いわれなくても今日は昨日と打って変わって春爛漫。
購買でグレープフルーツジュースが買えた私は、上機嫌に外を歩いていた。
しかも大サービスでもう一本。
自分で独り占めしようかな、なんて思ったのだけど。
「――あんなに頑張ってたし、労いの意味も込めて」
念願のリオ役を貰えた、私たちの一番星。
打ち上げはすべてが終わってからだというものの、少しぐらいのご褒美があってもいいんじゃない、なんて思って。
流石にジュース1本だけじゃね、と思って、あいつが好きそうなお菓子も買って。
確か、この辺りでいつもお昼ご飯を――…。
「あ、いた――」
輝く星のような、けれど、ほんの少しの夕焼け色の髪が見えて。
タン、と、小走りに向かおうとした。
その、時。
視線の先には、オレンジ色の髪のひと。
1987