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    yrmt_206

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    yrmt_206

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    視点がめっちゃころころ変わります。記憶思い出す前の兄上は幼兄上みたいな性格の設定
    ※他人同士 ※現パロ

    兄上が突然前世の記憶を思い出してわたわたする話 巌勝は目を覚ました。
     正確に言えば本当に目を開けたという訳では無い。ただ、たった今目覚めたように眠らせていた意識をはっきりさせたのだ。
     巌勝は至って平凡で幸せな人生を歩んできた。一人っ子である巌勝は両親にきちんと愛されてすくすくと育ち、高校に入学したのが去年のこと。高校でも順調に日々を過ごしているし、気の置けない友人もできた。そして何より、恋人がいることが巌勝の心を大きく占めていた。恋人は、それはもう巌勝の事を慕ってくれていて、巌勝もその想いが嬉しくて付き合い始めたのだ。喧嘩など一度だってしたことがなく、とても順風満帆である。
     他人からみても自分はきっと幸せに映っていただろうし、実際にとても満たされていた。
    今、この時までは。

     ぎぎ、と効果音のつきそうなくらいぎこちなく首を回して隣を見れば、恋人がいる。それもそのはず。今日は両親がいないからと言って自宅に招いたのは自分である。隣には前世でも今世でも飽きるほど見てきた顔。恋人、それは前世の弟に違いなかった。
     背中に冷たい汗がどばどばと滝のように流れる。熱烈にアプローチをしてくる縁壱に対して「俺も好きだ」とか顔を赤らめながら返した気がする。阿呆か?それで手を繋いで抱きしめあって……まてまてまて、確かキキキキキキスまでしたぞ!!?羞恥と動揺で顔に熱が集まり、息が揺れる。控えめに言って消えたい。今考えると、どれもこれも正しく正気の沙汰ではない。弟にも恐らく記憶が無いのだろうな…、と若干の寒気を覚えながら思った。が、隣のカラ、という耳飾りの音を聞いて、はたと思いだす。前に一度、何故そのような個性的な耳飾りを付けているのか聞いたことがあるのだ。
    「会いたい人がいるのです。その人に見つけてもらうために常に付けているのです。」
    と言って寂しげにはにかむ縁壱をみて、その時は恋人らしくその相手に嫉妬なんてものをした訳だが。
     アイツ、絶対に覚えている…。
     脳が爆発しそうだった。本当に無理だ。

     巌勝は前世の記憶を思い出したその時、現恋人と絶対に決別しようと固く決心した。

    _____________

     高校の入学式の日、兄を見つけた。間違いなく兄だった。
     縁壱には血の繋がった兄弟は存在しない。けれど生まれた時には既に所謂前世の記憶というものが存在した。前世では自分に兄がいたのだから、今世でもいるだろうと楽観的に考えていた。それなのに隣はぽっかりと空いたまま。幼い頃、隙を見ては兄を探しに行こうとし、兄がほしいとないものねだりをする縁壱に両親は随分と手を焼いたそうだ。兄を見つけられないまま流れるように時は過ぎていく。縁壱は成長するに連れて不安と焦燥を募らせていった。兄に見つけてもらえるように前世と同じ耳飾りを作って付けたのは小学生のとき。現代では痣も消せるらしいため両親は消すことを勧めたが、縁壱は消さなかった。中学生になるとある程度は自由になったので、あちこちに出回った。兄への手がかりになりそうなものなら何だって調べたし、行動した。でも会えない。早く会いたい。兄に会ったらきっと、この心にぽっかりと空いた穴が埋められるはずなのだ。
     そんななか、高校にて漸く兄に再び会えたのだ。前世同様なめらかであろう漆黒の髪が現代らしく短くなっているが、きりりと整った顔立ちと理性的な雰囲気は前世と全く変わっていなかった。
     歓喜で呼吸が上手く出来ないままにふらふらと兄に近づき、その肩に手を乗せる。
    「えっと…?」
     兄は振り返って縁壱に視線を合わせ、困惑の声を漏らす。その瞳にはあの時縁壱によく向けていたような燃え盛る執着はなかった。当たり前だ。今世では今初めて出会った他人であるのだから。兄には記憶が無いのだとすぐに分かった。
    「あの…教室の場所がわからなくて…」
    と、縁壱はしどろもどろに誤魔化した。さすがに不自然だったかと不安になったが
    「では一緒に行こう。私は××巌勝だ。」
    兄は大して気に留めず、一緒に教室へと歩き出す。再び隣を歩けているということに涙がでそうになった。
    「どうかしたか?」
     兄はそんな縁壱の様子に心配そうな視線を向ける。縁壱はそれに慌てて言葉を返す。兄の気配りが嬉しくて涙はすぐに引っ込んだ。
    「いや、大丈夫です。まだ新しい環境に慣れていないだけなので…」
    その言葉に兄は少し逡巡してから口を開く。
    「大丈夫だ。」
     兄が笑った。私も付いているから大丈夫だと言って笑った。その笑顔はかつて同じ屋敷で暮らしていた頃によく見た笑顔に寸分の狂いもない。
     兄を手に入れたい。前世で縁壱はよく兄に執心のこもった強い瞳で見つめられていた。その熱い瞳をがまたほしい。また自分に執着して欲しい。その時初めて、縁壱は兄に対しての強く重い執着に気がつく事が出来たのだ。
     兄の真面目で誠実な性格もあってか、好意を示せば示すだけ好意が返ってきた。だがそれは他の人に対しても同じなのだ。兄は誠実で平等だから、縁壱だけを特別にはしてくれない。
     俺をなによりも特別にしてほしい。俺だけの、あなたであってほしい。
     縁壱はあれこれと巌勝に構いまくったおかげか、とうとう親友と呼べるだろう地位にまで登りつめた。学校ではほとんどの時間を共に過ごしたし、休日もたくさん遊びに出かけた。兄は他にも友人がいたが、その人たちより縁壱のことを優先してくれるようになった。もっと特別にしてほしい。そう思って何度も告白をした。誠実な兄は何度も丁寧に断ってくれた。きっと兄のなかに縁壱の将来だとか男同士だとか、そういった葛藤があったのだと思う。縁壱は根気よく待った。出会えずに焦れていた時に比べれば随分と楽であった。そうして遂に承諾をもらえた時の縁壱の歓びを表せる言葉は、きっとない。

     いつものように兄にぴったりと密着して恋人としての時間を過ごす。毎日のように繰り返しているこの時間だが、飽きる気配などは全くせず、逆に重ねるほどに強く焦がれるようになった。縁壱は兄と恋人という関係になってもまだ足りない。恋人になれた時はそれはもう本当に嬉しかったし、好きだと言ってくれた時の赤面顔は一生目に焼き付けて生きていくだろう。あれは本当に可愛らしかった。
     でも、あの、何もかもが綯い交ぜになったような燻る視線はくれない。恋人として執着してくれているのはきちんと理解している。愛してくれていると自負している。でもまだ全然足りなかった。欲張りになったな、どこか達観したようにと思う。前世ではこれほどまでに焦がれたものないし、常に受動的に過ごしてきた。きっと、自分が欲しいと思う前に兄が与えてくれていたのだ。 もっと、もっとほしい。縁壱は兄の酸いも甘いも、全てを欲してやまなかった。
     兄と恋人として情交をしたい。
     縁壱はあの執着だけを欲しているのだと思っていたのだが、そんなことはなかった。恋人になった途端、兄に対しての肉欲を自覚した。兄に無遠慮に触れても良いという立場を手に入れたのだ。それに気がついた時、縁壱は喉を無意識に鳴らし、どくりと鳴る己の心に燻る炎を感じ取った。体が熱く火照る。
     もちろん普通の男女ならそうするのは当たり前なのかもしれないが、こちらは前世といえども兄である。弟の意識があった身としては、そういった行為をすることに一応罪悪感のようなものが生じた。
     しかし、そんな気持ちも本人を前にすれば跡形もなく吹っ飛んでしまう。
     今日、今日こそは、兄に触りたい。
     兄が自ら家へと招いてくれたのだ。しかもここは兄の部屋。ベッドがある。そんな当たり前のことにさえ縁壱は興奮した。きっと、これ以上の機会はないはず。
     手を握る。ここまではいつも出来るのだ。兄は手を握ると、嬉しそうに口角を上げてぎゅうと指を絡めてくれる。そして安心しきったように縁壱にもたれかかってくるのだ。その体温に縁壱はまたドキドキと鼓動を早めさせるのだが、これ以上何をされるか理解していないような無防備な兄の姿を見てしまうと、穢してはいけない気がしてしまい、なんとか理性を総動員させて未だにキスどまりである。もう何度その無垢な反応をいなして押し倒し、ことに及ぼうとしたか分からない。兄はもっと自分を警戒すべきなのだ。
     しかし今日は違った。手に触れると必要以上にビクリと跳ねる肩。不思議に思って兄の顔をみると、熱があるようにきゅうと顔が赤く、息も少し荒い。は、と漏れる兄の息に意識が乱される。
     もしかして。
     兄も俺と同じ気持ちなのだろうか。期待しても、いいのだろうか。
    「みちかつ…」
     口を兄の耳に寄せて囁くように呼ぶ。すると兄はこれまた面白いようにびくりと身体を跳ねさせた。これはきた。絶対にきた。縁壱は確信した。期待と興奮で手先が震えそうになるのを必死に抑えて、兄を抱き寄せる。ひゃ、と漏れた悲鳴が可愛らしい。首筋に顔を埋めて兄の匂いをたっぷりと吸い込む。人の匂いに安心しながら、それが兄であるということにこれ以上なく興奮した。匂いを嗅がれることを不快に思ったのか、
    「よ、よりいち…やめてくれ…」
     そう言って潤んだ視線を寄越す兄は、自分を誘っているようにしかみえなかった。

    _______________

     どうしよう。どうしよう。どうしよう。縁壱が謎に興奮している。恋人として接していた時もこれほどまでに興奮した縁壱を見た事がない。えっもしかして記憶を思い出したことがバレたのか?いやいやそんなはずはない。まだ何もしてないのに。そんなことを考えているうちにも顔は首筋に埋めたまま、手が腰にまで移動しようとしている。荒い息が首にあたってくすぐったい。まずい。巌勝はとりあえず両手で縁壱の肩を掴んで距離をとった。不思議そうな、どこか咎めるような視線を受けたので、目を合わせないように俯く。
     そうだ、別れを切り出さなければ。早くこの変な雰囲気を終わらせたい。軽く深呼吸をし、意を決して口を開いた。
    「…私と別れてくれ」
     縁壱の呼吸音が途絶えた。顔を見なくてもわかる。多分物凄く驚いている。そりゃあ驚くか。ついさっきまでは巌勝と縁壱はラブラブ()カップルであったのだから。呼吸音は未だに聞こえないが大丈夫なのだろうか。暫くの沈黙の後、縁壱はまだ理解しきれていないような声色で巌勝に尋ねる。
    「何故ですか?」
     そこで気がついた。理由がない。いやあるにはあるのだが、前世の記憶が戻ったなんて口が裂けても言えるわけが無い。そして何も思いつかない。そこで今世の知識で乗り切ろうと記憶を総動員させる。だが記憶を思い出す前の巌勝は恋愛知識に乏しく、あまり参考にならなかった。こんなことなら恋愛映画やらドラマやらを見ておけばよかった!と謎の後悔をする。そうして巌勝が絞り出した答えは恐らくあまりにもありふれていて、あまりにも拙かった。
    「す、好きな人ができたのだ!!!!!!」
     巌勝は声高々に宣言した。こんなに大声をだす必要あっただろうか、と思ったが勢いは大事だ。多分。
     その瞬間、ゴッと地面が割れたかと思った。それぐらいの圧を感じた。縁壱は何も言わない。それが逆に恐ろしかった。
     震える唇を噛んで、何とか落ち着こうと踏ん張るが嫌な意味でのドキドキがおさまることはなかった。

    ____________

     兄に別れを告げられた。信じられない。けれど兄が不必要に人を傷つける人ではないと、縁壱は誰よりも知っているのだ。縁壱は、自分が巌勝のなかで誰よりも大事であろうと信じていたし、実際そうであったはず。それなのに、別れる?他に好いた人物がいる?現実があまりにも受け入れ難い。脳はぐるぐると巌勝の言葉を反芻するだけの機能に成り下がってしまった。だが考えなくてもそれの応えは決まりきっている。
    「だ、だから縁壱、」
    「絶対に嫌です。」
    別れてくれ、なんて言葉、もう二度と聞きたくなくて兄の言葉を無理矢理にでも遮る。兄が距離をとるために肩に添えられた手に触れてぎゅうと握りしめる。ずっとずっと傍に、いつでもすぐに手に届くほどそばにいてほしい。
    「あなたが好きなのです。大切なのです。」
     ひくりと声がひきつりそうになった。縁壱は、自分の気持ちを余すことなく伝えてしまいたい。巌勝にそれを受け取って欲しい。同じものを返して欲しい。だが、どのような言葉を用いてもこの感情が伝わる気がしない。だから結局、好きだとか大切だとか、ありふれた言葉になってしまうのだ。もうとっくにそれらの範疇なんて超えていて、いつも重くて苦しい。泣きたくなるくらい欲しくてたまらないのに、どうすればいいのか分からない。生まれた時からずっと飢餓している。この欲を満たすためになんだってしてきたつもりだし、なんでも出来る気がする。でも満ちない。体の奥から何かが込み上げてきそうになったが、結局何ともなかった。
     ずっと下を向いていた兄が顔を上げてこちらを見る。別れを告げられてから全く合わなかった視線がようやくかちりと交わった。
    「私が大切だと言うのなら、私の意見を、尊重してくれ…」
     最もである。兄だって心変わりくらいするであろう。人間なのだから。
     その言葉より、そう告げられた時にまみえた瞳に縁壱は衝撃を受けた。まるであの時に戻ったような感覚。同じであった。前世の兄に。
     誰だ。
     誰が兄にこの目をさせているのだ。
    縁壱は今まで、前世のあの瞳をまた一度でも感じたのなら心が満たされると信じて疑わなかった。それなのに現実はどうだ。縁壱はいま、見知らぬ誰かに対しての怒りや憎しみのようなどろどろとしたもので満ちた。
     兄は、絶対に誰にも渡さない。

    ______________

     縁壱は私が媚びたような言葉を使ってお願いをすると本当になんでも言うことを聞いてくれる。まあそんなことをしなくても大抵は聞いてくれるのだが。縁壱は私に対してとことん甘い。それは今世で得た知識だった。だから、こんなお願いだって簡単に叶えてくれるものだと思っていた。
     しかしそんな予想に反して縁壱は別れたくない、と自分に纏ってきた。大切だ、好きだと言われて手を握られてしまうと、記憶を思い出す以前の巌勝のせいで心が揺れ動く。そんな簡単な言葉でなんて、と思うが、巌勝は知っている。縁壱は言葉以上に行動でいつも示してくれるのだ。しかし、巌勝にだって譲れないものはある。流石に縁壱とこのままお付き合いを続けるのなんて無理だ。世界の常識が180度変わったって絶対に無理である。だから巌勝は自分の意志を尊重してほしいと、わざと縁壱が断りにくいであろう言葉を選んで伝えた。それなのに縁壱の圧はますます重く恐ろしくなるばかり。八方塞がりである。
     そもそも今の巌勝は現代の巌勝に無理矢理前世の記憶を植え付けられた状態である。そのため心持ちは現代の巌勝に引き寄せられるので、戦国の頃に比べれば今の巌勝の意識なんて軟弱だった。だから、先程からの縁壱の圧のせいで言葉がつかえたり体が震えたりするのは仕方がなかった。それを縁壱は察したのか、落ち着いてください、と声をかけられるが落ち着けるわけが無い。まずその圧を抑えろ。
    「縁壱、こわい」
     幼児のような言葉遣いになってしまったことに後から気づいて恥ずかしくなり、巌勝は顔が熱くなる。
     その姿はまさしく縁壱が先ほどまで夢にまでみた、無防備ではなく自分を警戒する巌勝。無意識なその姿に縁壱は再び興奮を覚えた。そんなことは巌勝が知るはずもないのだが、それはともかくとしてその場の雰囲気は緩まり、巌勝は少し安心した。
    しかしその矢先に縁壱に問われる。
    「誰ですか」
     好きな相手。縁壱が気になるのは当然だろうが、正直そこまで頭が回っていなかった。誰にしよう。クラスメイトや気の置けない友人たちの顔を思い浮かべる。駄目だ。彼ら彼女らを生贄にするなんてことは巌勝には出来なかった。あのような剣幕の縁壱を見て悟る。下手をすれば簡単に潰されてしまいそうだ。誰か、縁壱に対抗出来る人。そうとなればもう一人しかいない。土下座の準備は出来ている。

    「隣のクラスの、鬼舞辻くん…」

    空気が先程以上にドッと悪くなるのを感じた。

    次回予告(多分続かない)
    「俺は絶対に別れませんからね!!!」
    「あの男のどこがいいんですか?(困惑)」
    「私を巻き込むのはやめてくれ(切実)」

    無惨様超逃げて!!!!!



    記憶を思い出す前のイチャイチャ縁巌を書きたくなっただけのおまけ

    「よりいちぃ…機嫌直してくれ…」
    情けない声を出して縁壱に許しを乞うが、反抗するように縁壱はぎゅ、と巌勝を後ろから抱きしめる力を強めた。
     今週末は縁壱と一緒にいつものように遊び(デートと言うのは些か恥ずかしい)に出かける予定だったのだが、急遽体調が悪くなった祖母へお見舞いに行くことになったのだ。幸い命に関わることではないらしい。しかし、またいつ会えるか分からないから会いたい、という祖母のいじらしいお願いを叶えない訳にはいかないので、家族で祖母の家に伺うこととなったのだ。だから縁壱との遊び(デートと呼ぶにはまだ恥ずかしい)を断ることは仕方ない。
     縁壱は巌勝が自分以外を優先させることを何よりも嫌がる。基本的にはなんでも巌勝の好きにさせてくれる縁壱だが、これだけは譲らない。仕方がないことなのだが、いつまでもこう拗ねられていては巌勝も楽しくない。でも大丈夫だ。巌勝には、こうやって拗ねた縁壱の機嫌を良くする必勝法があるのだ。
    巌勝は縁壱の方へ体を捻って、顔を向ける。
    「私も縁壱と、で、デートに行きたかった。ごめんな?」
    わざと機嫌をうかがうように媚びた言葉と声色をだす。上目遣いも加えれば完璧だ。そうすると縁壱はうっ、と短く唸ってたちまちに顔を赤らめる。効果はいつも抜群だ。巌勝はふふ、と笑って自分の体に回された縁壱の手を解いて、指を絡めて握りしめる。縁壱も握り返してきたので巌勝は安心していつものように縁壱にそのままもたれかかる。後ろの縁壱が、どれほど自分に欲情しているのかなんて、巌勝の知るところでは無かった。

    縁壱(兄上が小悪魔すぎて無理!!!!!)

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