ワンドロ「花火」「花火大会?」
「うん、どうかな?」
「別に構わないが、お前から誘ってくるなんて珍しいな」
僕と司くんはいわゆるお付き合いをしているけれどその関係はメンバーのえむくんや寧々以外には秘密で。学校はおろかフェニランでも司くんはイチャつくことを許してくれない。せっかく恋人になったのにこれでは仲間のままだ。仲間でも十分だけど恋人になった以上はそれらしい事をしたいということで近日家の近くに行われる花火大会に彼を招待した。ちょうど花火大会に合わせて縁日も開催されるようで僕はチャンスだと思った。お客さんも沢山来るだろうし、人混みも避けられない。うん、これは絶好のチャンスだね。花火に夢中で僕らがイチャついてることに他の人は気づかないだろう。色々楽しもうね、司くん。僕は指折り数えてその日が来るのを待った。
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