キャラメリゼでバイトする 一葉はいつも通り、バータイムのCaraméliserに足を運んだ。
特に何か飲みたいものや、食べたいものがあったわけではないが、ついやって来てしまう。正直、そんなに酒は強くない。だが、マスターの機嫌がいい時はついつい飲み過ぎてしまう。そういえば、この前もそんな事があった気がする。
「あ、いらっしゃい。今日は何飲む?」
カウンターに腰掛けると、マスターのコーディが愛想よく話しかけてきた。
「そうだな……、じゃあ、今日はミントジュレップ。モヒートの酒をウイスキーに変えたやつさ」
「あれか……。またメニューにないやつを頼むんだから」
「できないならメニューから選ぶ」
「できないっていつ言ったの? ちょっと待ってて」
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