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    しょーきち

    @syo_3410

    筆が乗る時にカキカキしては
    コソコソ上げます。

    Twitterで垂れ流してたもの、過去作含め
    R18はパス掛けで。


    うーん……と思ったものは消すかもしれませぬ


    カキカキしてるもの↓
    ◾︎人狼ジャッジメント

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    しょーきち

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    人狼J フェイロデ小説です

    高校生パロ
    陰キャのフリしたちょいワルフェイくんと
    優等生猫かぶり腹黒ピュアロデくんのお話です。

    ※この作品上フェイくんの性別は男です。

    #人狼ジャッジメント
    werewolfJudgment
    #人狼J
    humanWolfJ

    僕より上なんて居ないはず1「今回もテスト成績、トップはロディか?」

    「良くやるよ……」

    「いやいや、そんな事ないよ!」

    謙遜してるけどまぁ98点だし?
    クラス成績トップなのはやっぱり僕だろうな。

    まぁまぁ勉強もできるし、成績自体も良い方だ
    クラスの人気者で顔も悪くない。

    俗に言うカースト上位だし、
    嫉妬があったところで
    僕に何かを言ってくる勇気もない。

    性格は良くは無いけど
    猫かぶっときゃ問題ないしね。

    問題ないはずだったんだ。

    「フェイくん……だよね?」

    「ぁ……はい」

    「テストどうだった?」

    こんなクラスで仲間外れにされてる奴にも
    優しくしちゃう俺良い奴〜!
    そんなアピールに利用させてもらおうと
    にっこりと話しかけた。

    「全然……ダメですよ……足りなかった……」

    そう言っておずおずと差し出して
    見せてきた答案用紙は……

    99点……!?

    「ぇ……?」

    「どうやっても僕は……どこかでミスするみたいで……
    全然ダメですね、すみません。」

    クソっ……なんでこんな奴に……

    「ロディくんは…きっと僕よりいい点数だと思うし
    凄いなと思います。人気者だし……」

    ボソボソと目線も合わさず言うコイツに
    なんだか無性に腹が立った。


    ーーーーーーーーーーー


    全然勝てない……!

    あれからというもの、どんな小さなテストだろうが
    課題だろうが、点数がつくものは
    頑張ってきたはずだ。

    それなのに毎回毎回少なくとも1点差
    満点をとったら奴も満点……
    どう頑張っても差が埋められない。

    たった1点だとしても、
    自分より色々と劣っているであろうコイツに
    負けているのがどうしても嫌だった。

    そんな時、僕は思いついてしまった。

    「あの……ロディくん……」

    少し下を向いて頬を赤らめながら女子に呼び出されて
    あぁ、告白か……なんて内心嫌になりながら
    ついて行く。

    「ロディくんの事がずっと好きでした!」

    俯いて、小さく発せられた可愛らしい愛の言葉と
    ビクビクして反応を待つその態度に
    僕は奴と近いものを感じて閃いてしまった。

    あぁ……これだ……

    「気持ちは嬉しいけど、ごめんね」

    アイツを落とせば……

    僕を好きにさせれば……

    僕に惚れさせれば……

    その後にフってやればいい…
    この顔に落ちなかった奴なんて居ないし
    優しくしてればコロッと騙される。

    そうだ、そうしよう……

    「僕、好きな人がいるんだ。」

    少し困った様に笑う僕をその子に見せながら
    心の中ではアイツへの作戦を考え、
    ニヤリとほくそ笑むのだった。



    ーーーーーーーーーーー


    「あの……なんか最近……良く来ますね」

    困ったようにそう言うコイツに内心イラッとしながらも
    僕は笑顔を貼り付けて答える。

    「ダメなの?」

    「いぇ……べつに……」

    オドオドとした態度は相変わらずで
    僕の顔すら見やしない。

    せっかく人気者の僕が
    他のものよりもコイツを優先してるのに
    何もかもが予想とは違う方へ行く。

    「僕は仲良くなりたいなと思ってたんだけど……
    嫌なのかな……?」

    「いや……じゃないですけど……」

    オドオドしながらも焦ったように取り繕う姿を見て
    照れているのか?と考えた僕は
    更に攻めようと思った。

    少し困った様に笑って
    コイツの顔を隠している髪に触る。

    目の前をかきわけるように前髪を払うと
    サラサラと気持ちの良い指通りが伝わってきて、
    それも何だか腹が立った

    その行動に驚いたのか、少しビクッと肩を揺らすと
    いつも眼鏡で隠れている目が眼鏡の間から俺を見る。

    次の瞬間僕が固まった。

    ーーー刺すような冷たい目線。

    鋭く刺すような目線に僕が固まると
    コイツは手を優しく払い、
    首を動かして、少し離れた。

    「ロディくんが……僕みたいなやつに
    触るなんてみんな驚いちゃうよ……?」

    ボソボソと呟くように言ったソレは
    いつもの雰囲気とは違う冷たい感じを含んでいた。

    僕はハッとして手を下ろすと

    「急にごめんね?
    いきなり触ったから驚かせたかな…」

    嫌われたくないんだと
    少し悲しそうなアピールしてみる。

    「ううん……大丈夫……」

    またボソッとそう言って
    僕が触った場所をササッと直して
    机に広げていた本を手に取って
    僕の存在を無視するように本を広げた。


    僕は初めてハッキリと見た
    コイツの目の冷たさと
    薄くグレーがかった不思議な瞳の色が
    しばらく焼き付いて離れなかった。


    ーーーーーーーーーーー


    そんなこんなで
    毎日飽きずにコイツの机まで行って
    たわいもない話をし続け、
    どれくらいたったのだろう。

    最初は何だか、コイツも満更ではないような…
    僕が話しかけてるのに慣れてはいないけど
    嬉しいとでもいうような反応が
    見ていて伝わってきていたのに、
    最近はもう上手くあしらわれている気さえする。


    クソっ……なんなんだアイツ……


    話しかけても上手くかわされて
    あの時のように触れようとすれば避けられる。
    1度見ただけの目線はあれからも交わらない……

    こんなこと初めてだった。
    こんな風に接してきたやつが他に居ただろうか?
    周りからも相手にされず
    孤立しているアイツに話しかけて
    上手く立ち回っていたはずなのに…

    そんなイライラを抱えながら
    委員会が終わって教室へ戻ると
    そこにはアイツが居た。

    珍しく背筋を伸ばして外を見つめ、
    サラサラとあの気持ちの良い髪が
    風に流されている。

    あの時の指の感覚と目線を思い出し、
    ドキリとしたものの気を取り直して教室へ入る。

    「まだ残ってたの?」

    教室の入口からそう声をかけると
    ハッとしたように向こうがいつもの姿勢になった。
    少し丸まった背中と少し下を向く視線。

    「珍しいね……直ぐにいつも帰ってなかった?」

    「ロディくんを……待ってたので……」

    予想外の言葉に僕が驚く
    アイツを確認すると
    少し下を向くその顔は少し赤くなっていて
    ギュッと膝に置いた拳は握り締めて震えている。

    まさか……これは……?

    ニヤけそうになる表情を必死に抑えながら
    僕はいつもの席まで近づいていく

    「僕を……?どうして?」

    これは予想外だと言わんばかりの表情を浮かべて
    奴の前まで来ると
    フルフルと拳を震わせながら
    何か言葉を紡ごうとしているのがわかる


    これは……僕の勝ちじゃないか……?


    何度も何度も経験した告白の雰囲気……
    その時の相手の表情……
    空気感……

    それを感じて僕はこの長い期間の努力が
    やっと実を結んだかと心の中で喜ぶ。

    さぁ、言え!
    そうしたら僕が……

    「もう僕に関わらないで……下さい!」

    予想外の言葉に僕が固まる。
    一瞬にして先程までの想像が崩れて、
    僕は思考が止まった。

    今なんて言った……?

    下を向いて震えている目の前の奴と
    立ち尽くして固まっている僕。

    本当に一瞬の出来事のはずなのに
    長い時間が流れているような気さえしてくる。

    「ムカつく……」

    そう思ったら反射のように口から飛び出した。

    いつもの僕なら学校で絶対に言わない言葉。

    「へ?」

    その間抜けな反応も、
    僕を見ないその顔も、
    レンズに隠れて見えもしないその目線も、
    つれない態度も全部全部……

    「本当にムカつく!!!」

    「……ロディ?」

    僕の荒らげた声に驚いたのか
    ビックリしたように固まって
    僕を見上げているコイツ……

    その表情にすらイラついて
    抑えが効かなくなった心の声が
    全部口から飛び出した。

    「僕がアプローチしてるのに!
    陰キャで誰も相手してないから
    僕から話しかけて仲良くしてたのに!」

    やめろ……と思いつつも
    何故か止まらない言葉。

    「なんでなんとも思わないわけ!?
    テストも勉強も僕よりできて!」

    いつもの僕なら、迷惑だったかな?とか言って
    どうでも良くなるはずなのに

    「他と絡まないどころか、
    僕が話しかけても嬉しそうにしない!
    何をやったって僕の方なんか見やしない!」

    グッと拳に力が入って
    勢いに任せて飛び出す言葉と一緒に
    おかしくなったのか視界が歪んで
    涙がこぼれそうにすらなっている。

    「挙句の果てに僕に向かって
    そんなこと言うなんて!陰キャの癖に!
    僕を拒絶なんて……生意気なんだよ!!」

    そうだ、こいつの口からハッキリと
    僕は『拒絶』されたんだと理解したら
    ポロッと涙が零れた。

    なんで、僕が……
    何もヘマはしていないはずなのに…
    拒絶されるようなことなんて……

    「ふふっ……」

    その声にハッとして奴を見ると
    口元を抑えてクスクス笑っている

    「何笑って……!」

    それにまたイラッとして声を荒らげようとすると
    これまた予想外の言葉が飛んできた。

    「かっわいいなぁと思って?」

    なん……て……?
    こいつは何を言ってる?

    さっきまでの態度と雰囲気と全然違う、
    頬杖をついてこちらを楽しそうに見上げる奴を
    俺は何も言えずに見つめ返す。

    「ふふ……僕のこと考えて
    色々必死に頑張ってるなぁってずーっと思ってたけど
    ちょーっと突き放してみたら
    こんなカミングアウトされるなんて」

    予想外だなーなんて
    クスクスと楽しそうに笑いながら
    今度は奴が色々話し始める。

    「つれない態度で悔しかった?
    陰キャのくせにって何回思った?」

    「なに……」

    あまりの変わりように僕の言葉が出ない。
    なんならさっきの涙もどこかへぶっ飛んだ。

    「ずっと前から僕、君の事見てたんだよね
    すっげぇ腹黒そうだなーって」

    ね?っと首を傾けて
    こちらに聞いてくる仕草に
    僕はもう何も言えない。

    「そしたら意外とピュアだし?
    ただの負けず嫌いかーって思って
    テストでいちいち張り合ってくるのは予想出来たけど
    まさか、僕にアプローチかけてくるとは
    思わなかったかなー?
    すっごく面白かったけど」

    まさか……ヤバいやつに
    ちょっかいかけたかもしれないと
    この時になってようやく思い始めた。

    「猫かぶってるのが君だけだと思ったら
    痛い目見るかもね?」

    そこまで言うと
    静かに立ち上がって僕の目の前までやってきて、
    いつもの姿勢とは違う……
    真っ直ぐと立ち上がって僕を正面から捉えている。

    「引っ掛かったのは君の方じゃない?ロディ?」

    何を言ってる……
    さっきからコイツの言葉に理解が追いつかない
    むしろ理解してはいけないような気さえする。

    「僕の事いっぱい考えてたから
    好きなっちゃってたりして?」

    あの時の僕と同じように僕の髪に優しく触れる手。
    梳くようなその仕草になぜだか
    背筋を小さな電流のようなものが走るのを感じて
    思わず手を振り払う。

    「そんな訳!」

    無いだろうとハッキリと告げる前に
    払った手を掴まれて
    ガタン!と派手な音をたてて机に押し倒された。

    落ちてくる髪を耳にかけて
    こちらを見つめてくるコイツ……

    「あっ……それ……」

    髪の毛を耳にかけて見えてしまった。
    複数開いているそれに思わず目が奪われる。
    透明なピアスがいくつも付けられているソコは
    軟骨のほうまであいていて
    イメージとは違うのに
    なぜだか似合うなと思ってしまった。

    「あぁ、ピアスね。
    前に髪触られた時にコレばれるんじゃないかと思って
    思わず腕払っちゃったんだよね」

    なるほど……あれはそういう……
    と、納得しかけたが今はそうでは無い。

    手は僕の顔の横、
    足はつま先しか床に着いていない、
    なんなら目の前にはヤバさしか感じないコイツ……

    何が起こっているのか、
    僕は夢でも見てるんじゃないかと思いながら
    押し倒された背中の痛みを鈍く感じる。

    「あんなに素っ気なくして、突き放したら
    泣きそうな顔してたくせに?」

    「違う!」

    少し近づいた顔にゾクッと嫌なものを感じながら
    必死に否定の言葉を紡ぐ。
    それを聞き流しながら、僕の目元に指を這わせて

    「あ、泣いてたっけ?」

    と、笑いながらつづけるコイツに
    顔が赤くなった。

    「違うって!」

    首を横に振ってその手を払おうとしたら
    グッと顎を掴まれた。

    「じゃあ確かめてみよっか?」

    そう言って一気に近づいたそのにやけ顔と
    僕の唇に当たる柔らかいもの。

    サラサラと僕の頬に当たるコイツの髪……
    細い身体のどこから出ているのか分からない
    僕を止める力……
    正面を向かされている顎の手……

    全てが僕の思考を止めた。

    僕は目を見開いてそれを受け入れてしまっている。

    チュッと軽い音を立てて離れたそいつは
    僕を見てまたクスクスと楽しそうに笑う。

    「ふふ……真っ赤」

    トドメと言わんばかりに僕の唇をペロッと舐めて
    笑いながら僕の身体から離れて僕の反応を見ている。

    「なっ……な……」

    言葉にもならない声を発して
    手の甲で口元を隠して起き上がると
    少し眼鏡をずらして

    「初キスだったかな?ごめんね」

    そう言ってあの時の少し冷たく、不思議な色の瞳で
    僕をしっかり見つめてそう告げた。

    「あとね、僕の名前『フェイ』だから。
    お前じゃないよ?ロディ」

    冷たい目を細めて鋭く言い放ったかと思うと
    眼鏡をかけ直して机にかけてあった鞄を手に取った。

    「ふふ、ご馳走様。」

    颯爽と教室から出ていくアイツ…
    ヒラヒラと緩く手を振って
    扉の向こうに消えていったアイツの本性が
    さっきのアレだと気づいて
    まんまと手のひらで転がされていたのだと
    時間差で気がついた。


    「〜〜っ!!死ねっ!」


    僕らしくもない言葉が
    誰もいない教室に大きく響いた。

    それを廊下で聞きながら
    アイツがクスクス笑っているのかと思うと
    それにも腹が立ち、
    僕は熱くなった体が冷めるまで
    教室の机に突っ伏したのだった。
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