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    amagi_konoha

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    amagi_konoha

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    ナルミツWebオンリーイベント「重なる想いが蜜と成りⅡ」で展示していた作品です。こちらの作品は7/15くらいに削除しますがいつかpixivの方にあげるかもです。
    成歩堂のためにパンケーキを作る御剣の話
    元々付き合っている設定
    かっこいい御剣さんはいません。

    バンッ……!!!
    「成歩堂ー!!!パンケーキをつくるぞ!」
    自宅のドアを勢いよく開けて入ってくる見知った顔。片手に近くにあるスーパーのレジ袋をぶら下げながらズカズカと入り込んでくる。ぼくはというと状況が理解できず廊下でへたり込んでいた。そんなことを気にせず入ってきた彼こと御剣怜侍は荷物をキッチンに置くとそのまま洗面台へと向かっていった。
    いやいやいや、ちょっと待てどうなってるんだ??今日はアイツ、忙しいからとぼくとのカフェデートをキャンセルしてたじゃないか。なのになぜここにいるんだ?しかも、入ってきたときにパンケーキを作るとか言ってなかったか??
    何度整理を試みても疑問に対する正解らしきものも見つからないし余計に分からないことが増えていく。頭を抱えて困惑していると上から声がかかる。
    「いつまでそうしているつもりだ?」
    そうさせている原因が何を言ってるんだ。文句のひとつでも言ってやりたいが状況を理解しきれない頭では声を出すことすら成し得なかった。本人に聞こうと見上げると呆れた様子でこちらを見る御剣がいる。
    なんでこっちが呆れられた表情で見られなきゃいけないんだ。
    意味がわからず狼狽えていると腕にかけたジャケットから携帯を取り出し目前につきつけられる。そこには予定取り消しのときに見た文と共に『かわりにその日キミの家に訪問し、パンケーキをご馳走しよう』という文があった。こんなメールあったか?身の覚えがない文を前に余計に?の文字が浮かぶ。しかし、記憶を手繰り寄せていくとハッと思い出す。あの日、メールを読んでる途中でお客さんが来て、早めに連絡返さないとと思って最後の方を読まないで了解だけ送っちゃたんだっけ……。まさか、こんな文が最後にくっついてると思わなかった。
    「状況は理解出来たか?」
    「ああ、悪い御剣。」
    やっと状況が飲み込めたからか気分が落ち着いてくる。手を差し出され、立ち上がる。
    「ところで、その格好なに?」
    「ん?これしか無かったのだ」
    彼が身につけているエプロンは紐にも裾にもフリルが着いており、しかもピンクときた。普段スーツのイメージが強いためここまでチャーミングな見た目の服を持ってるとは思わなかった。
    「では、キッチンを借りるぞ。キミはリビングで待っていたまえ」
    「はいはい、好きにして」
    ジャケットを持たされリビングへと押し込まれる。
    もうよく分からない突拍子なことでも受け入れるのは慣れっこだ。ここで下手に刺激しないで気がすむまで自由にやらせてやろう。ハンガーにジャケットをかけ、待つことにした。


    グシャ……ボタッ……
    なんでこんな音するんだ。大人しく待っていると変な音が聞こえる。僕のキッチンで何が行われてるんだ。不安になり、覗いてみる。シンクに割れた卵が飛散し、粉が舞っている。しかもボウルを傾けすぎてるため生地が落ちた。どうやったらこうなるんだ……
    はぁ……
    頭を抱えてため息をこぼす。まだ10分しか経っていないのに先が思いやられた。
    「な、何を見ている!そっちで待ってくれたまえと言っただろう」
    顔を真っ赤にして怒ってくる。なんでこっちが怒られなきゃいけないんだ…。どうせ掃除は免れないし、とことんやらしてやるか…。そう思って部屋に戻ったが、これが間違いだった。


    しばらくすると甘い香りが漂ってくる。あの状態からでもきちんと作ることができるとは…ホットケーキミックスは偉大だなぁ。そう思ったのも束の間だんだん甘い匂いよりも焦げた匂いが目立ってきた。おいおいおい、簡単と言われるパンケーキを失敗したのか。
    「成歩堂できたぞ…」
    運び込まれてきたのは予想と違いホイップの乗った綺麗な丸いケーキだった。
    「これって……」
    焦げめがなく、よく見ると小さな穴が空いていて、高さがある。パンケーキでも高さがあるものは作れるというけどこれは……
    「スポンジケーキだよな?」
    「……ッ!」
    うちにオーブンはないし、スポンジケーキはもっと時間がかかる。きっと失敗したとき用に飾りつけができるこれを持ってきたのだろう。
    「御剣、作ったやつ見せて」
    「…だいぶ焦げてしまったぞ」
    「いいから」
    意を決した様子でキッチンに向かっていった。戻ってきた彼の手には黒い物質が乗ったお皿がある。
    「これまたすごいね」
    「だから言っただろう」
    「……いただきます」
    スポンジケーキと共に持ってこられたフォークを手に取り突き刺す。そのまま口に運び、飲み込む。口中に苦い味が広がり、とても美味しいとは言えない。でも幸福感はある。
    アワアワと焦った表情を浮かべる御剣を横目に全て完食した。
    「……まずかっただろう」
    「ああ、美味しいとは言えないね」
    悲しそうな顔で目を伏せる彼。気にせず言葉を続ける。
    「…でも、嬉しいよ。」
    「はい?」
    「だって、お前がぼくのために作ってくれたんだろう?」
    「それは…まぁ、そうだが」
    「それだけで十分だよ」
    顔を赤く染めて狼狽えている。その様子をニマニマと見てから立ち上がった。さて、ぼくも作ってみるか
    「次はぼくが作るよ。食べてくれる?」
    「もちろんだ」


    その後、キレイに焼けたパンケーキを2人でおなかいっぱい食べましたとさ
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    😍😍😍😍😍😍😍😍😍😍
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