魂喰い「なあヴォックス、人間ってどんな味がするの?」
「どうしたんだ突然?」
「いや別に気になっただけ、美味いの?」
「ふむ……」
「あ、それ僕も気になる。今までヴォックス以外にまともに会話できる妖って会ったことないから」
「……うーむ、期待してもらっている手前言いづらいんだが実は私は人の血肉は食べたことがなくてな」
「そうなの?!」
「へえ、意外だね?足抜けした領民とかはお腹の中に入ったモノだと思ってた」
「こういうのは私自身よりシュウの方が詳しいんじゃないかと思うが、私は”呪い”から発生した鬼じゃなくてな」
「あ、そういうこと」
「ちょっと、二人で完結しないでよ。鬼ってそんな色々種類あるの?」
「あは、ごめんごめん。うーん、なんていうのかな、鬼が産まれる理由って色々あるんだけど、その理由、出自によって性質が違うんだよね」
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