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    marushu_tw

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    こんな感じの二人ください(https://odaibako.net/gacha/1536)さんのお題で書いた左寂

    #左寂
    leftSilence

    伊弉冉一二三の朝は、案外早い。同居人と共に食べる朝食を用意し、草臥れたスーツを見送ってから洗濯を済ませる。軽い筋トレをこなした後携帯端末をチェックすると、贔屓客から届く沢山のメッセージの中に、行きつけにしている寿司屋の名前があった。手早く、しかし一人一人丁寧に返事をした後、寿司屋のメッセージを開く。
    「おっ! これは先生も誘わないと!」
    黄金の瞳が煌めき、爪先まで手入れされた指が端末の画面を何度かタップした。鳴ったコール音は三回、いつもより少し遅い。
    「先生、おっはようございまーす! ちっと早すぎました?」
    『おはよう、一二三くん。丁度いいモーニングコールだったよ』
    「つーことは、今日休みっすよね! 昼ご飯決まってなければ、一緒にどうすか? いつもの寿司屋からいいノドグロが入ったって連絡がありまして!」
    『おや、それは嬉しいお誘いだ』
    いつもと変わらない会話をしながら一二三は、寂雷の声が少し掠れていることに気づいた。誘いには乗り気なので、体調を崩しているわけではないのだろう。これはもしや、と思って少し耳を澄ませると、電話の向こうから微かに声が聞こえる。
    『……せんせ……まだ……』
    少し不機嫌そうな低い声は、一二三も知っている男のものだ。しかしステージで対峙する時とは違い、甘さも滲むその声色は随分と気が抜けていて。
    「今日も社畜ってるから来れるかは分かんないっすけど、独歩にはこっちから連絡しますね~! んでもって……もう一人、来ます?」
    『……君たちがいいなら、誘ってみるよ』
    「りょーかいっす!」
    『一二三くんには敵わないな』
    「へっへー! んじゃ、現地集合でよろしくっす!」
    電話を切った一二三はそのまま独歩にメールを送る。仕事の合間に急いで打ったのか、【行く!!】というシンプルな返事と、寂雷から【左馬刻くんも来るそうです】とメッセージが届いたのは、ほぼ同時だった。
    「よっしゃ!」
    一二三は小さくガッツポーズをして、寿司屋に予約のメッセージを送った。すぐに了承の返事が来て、予約完了の連絡を二人に送る。
    「さーて、左馬チンには何を聞こっかな~!」
    普段あまり話す機会が無い人と話すのは、一二三にとっては楽しいことだ。シャッフル企画のときは独歩が世話になったし、形は違えどお互い寂雷が好きなのだから、きっと気が合うはずだと胸がはずむ。
    端末を置いた一二三は、家を出る前に掃除を終わらせる! と意気込んで、鼻歌を歌いながらコードレス掃除機を手に取った。
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