ひゃくものがたり「……翌朝、テレビのニュースを見てA子さんは言葉を失ったんだばぁよ。画面に映っているのは、連続強盗犯の顔写真。それはまさしく昨夜インターホン越しに見た男の顔……。『警察です』と名乗ったあの男を家に上げていたら、今頃どうなっていたのかや――」
驚愕のラストに思わずヒュ、と息を呑む。てっきり心霊系の話だと思い込んでいたのだ。怖い話、とひとくちに言っても霊体験だけとは限らない。さすが知念サン、話のバリエーションが実に豊富だ。俺は感嘆しながらスマホの画面で揺れるロウソクの炎をス、と指でなぞった。炎は一瞬ふわ、と丸く膨らんでから煙を残して消えた。
「……お見事でした」
「今、何話目になったかねぇ」
「四十九話目が終わったところです」
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