#先生と夏休み来月分の勤務表を見ながら、端末の共有スケジュールを開いた。既に書き込まれている左馬刻くんの予定は×がいくつか。○や△を書き込んでいくうちに、一箇所だけ○が続いて×が無い日程を見つけた。もしかしたら連休を一緒に過ごせるかもしれないな、と思ったところで、端末の画面が着信表示に変わる。耳に当てると機嫌の良さそうな声が響いた。
『よお先生、スケジュール見たぜ。
連休、どっか行きたいとこあるか?』
「そうだね…ヨコハマを、ゆっくり回りたいな。案内してくれるかい?」
そう言うと電話の向こうが少し静かになり、ふっと笑ったような気配がした。
『当然だろ。楽しみにしとけよ』
それから二言三言交わして電話を終え、勤務表をしまうついでに手帳を取り出しカレンダーに印を付けた。
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