朝は戦場である。
「朝ごはん食べて、着替える!」
「いやー!」
「やー!」
「やー、じゃなーい!」
髪をときながら子供達のカバンとゴミ袋を玄関に出す。
「ほら、早くしてー!」
「子供達の着替えは終わらせたぞ?あと、ゴミは俺が出してこよう!」
リビングから玄関へと来た杏寿郎くんはすっかり出勤の準備を整えていて。
「ありがとう!今日の晩御飯はカレーだからね」
「うむ!楽しみだ!」
ニコニコ笑う杏寿郎くんはそのままキスしてきて。
「」
「頑張りすぎるな?行ってきます」
熱くなった顔に、真っ赤になってる事を自覚する。
「も、子供達に見られる!」
「はは、大丈夫だ!2人とも洗面所に「ちちうえとははうえがちゅーしてるー!」「ちゅー!」……いなかったな」
どことなくキラキラした視線をこちらに向けている子供2人の顔がリビングのドアから覗いていて。
「……行ってらっしゃい、杏寿郎くん」
その頬にキスを返して子供達に向き直る。
「2人とも、保育園行くよー!」
「ははうえ、おかおまっかー!」
「いいから行くよー!」
長男の頭頭をポンポンして、自分のカバンを取りにリビングに戻る。
「ちちえーもかー!」
「む、そうか!はっはっは!」
次男と杏寿郎くんの会話に笑みがこぼれた。
「おはようございます」
「せんせー!ちちうえとははうえちゅーしてたー!」
「てたー!」
「そう、仲良しねー」
「余計な事、言わなくてよろしい!」
「迎えに来たぞ!」
「ちちうえー!ははうえにただいまのちゅーするー?」
「するー?」
「ふふふ」
「いや、えっ、あの……ははは、まいったなぁ」