Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    星澤雷光

    @hoshizaw

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 48

    星澤雷光

    ☆quiet follow

    オリュンポスのぐだカリ。ヒトデアのぐだなのでアレ
    ぐだはぐだ男でもぐだ子でもどっちでも。好きなほうのつもりで読んでね!

     カルデアのマスターは熱心に話しかけてきた。どうやらカルデアにも余はいるらしく、こうして正気の余と話せることが大層嬉しいらしい。今日も作戦の合間を縫ったわずかな時間、破神同盟基地のマスターにあてがわれた一室に誘われ会話する。目を煌めかせて種々のことを訊ねられた。一つ一つに丁寧に答えていく内、ふと思ったことを口にした。
    「お前は、アグリッピナの生き写しのようだ」
    「あっ、それ……カルデアのカリギュラにも言われました……狂気でよくわからなくなってそう言ってるのかと思ったけど、本当にそう思うんですか?」
    「ああ、ネロのように美しい」
     頬に沿えるように手を伸ばしマスターの髪に指を差し入れ、髪を優しく梳くとマスターは顔を俯けてしまったが耳まで真っ赤になっているのが見てとれる。
    「愛いな」
     髪に口づけを落とし、そう囁くと小さな悲鳴が上がり、マスターの体が椅子から飛びのいた。
    「や、ややややめてください、そんなことされたら……」
     真っ赤な顔で壁まで後ずさるマスターを緩慢な動作で追う。赤く輝く瞳がマスターを壁に追い詰めた。そこには暗い微笑がある。通常のカリギュラは狂化のせいで加虐体質を十全に発揮できないのだが、しかし今ここにいる狂気が反転したカリギュラに狂化はない。つまり、その加虐体質は……。
     壁に手をついて覆い被さるようにマスターを見下ろす。
    「お前は余に様々なことを訊いたな? だが、その眼は余を見ていなかった。お前が見ているのは余の向こう側、カルデアの余であろう。……つまり、カルデアの余のために余の好みを訊いたのだ」
     熱心に話しをするあれは恋する者の瞳であった。だが恋する相手は目の前にいるこの余ではない。
    「奪いたくなる」
    「う……ぁ……」
     苦しそうな顔でうめき声を漏らすマスターの様子にゾクゾクと背筋に快感が走り、加虐心が腹の底で渦巻く。耐えようの無い己の悪癖だ。……と、その時突然マスターが腰に抱きついて来て面食らう。抱きついた、というよりこれは――タックルだ。
    「そんなこと言われたら好きになっちゃうので!!!! 正気のカリギュラなら大丈夫だと思ったのに……ウッごめんカルデアのカリギュラ……! 浮気します!!」
     なるほど"そっち"か……深い狂気に囚われたカルデアの余を愛するマスターである、気合いの入り方と鍛え方が違う。面白い。ベッドに押し倒されながらそう思うのであった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👍👍👍👍👍👏👏👏👏😇👍👍👍👍👍👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works