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    メガ恋18の無配です。 
    「そして調査兵団の重鎮へ」のハンさんヴァージョンという感じです。
    さあ、あなたもモブ兵となって、お楽しみください。

    お手柔らかに滑らかに。「ハンジ、あんたいつからお風呂に入ってないの」
     そこにいるだけで光り輝きフルーティーな香りがすると評判の美女ナナバが、正反対な奇人・変人の分隊長ハンジに詰問をする。
    「えっと、この間の幹部会議の後かな」
    「やっだー、一週間も前じゃない。あんたがヨレヨレになり始めると、団長と兵士長が食事や風呂の世話を頼むと言って、酒瓶抱えてくること、最近ストレスなのよ。しかも明日夜会なんでしょう?団長が連日、凄い目配せしてくるこの不快さ、ハンジにはわからないでしょう?」
     と、豊満な体を揺らしながらリーネが文句を言う。
     今、ハンジは自分の班員たちから強制的に研究室から連れ出され、食堂でもそもそと食事をしていた。すごく嫌な予感に苛まれながら……。
    「ハンジ、あんたが身綺麗にしてもらわないと古参のメンツが立たないのよね」
     匂い立つような美しさのナナバに冷たい目線を向けられ、溢れる色香のリーネに蔑まれるような態度を取られ、ハンジは内心震えていた。
     (また、あれをされる!)
    「ナナバさん、リーネさん、私も手伝わせて欲しいです」
     おかっぱ頭で、強い意志を持つ瞳を輝かせながらニファが入り込んできた。彼女は可愛い部下で、いつも自分の味方のはずだが、今日はどうも違う、ナナバ・リーネ側だ。
     おしゃれ番長と評されるニファは自称ハンジの美容部門担当であり、ハンジの肌の手入れをする機会をずっと、虎視眈々と狙っていた。
    「ニファも手伝ってくれるのかい?それは助かるよ。ハンジは私達には気安いから、うるさくて叶わない時が多々あって困ってるんだ。さすがに可愛い可愛い部下の前ではそんなことしないだろうねぇ」
     嫌味口調のナナバがリーネと一緒にニファの両横に立ち、ハンジを凄んだ。
    「さあ、ハンジさん、観念してお風呂行きますよ。とてもいい香りの石鹸用意してます」
     ニファは嬉しそうに、ハンジに語りかけ着替えなどの用意のために部屋に戻った。
    「ハンジ、何度も言うけど明日は夜会なんだから、どっちみち念入りにされる予定なの。だいたい、あんたがいつもボロボロ状態だから、リヴァイが可哀想よ」
     ナナバがハンジを諭す。
    「なんで、そこにリヴァイが出てくるんだよ……」
    「兵士長は、もっと清潔な方と付き合ってください!とか、ハンジ分隊長より私の方が清潔でいい女ですよ、とかアンタをなめた発言のひよっこ女兵士どもがリヴァイに群がってるのよ」
    「ふーん、私には関係ないや」
     ナナバのアイスブルーの瞳が咎める。
    「寝てるくせに薄情なんだから……」
    「生存本能の為せる所業。そこに感情は入ってない」
    「酷いねぇ……、リヴァイはあんたしかいらないのにね」
    「はいはい」
     ナナバは肩をすくめながら、ハンジの食事が終わるのを待った。リヴァイに同情しながら。

     脱衣所でハンジはバスタオルを巻いている。いや、剥かれて巻かれたのである。ナナバとリーネ、ニファを従えるような配置で急かされながら大浴場へと進まされる。
     浴場内は古参の凄さを知らない、ナナバがひよっこと称した生意気な新兵前後、中堅が多く入浴している時間だった。
     古参になってしまったハンジ、ナナバ、リーネは陣形の前方にいるものだから、後方の新兵や中堅は彼女達の凄さを知らない。知っているのは、彼女達が自分達より「年増」で「幹部達に何故か重用」されて「長生き」していること。
     そこには無駄な対抗心しかない。
     それを潰すために、ナナバとリーネはハンジを利用するのだ。
     さて、ハンジ以外三人がおもむろに、巻いていたバスタオルを外す。
     三人とも歴戦の兵士である。
     訓練や戦いに明け暮れた結果が体に無数に刻まれている。伊達に死線を乗り越えてない。面構えだけでなく、その肉体まで格の違いというものを目下に見せつける。生意気なひよっこ兵士達は目を見張っている。
     そして、ハンジの番になる。
     ハンジはニファからバスタオルを剥がされる。現れた肢体は細く長くバランスが取れ、形良い。薄く細い体つきながら、くびれるところはくびれ、胸と臀部には相応のまろみがある。
     そして、ナナバやリーネ、ニファとは比べものにならないほど無数の傷跡。後に、茨の蔓にとらわれていると表現するものがいたほどである。
     しかし、巨人狂いの変人、奇人、狂犬と言われたキワモノ分隊長が、こんなに華奢で痛々しい身体をしていたとは誰も思わなかったのだろう。今まで古参を馬鹿にしていたひよっこ兵士達は、その迫力とギャップに戸惑い始めた。
     浴場内の椅子にハンジはどっかりと座った。
     ナナバは髪洗い粉を泡だて、ハンジの髪を念入りに洗う。リーネは石鹸を泡だて、ハンジの体を洗い始める。ニファはナナバとリーネの体を泡だらけにしながら丁寧に洗う。
     泡を流され、オイルを馴染まされた髪を高い位置に括られたハンジが、充分に泡立てられたタオルを手にしていた。
    「ニファ、こっちへおいで」
     ハンジがニファを膝にのせて、中堅を過ぎ、貫禄を身につけ始めたその体に泡を優しく滑らかにすべらせて洗ってあげている。その様子は艶めかしい。
    「ハンジさん、洗うには手つきが優しすぎます……」
    「そうかい、ニファ?もっと強くこすったほうがいいかい?」 
    「ええ、もう少し強めに……はあ……、お願いします……」
     ギャラリーと化したひよっこ兵士達は、戦いの女神達の安らぎの儀式、覗いてはいけない花園での秘め事を見てしまった……とすら思った。皆、痴態すれすれの馴れあいをする、美しい四人の戯れに惚けてしまっていたのである。
     すると、ハンジに洗い終えられ、泡を流したニファが、小箱とボウルを用意した。少し顔が赤いのは茹だったせいだけではないはずだと、ひよっこ兵士達は羨む。
     ニファは嫉妬と羨望の眼差しに塗れながら、ボウルの中で、お湯と石鹸をシェービングブラシで撹拌し始めた。大きく輪を描くように混ぜ、ブラシを縦に上下させ泡の中に空気を送り込み、手前に掬っては戻す動きを繰り返して濃厚な泡を作った。ニファの泡立てる仕草を感心しながら、ハンジは浴場にあるベンチに体を横たえ眺めていたのだが、いつの間にか寝落ちしてしまっていた。ニファはハンジの寝顔を少し残念に思いつつも、ハンジの顔にシェービングブラシで優しく泡を塗っていく喜びに震えていた。そして、ナナバは剃刀を取り出す。それは折れたブレードを剃刀に加工したものである。まだ、非売品で工業都市からサンプルとして提供されたものだ。
     ナナバはハンジの顔の上に滑らかに刃をすべらせる。顔全体の産毛を剃り、眉毛の形を整える。リーネがお湯をかたく絞ったタオルをハンジの顔に当て、泡を綺麗に拭き取りクリームを塗る。顔全体を柔らかくマッサージしている。
     首元からデコルテもきれいに処理される。
     それから、ニファがハンジの右腕を上に伸ばすと、野生的な腋が表れた。
    「これはやりがいがあるね」
     ナナバがやれやれという顔をしながら、巨人を削げるその刃の残滓で、優しくハンジの腋を処理していく。その剃刀捌きにひよっこ兵士だけでなく、ニファまでもうっとりしている。
    「さあ、ニファ、ちゃっちゃと終わらせていくよ」
     ナナバの声で現実に戻ってきたニファは泡を再び撹拌し左腋、両腕、腹部、両脚と塗り上げるたびにナナバは剃刀でハンジの体を撫で上げていく。
    「ハンジ、あんたの優秀な兵士の証は何もしなくていいぐらいだけど、気持ちだけ整えるわね」
     ハンジの膝を割り入って、ナナバが兵士の証付近を手入れ始める。ひよっこ兵士たちは皆、床にしゃがみ込んで放心している。刺激に満ちた甘美な時間に酔ってしまっている。
    「はい、終わり。今回も立派な兵士の証をさらに立派にしました」
     ナナバが呼吸を整えるために息を吐き、周囲を見渡す。
    「ねぇ、そこの新兵、ハンジ、いや分隊長を裏返すから手伝ってくれる?」
     疲れのために憂いを含んだ麗しいナナバの微笑み付きの願いを聞けないものはいないだろう。それほどに艶めかしく微笑んだのだ。頼まれた新兵は断れず、いそいそとハンジを抱き起こした。
     思わず目を見張る。
     きれいに整えられた眉毛、閉じられた瞼を彩る長いまつ毛、顔剃りによって顔色が明るくなったハンジの頬の肌理細かさ、細く薄い華奢な肩と体を覆う無数の傷に触れてしまった新兵はたまらなかった。この新兵はリヴァイのファンであり、気持ちに応えてもらえずハンジをずっと逆恨みしていたのだから。だが、この無防備なハンジを抱きあげた時に、突如沸いてしまった気持ちに対処できず、思わずハンジの唇を欲してしまった。
     リーネが急いで二人の唇の間に人差し指を挟む。
    「ここは、兵士長のものだから、諦めてね」
     新兵は思わず涙をこぼした。
    「みんな、そうやって強くなっていくんですよ」
     ニファは新兵に泡を少しわけてあげた。新兵は、ずっとその泡を泡立てながら、切ない胸の痛みにすすり泣いていた。
     背中の産毛剃りも終わったハンジは、ナナバやリーネから勢いよくお湯をかけられるのが合図がごとく目を覚ました。
    「全く豪快な起こし方だね……。うわぁ!やはりナナバやリーネのお手入れは凄いね。私、ピカピカじゃないか」
     ハンジは手脚をなぞりながら、二人を労った。
    「ニファ、きみが泡立ててくれた泡はとても濃厚で、気持ちよかったよ」
     ニファは嬉しそうに微笑んだ。
     (手入れをみんなの前でされる、恥ずかしい時間が寝てる間に終わってよかった、よかった)
     ハンジが寝落ちしている間に、ナナバとリーネ、ニファの企みは成功した。

     次の日の幹部達が夜会に出かける前の見送りに、生意気盛りだったひよっこ兵士達が熱烈なハンジファンとなって、熱い声援を送る光景が見られた。
     そして、今まで憧れの的だったリヴァイ兵士長に、妬み及び敵意の視線が多数向けられたていた。
    「おい、クソメガネ。これはいったいどういう状況だ?」
    「なんだろうね……」
    「フッ……」
     ナナバより昨晩の出来事を聞かされたミケは、意味深にほくそ笑んだ。
     エルヴィンはハンジの持つ資質に満足をした意の気味が悪い笑みを浮かべた。
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