貴方は美しい12月頭、一通の封書が届いた。
手紙にはたった一文、
『12月23日正午、上野で待つ』
何かの決闘状かと思った。
そして、封筒の中には東京行きの切符が入っていた。
黄金争奪戦後、我々は政権転覆を図る反乱分子と見なされ、中央政府から相当な詰問や尋問を受けた。
「部下を守るためどんな手を使っても…」と言った彼は寝る間も惜しみ、時には苦渋を飲むこともあったが、少尉という立場でありながらも中央政府を相手に上手く立ち回った。
それから2年、尋問も落ち着きを取り戻していった。その間、少尉から中尉に昇進した鯉登中尉は、連隊長の大佐から陸軍大学校の推薦の話が上がった。そこからはとんとん拍子で話が進み、多忙な業務の中、陸大の受験勉強をされていた。
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