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    sugasugatamama

    成人済shipper

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    sugasugatamama

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    dinlukeとbosokaが必要なので自分で書きました。
    珍しく短いです。現代パロです。突然始まって突然終わります。
    最近あったボとディンさんのいろいろに心が沈んだのでセルフケア的に書きました。

     アソーカがお手洗いに行って戻ってきたほんの数分の間に、ボとディンの機嫌は急降下していた。ルークは二人の傍で苦笑している。グローグーだけが先程と変わらずディンの胸の中に全身を預けて眠り続けていた。子どもはショッピングモールでの買い物ですっかり疲れてしまったようだ。
    「何があったの?」アソーカは半笑いしながら、三人を見下ろした。
    「別に何も」ボは素っ気なく答えた。
     彼女がこう答える時、何もなかったことは一度もない。案の定ディンが何を言ってるんだとでも咎めるような目で彼女をジッと見つめた。子どもの高い体温と重みで疲れ切って苛ついているディンの代わりに、ルークはさっとグローグーを引き受けた。ディンのシャツの肩部分にグローグーの涎の跡ができていた。
    「珍しく喧嘩でもした?」
    「してない。俺たちが不機嫌なのはお互いのせいじゃない。無神経な連中のせいだ」
    「そんなに引き摺るならあの時言い返せば良かったのに」ボ=カターンは面倒臭そうに目を回した。
    「そんな暇なかったよ」ルークは苦笑した。「それにあの人たちに悪気はなかったと思う」
    「悪意の有無は関係ない」ディンは隣に座るルークにチラリと視線を投げた。「確かに彼らは眠るグローグーを可愛いって言いたかっただけの良い人たちだったのかもしれない。でも、失礼な人たちでもあった」
    「もしかして二人とも〝また〟なの?」
     ちらりとお互いに視線を交換し合うディンとボ、そして二人に代わって小さく頷くルークを見て、アソーカは困ったように眉根を下げた。
     何故だかボとディンは度々カップルや夫婦に間違えられた。子どもと一緒にいると特に勘違いされる。彼らは今日のように四人でつるむことがあるのだが、お互いにパートナーといる時でさえ、夫と妻、彼氏と彼女などと間違えられた。ちなみにアソーカもディンと一緒にいるとヘテロカップルとして扱われることがある。グローグーがいると、必ずと言っていいほどボもアソーカも〝ママ〟と呼ばれ、時には「あまり似てない」だとか、「何歳の時に産んだのか」とか「母乳かミルクか」などと失礼で無神経な話題を振られることもあった。そんな場面に遭遇するたびに彼らは無駄に疲れ、蟠りを心に残すことになった。
    「もう帰ろう。疲れた」ディンは溜息を零すと、荷物や買い物袋を持って立ち上がった。
     今日は今朝から大変だった。外出に興奮して走り回るグローグーを窘め、渋滞の中のろのろ車を運転して、沢山の人でごった返す店内を練り歩き、騒がしいフードコートで食事をした。一方アソーカとボ=カターンはデートのために偶然モールの映画館へ来ていた。彼女たちが昼食をとろうとフードコートへやって来たところに、へとへとになっているディンとルークがいたのだ。彼女たちがヒトの多さに興奮するグローグーの面倒を見てくれなければ、ディンとルークが食事をする十分な時間は取れなかったかもしれない。
    「じゃあ、ここでお別れね。そろそろ映画館へ行かないと」ボは腕時計を確認した。
    「ああ二人ともありがとう」
     四人はお互いにハグとキスをして、寝ているグローグーを起こさないよう静かに別れを告げた。
     エスカレーターへ向かうアソーカとボ=カターンの後ろ姿を見送りながら、ふとルークは「不公平だよな」と呟いた。
    「僕は君といても、夫とは言われない。グローグーといても、彼の父親とはあまり思われない」
    「……君は若く見えるから」
    「ガキっぽいってこと?」
     ルークはじとりとディンを見つめた。ディンは視線をそらすばかりで、ルークの質問には答えなかった。
    「ガキっぽいんだな」ルークはムッと唇を突き出した。「髭でも生やそうかな」
     ルークは近くの店のショーウィンドーに写る自身の姿をまじまじと見つめた。寝ているグローグーを片腕で抱えなおして、体を大きく見せる様にスッと背を伸ばし胸を張った。片眉を上げたり下げたり、しかつめらしい顔を作る。
    「なにしてる?」
    「大人らしい振舞いを研究してる。僕には君やボたちみたいな威厳がなさ過ぎるんだよ」
    「……」
    「口髭って生やすのにどれだけかかるのかな」
     自分の姿を凝視しているルークの前に、ディンはパッと顔を突き出し視界を遮ったかと思うと、彼の唇にキスを落とした。
    「髭なんてなくても君は大人だし、ちゃんと俺の伴侶だ」
    「でもそう思われていない」
    「こうすれば思われる」ディンはもう一度チュッと音を立ててルークの唇を吸った。「それに、今度失礼なことを言われたら、次こそ言い返す練習をしたほうがいい」
    「波風を立てることにならない?」
    「波風を立ててるのは相手の方だ。むしろ嵐を引き起こすことになっても俺は構わない」
     ディンは真面目で冷静だが、実際には気が強く強情っぱりだ。彼のそう言う不器用で愚直なところがルークは好きだった。
     ルークは彼を真っすぐ見つめるディンのブラウンの瞳を覗き込んだ。優しくて綺麗な瞳に嬉しそうな自分の顔が映っている。ルークは小さく苦笑し「じゃあ僕も一緒に嵐を起こすよ」と囁いて、キスを返した。

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    sugasugatamama

    DONEマンダロリアンの二次創作
    30代ディン・ジャリン×20代ルーク・スカイウォーカー

    みすみさん(@mismi_0108)とのオフ会で出たお題(アソーカ+アルコール)のdinlukeです
    現代パロかつ、映画トレインスポッティングの一部パロディでもあります

    設定年齢口調は独自設定。ディンさんがルークに振り回されています
    同時にボソカbosokaとアニパドもいます!
    ※誤字脱字は見つけ次第直します
    ようこそ、我が家へ 同僚の友人のバンドがクラブでライブをするというからついてきたが、俺は今断らなかった自分を密かに恨んでいた。クラブはダウンタウンにある昔ながらのバーの地下にあり、若い客の熱気と騒音とアルコールや汗や煙草による悪臭に満ちていた。換気扇などもはや一つも機能していないのか、煙草の煙が薄暗い天井に溜まり、会場はステージを中心にフロア内をパタパタと照らす照明の光を受けて薄ぼんやりと白んでいる。人の多い場所は苦手だ。さらに言うと、騒がしいのも得意じゃない。しかし、せっかくの同僚のボ=カターンの誘いであるし、時には息抜きも必要だと思ってついてきた。家に帰れば現実が待っている。もちろん、その現実を大切に思っているが、床に散らかった子どものおもちゃや溜まりに溜まった洗濯物、埃をかぶった本やBDやDVD、賞味期限ぎりぎりの調味料や子どもが好きな甘いお菓子、アルファベット型のショートパスタでいっぱいの食品棚、割れないプラスチックの食器、そんなものを思うと時々無性に叫びだしたくなる。子どもを疎ましく思ったことは一度もない。あの子を愛している。でもかつて整理整頓された部屋で、読書や映画鑑賞にゆっくり時間を割いていた数年前を思うと、今の自分の身動きが取れない様子に息が詰まる。息子が学校の同級生宅にお泊り会で家を留守にすることになった時、小躍りしそうになるほど嬉しかった。久しぶりに取れた一人の時間を満喫するつもりだった。しかし、結局仕事が押して午後休は潰れ、いつもの通り定時を大幅に過ぎてやっと職場を後にできた。今さら家に帰って部屋を掃除したり、本を読んだりする時間はない。むしろ一食分の夕食を作るのが手間だった。そもそもあの子がいないんじゃ、中途半端な時間にいそいそと家に帰っても仕方がない。どこかで適当に食事を済ませようとかと頭を悩ませていると、同じように残業上がりのボが「まだいるなんて珍しい。いつもなら仕事が終わったら一目散に帰るのに」と話しかけてきた。彼女は俺の事情を知ると、今夜恋人とダウンタウンで外食してからライブに行くことになっている、せっかくだから一緒にどうだと誘ってきた。
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    sugasugatamama

    DONEマンダロリアン二次創作。season3までのネタバレあります。
    ディン・ジャリン×ルーク・スカイウォーカー前提で、ルークとアーマラーがちょっとお喋りするお話。
    大切な仲間を守りたいアーマラーと迷えるジェダイのルークと、諦めが悪いディンさんと可愛いグーちゃんが登場します。
    アーマラーのキャラが最後まで良く分からん…難しい。
    街を歩く 緑の肌を持つ小さな子どもが鍛冶場へひょこりと顔を出した。彼はまるで自分の家のように広い作業場を歩き回った。その場には私しかおらず、彼も一人だった。どうして幼子がこんな場所に一人でいるのかと尋ねると、彼は一人ではないと首を横に振った。どう見ても一人にしか見えないのに、それがなんだか可愛らしくて、ついくすりと笑いを零すと、彼は物珍しそうに私をまじまじと見上げた。それもそのはずだろう。私は彼の前でも、誰の前でも笑わない。笑うのは苦手だし、冗談を理解するのはもっと苦手だ。でもそれが下手でも苦労したことは特になかった。
    「グローグー、あなたの親を探しましょう。きっと彼はあなたを探している」
     言うと彼は両手を差し出し、抱き上げる様に乞うた。今度は私が驚く番だった。子どもを抱いたことなど一度もない。私はマンダロリアンたちが彼らを育てる様子をただ見てきたが、私自身が子どもに触れたことは一度もなかった。戸惑っていると、グローグーはどうした、と言うように小首を傾げた。
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