第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』※支部に投稿してあるツイログまとめ内の『トイレットペーパーを買う』と同じ時間軸の二人です。
日常ネタがお好きな方は、よかったらそちらもご覧ください!(どさくさに紛れて宣伝)
第1回ヴィク勇ワンドロワンライ『ひまわり』
「タダイマー」
「おかえり! って……わっ、どうしたのそれ?」
帰ってきたヴィクトルの腕の中には、小ぶりなひまわりの花束があった。
「角の花屋の奥さんが、持ってイキナ~ってくれたんだ」
角の花屋とは、僕たちが住んでいるマンションの近くにある交差点の、まさしく角にある個人経営の花屋さんのことだ。ヴィクトルはそこでよく花を買っていて、店長とその奥さんとは世間話も交わす、馴染みだったりする。
ヴィクトルは流石ロシア男という感じで、何かにつけて日常的に花を買ってきては、僕にプレゼントしてくれる。日本の男が花を贈るといったら、母の日や誕生日ぐらいが関の山だけど、ヴィクトルはまるで息をするかのごとく自然に花を買い求め、愛の言葉と共に僕に手渡してくれるのだ。
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