、担当者の許可は取っている。たまには楽しみたまえ」
    ミカエルと名乗ったハルマは審問官たちへ片目をつぶってみせた。
    「そういう問題でしょうか」
    「とかく君達は誤解されやすいからね。祭りに参加して市民たちと交流するのも大切だ」
    飄々とした男に反論できるものはいなかった。

     大地の恵みが見える者、人ならざるモノをその身に宿す者、理由などないが他者と交わって過ごすことに苦痛を見出す者。そうした者が時折、異端と断じられることがある。異端審問会は、そのような人々が虐げられる前に、あるいは他者を傷つけてしまう前に保護するためにハルマが作った機関だった。パクス・ハルモニア。追放メギドはもちろん、そうでない者も含め、調和や統一をヴィータへも求める彼らにとって異端者は時に和を乱し好ましからぬ事態が起こる。だからこそ保護し、遠ざけて彼らも残る者も暮らしやすいようにする。しかし、遠ざけるがゆえに誤解を招いた。異端審問は異端者への対応が集団生活で避けられぬストレスや心的不安と重なった際に、審問という名の他害へ名分を与えてしまった。事実、ボダン村など誤った異端審問の他害はずっと残り続け、異端審問会はひそかに恐れられている。彼らがクロウタドリと符丁を使うのも、異端審問への誤解からあらぬトラブルを避けるためでもあった。しかし、知らないことは誤解を生む。未知は恐れを生み出す。誤解を解くように、知ってもらうようにと仮装してハロウィンへ参加するというミカエルの提案を審問官たちは受け入れた。
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