ストロベリーフラワーまたあの子は自分の腰の辺りを見つめている。可愛らしい真ん丸な目をして。
何故そんなに注目して来るのか、ある日いつものイチゴパフェをテーブルへ届ける時に尋ねてみた。
「お兄さんのそれ! イチゴのお花みたいで可愛いにゃ!」
綺麗にネイルの塗れられた人差し指が彼の腰の紐飾りを示す。その中央には小さな花のような飾りが。
急にかあっと顔が熱くなる。
「なっ、バカちげーよ!」
パフェを置いて足早にその場を去る。
――イチゴ好きな君を近くに感じたかった。
『見抜かれてた!』と恥ずかしくなり、テーブルを振り向けないままトレイでストロベリーカラーの顔を必死に隠した。
(おわり)