尾形百之助を見つけたら、今度は絶対僕が殺してやる。そう思っていたら深夜のコンビニで、くたびれたスーツを着た尾形百之助に出会った。
「おいてめぇぇぇ! ここで会ったが百之助だあ!」
百之助は明治の頃から変わらない死んだ眼差しで僕を見つめ、驚いた様子もなく「それを言うなら百年目だ」と突っ込んだ。
「百年と少し経ってるがな」
百之助は割引になった弁当とコーヒー、タバコを有料のレジ袋に入れてもらっていた。目の下のクマが酷い。頬もこけてる。
「で? 用がなければ帰る、明日も始発で家を出なきゃならん」
コンビニを出て行こうとした百之助を慌てて追いかける。あの尾形百之助が社畜? 意外なんだけど。
「お前に会ったら今度は僕がお前を殺してやろうと思ってた。ずっと会いたかったよ」
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