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    hinano3595

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    hinano3595

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    DM リッパー ×ロナード
    *黄金薔薇劇場世界線
    *DM×ロナードに体の関係あり
    *写→←探←リ だと思う
    *ロナードが病気になった後、DMも病気になる話
    *キャラ崩壊、妄想入り

    ロナードが病気になった後、DMも病気になる話DM リッパー ×ロナード
    *黄金薔薇劇場世界線
    *DM×ロナードに体の関係あり
    *写→←探←リ だと思う
    *ロナードが病気になった後、DMも病気になる話
    *キャラ崩壊、妄想入り
     
    ー✂️視点ー
    「ふぅん。そう。」
     私の報告に、主人はゆるりと瞼を持ち上げる。
    「ああ、だから先週の公演は、少し性急だったわけだ。」
     主人の言葉は、演目そのものを指しているようだが、その言葉は「彼」のことを指していることを私は知っている。
     私は、「彼」の公演に居合わせていたわけではないが、そばに控えていた執事から「側仕えを変わって欲しい」と嘆かれた。つまり、先日の「彼」の公演を観劇した主人は、相当気を悪くしたらしい。
     おおよそ、先日「彼」が病にふせっていたこと、そして、主人が観劇した公演が、病み上がりの「彼」が登壇していたことは深く関係しているのだろう。
    「この私に、駄作を用意するなんて…一言、話しをする必要があるようだね。そうは思わないかい?」
    「彼」の、そんな小さな変化に目敏く気づくから、なのに見舞いの一つも用意する気配のない主人が「彼」から煙たがられていることも、私は知っている。
    「ええ。馬車を用意いたします。」
     すぐに…と、言葉を続け、私はそっと目を伏せる。
     私は、「彼」が、主人へ好意を寄せていることをも、また…知っていた。
     主人の所有物である馬車で「彼」を迎えに行けば、眉間に深い皺を寄せつつ、「彼」の声は…喜びが滲み出てしまう。そんな場面を、私は何度も見ている。
     たとえ、主人の要件が「彼」の芝居に苦言を呈するものだとしても、思いを寄せ合う「彼ら」をどうして止められよう。
     主人の空いたグラスにワインを注ぐ。
     私の手の震えも、きっと彼には見抜かれている。
     

    〜数日後〜
     

    ー🧲視点ー
    「主人はお体が優れませんので……お引き取り願います。」
     神妙な面持ちで執事が繰り返す。
    「主人は先日から熱が引かず…それはもう、おいたわしく…。ですので、お客様をお通しすることはできかねます。」
     気の弱そうな口調だが、さすがメロディー家の屋敷といったところか、断固とした口調でロナードの入場は断られた。
    「そうですか…。それでは、改めて何か、用意させましょう。私はこれで。」
     口ではニコリと微笑みの形を作るが、内心面白くない。
     ロナードのような一介の芸術家が、パトロンであるDMに会うには、タイミングが必要だ。DMにとってのロナードは、数多の芸術家たちのうちの1人にすぎず、それは体調がすぐれないというDMに、無理を言って会えるような立場ではない。
     ……多少、無理を言って、面会を強要するなんて媚びを売ることも考えたが、飽きられる寸前の娼婦の真似事のようでみっともない、と考え直すことにした。
     メロディー家の門に背中を向けて、ふと立ち止まる。
     ここに来た要件は大事なものではなく、後日出直せば良い。
     仮にDMの体調不良が仮病だとして、何かの悪事の根回しをしているか、かつてロナードの劇場に在籍していたベラのような女性へアプローチをしているかだろう。
     自分で面白くもないことを考え、頭を振る。
     そうだ、以前から考えていたアレを試してみよう。


    〜数時間後〜

     
    ー📷視点ー
     ぼんやりと、薄く目を開ける。
     頭が重い。体が痛い。
     栄華を極めるメロディー家の当主だというのに、浜辺に打ち上げられた海洋生物のような有様だ。
     使用人たちにも自分が呼ばない限り、必要最低限部屋に近づくなと厳命している。
     瞼が重く、今にも眠りにつきそうだ。
    「なんだ、本当に寝込んでいたんですね。」
     聞こえるはずのない声が聞こえる。これも熱が見せる幻聴なのか。
    「…先日は、こちらを気遣って下さりありがとうございます。…あいにく見舞いの品は後日になりますが、お許しください。」
     ……どうやら幻聴ではないようだ。
     面白がるような声音は間違えようもない。
    「君は…どうやって、ここに……?」
     腫れた喉から出る音はカヒュー…と頼りないものだった。
    「さあ、話してしまうと警戒が強まって、二度とこの手が成功しなくなるので…」
     嫌なんですが、と前置きして、ロナードはゆるりと笑った。
    「簡単な話ですよ。貴方の使用人に紛れ込みました。大きな屋敷ほど人の出入りが激しいので、まあ、難しくはありましたよ?この傷を抱えての侵入ですから。」
     くつくつと喉を鳴らす彼の仕草が、自分に似ている気がするのは気のせいだろうか。
     彼の手が背中に差し込まれベットに腰掛ける。
    「それで…一体何の用だ?」
     弱っている姿を見られてるのは気分のいいことじゃない。今すぐに彼を追い出しても構わないが、2度と使えない作戦を使ってまでメロディー家に侵入した動機を知りたい。
    「いえ、先日お世話になったので……うつしてしまったのではないかと、思って……。」
    「それだけかい?たった…それを確認するために?」
     屋敷外から第三者が入り込めるのは問題だ。今すぐにでも、使用人全員の名前や住所を確認して、名簿などは厳重に保管しなければいけない。
     ロナードがこの屋敷に潜り込むことは2度と不可能になる。
     ロナードの立ち振る舞いや演技力を持ってすれば、日頃からメロディー家に立ち入って周囲を観察していることもあるだろうが、メロディー家の使用人を騙すことができると証明されてしまった。
     メロディー家に侵入できるならば、この家の秘密なり盗み出して金儲けをすることや、もっと悪辣なことをできるかもしれない。
     なのに、わざわざこの家に侵入した末に、その目的が、「ただ、会いたかった」それだけだなんて。
    「度し難い。……本当に、面白いね。君は。」
     熱で浮かされた頭で考え事をするのは良くない。くらいと目眩が酷くなる。もう、これを口実にしてしまおう。
    「使用人、としてこの屋敷に来たのなら…わかってるね?」
    「ええ。何をお持ちいたしましょうか。」
     化粧の乗った彼の肌をスルリと撫でる。
     今夜は悪夢を見なくて済みそうだ。
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