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    hinano3595

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    ギリシャ神話パロ【悪弁、写探前提】
    続きたい

    ギリシャ神話パロ①✯ギリシャ神話パロ
    ✯以下捏造設定
    ✯弁護士フレディ→やぎ座→牧草神パーン(パン)
    ✯探鉱者ノートン→うお座→愛、恋、性欲の神エロース(エロス)
    ✯写真家ジョゼフ→アポロ衣装→太陽神アポロン
    ✯悪夢オルフェウス→烏→元は白い烏だったが、仲間がアポロンに対して嘘をついたために、黒く焼かれた。アポロンの呪いを受けている。
     
    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
     
    「パーン様!お慕いしています。」
     眼前の女性に対し、どんな態度を取ろうかと、パーン――フレディは、眉間に皺を寄せる。
     女性は薄い布を身にまとい、色とりどりの花で飾られている。
     トロリと惚けた表情も合わさって、さながら神への供物のようだ。
     着飾った女性が、何故、フレディの住処にいるのか。その理由はすぐに思い当たる。
     フレディが生殖を行わなくなってから、しばらく経っている。その影響が周辺の山々に住む山羊や羊といった家畜にも響いており、健康な子が産まれないため、手っ取り早くフレディに番をあてがおうと、最高神から命令を受けたどこかの神が動いているのだろう。
     今回のように、花嫁衣装を身に纏った女性がフレディの寝台に現れたのは初めてではない。
     けれど、パーンたるフレディが、彼女を受け取ることは絶対にない。
     どうすれば、彼女たちのメンツを立てながら、フレディの住処から立ち退いてもらえるのか。考えただけで頭が痛くなる。
     前回と同様に、今回も適当な洞穴に彼女を眠らせて、問題のない男がその洞穴を「たまたま」立ち寄る様に働きかけることにしよう。若い男女のことだ。すぐに仲良くなることはまず間違いないし、そこに神の祝福と授かりものがあれば、彼女が神への供物だった事実はうやむやになるに違いない。

    「ねえ、また追い返したの?」
     ふわりと風が動く。
    「こっちだって、アンタの嫁候補を探すの大変なんだよ。」
     先日の女性の家へ、ヤギや羊といった祝福の品の他に成長の早い植物の苗などを手配した矢先、フレディのもとに女性をよこした張本人ーエロースこと、ノートンが顕現した。
    「顔も器量もよくて、家柄も申し分ない。なのに、なんで追い返すのさ。」
    「うるさい。俺の許可も同意もないのに、こんなところに神の力で女が連れてこられる方がどうなんだ。」
    「そりゃあ、こんな山の中で、知らない男と婚姻をするなんて可哀想だと思うけど。けど、そうは言ったって、アンタが生殖をしなければ家畜が増えない。家畜が増えないことには人間が増えない。人間が増えないことには、信仰が増えないから、我らがゼウス様もお困り遊ばされているんだって。」
     ゼウス、と最高神の名前を出したところで、一瞬、あたりが暗くなり、洞穴の外からピシャリと稲妻が鳴り響く。
    「げ、あの地獄耳。」
    「…嫁を娶れと言われても、俺にその気はないと何度説明させるんだ。」
     焼け焦げた「彼女」の手が、指先が、悲鳴が、未だ鮮明に脳裏に焼き付いているというのに。
    「こっちだって、何回もその言い訳は聞いたよ。けど、現実問題として……って、これは平行線だな。」
     説教をしても、フレディの耳に残るはずがない、とノートンはあきらめのため息をつく。
    「せいぜい一人の女に縋ってなよ。」
     愛の神の捨て台詞に、フレディの顔も険しくなる。
     他人だから好き勝手言えるものだ、と。

     
     
     
     

     
     
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