君を待つと日が長い ざくざくと生い茂る森を抜けて俺は一人でケシ―の家にやってきていた。
今までは危ないからとエスターやモルフィス、ケシ―にも一人で森に入ることを止められていたのが、最近ようやく道中の獣のやり過ごし方もそれなり身について一人でケシ―に会いに行くことが解禁されたのだ。
というわけでさっそく一人でケシ―の家の前にいるわけだ。
「おーい、ケシ―。こーんにーちはー!……って留守かな……」
動物用の罠でも見に行っているのか何度呼び掛けてもケシ―が出てくる気配はない。
そろそろ昼時だから待ってたら帰ってくると思うんだけどな。
まあいいか、と勝手にドアを開ける。一人で来るのこそ初めてだけどエスターやモルフィス、オリビンと一緒になら何度も来たことがある、勝手知ったるケシ―の家だ。「いない間に家の前で野垂れ死にされたら面倒くさいから」と家主の了承もちゃんとある。
1905