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    伊那弥彪

    ラクガキと二次創作文物置。支部にアップしたりする。

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    伊那弥彪

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    ドラマパロうぎゅ。キャラ違い注意、何でも許せる方向け。
    軽く説明
    謝花妓夫太郎・本職はスーツアクターやスタントマン。生まれつき顔に痣がある為、顔出しの役を引き受けるのは最初躊躇ったが、妓夫太郎のキャラ設定が自分と被り引き受ける。メチャクチャ身体能力高い。性格メチャクチャ優しい。
    宇髄天元・モデルと俳優をこなす超人気イケメンアクション俳優。通称うずてん。あまり性格は変わらない。

    ##宇妓
    ##ドラマパロ

    キメツのお仕事「謝花妓夫太郎さん、謝花梅さん、クランクアップでーす!!」

    その声と共に現場全体から拍手が巻き起こる。
    本日は「鬼滅の刃 遊郭編」の最大の敵、上弦の陸兄妹の最後の撮影だった。その最後の撮影を無事に終え、妓夫太郎と梅は笑顔を浮かべ、渡された花束を嬉しそうに抱えた。特に兄妓夫太郎は、アクションはお手の物だったが、顔出しと台詞有りの役はこれが初めての事で、自分なんかが出て大人気ドラマに傷を付けないかハラハラしていた。まぁ蓋を開けてみれば、上弦の陸・妓夫太郎を見事に怪演し、ネットでは「妓夫太郎すげー!」「妓夫太郎メチャクチャ不気味…だがそれがいい」「え?梅ちゃんの本物のお兄ちゃんなの!?」「このアクションCGじゃないの!?」等々高評価ばかりだった。そんな妓夫太郎の元へ、主演の炭治郎と準主役の善逸、伊之助が涙を流しながら駆け寄ってくる。

    「妓夫太郎さぁぁぁん!!行かないでぇぇぇ!!」
    「ずっとここにいでぐだざぁぁぁい!!」
    「もっとアクション教えてくださいーー!妓夫太郎の兄貴ぃぃぃぃ!!!」

    と、妓夫太郎との別れを惜しみに惜しむ3人。そんな3人に妓夫太郎は「参ったなぁぁ」と困惑気味の笑みを浮かべてしまう。見兼ねたスタッフが、「ほら。妓夫太郎君困ってるから」「アクションなら、ほら。宇髄君も」と引き離そうとするが、

    「嫌だぁぁ!だってあのゴリマッチョ!アクション俳優の癖に全然アクション教えてくんないんだものぉぉぉ!!妓夫太郎さんはメチャクチャ優しく分かりやすく教えてくれたのにぃぃぃ!!!」
    「おう。誰がゴリマッチョだ」

    善逸の涙ながらの言葉に、ゴリマッチョアクション俳優こと、宇髄天元は笑みを浮かべながらも額に青筋を立てていた。

    「ほらほらヒヨコ共。さっさと退け退け。謝花君が帰れねぇだろ」
    「帰らなくていいですー!!」
    「おい」

    全く妓夫太郎から離れようとしない3人を宇髄は力づくで引き離していく。

    「ほら。散った散った」

    シッシッとまるで野良犬を追い払うような仕草を3人に向け、宇髄は3人からの猛批判を一身に浴びる。

    「あ〜…宇髄君、何かごめんなぁぁ」
    「たくっ…謝花君は優しすぎんだよ。ああいうのは厳しくいかねぇと」
    「んんー…妓夫太郎に成りきったらいけっかなぁぁ…」 
    「うん無理だな。まぁそこが謝花君の良いとこなんだけど」

    先程まで本当に殺し合っていると思える程、激しい殺陣を繰り広げていた今回の遊郭編メインの2人の和やかな会話は、その場のスタッフ全員が今日の撮影も無事に終わったと実感できるもので、温かい目で見守っていた。

    「お兄ちゃーん!アタシこの後、雑誌の撮影あるから先に行くねー!」
    「んあ、あぁ。わかったぁぁ」

    モデルと女優両方をこなしている梅は「お世話になりました!」と現場に深々と頭を下げ、次の仕事へと向かって行く。

    「梅ちゃん今から雑誌の撮影って…泊まり?」
    「ん?うん。そう言ってたなぁぁ」
    「ふぅーん…」

    意味深に梅が泊まりがけの仕事であるか聞いてきた宇髄だが、妓夫太郎は特に何も思わず、「じゃぁ、俺も着替えてから帰るね」と宇髄に手を振って周りのスタッフに「本当にお世話になりました」と深々と頭を下げ撮影現場から出て行く。

    「妓夫太郎ざぁぁぁん!行かないでぇぇぇ!!」
    「まだ言ってんのかお前ら」

    未だ妓夫太郎がクランクアップした事を嘆いている3人にスタッフ達が「今度打ち上げもあるから」と宥め始める。そして「あ、3人と禰豆子ちゃんは明日の撮影の打ち合わせもあるからまだいてね」と監督から告げられた3人は、「えええぇ」と不満な声を上げた。そんな様子に宇髄はフゥと一息をついて、「じゃ俺も今日はそろそろ帰ります」と笑顔で現場から去っていった。

    更衣室では、妓夫太郎が私服に着替えている途中であり、下衣は着替え終わったが、上はまだ開けた状態であった。そこへ宇髄が気配を消し去ってやってくる。

    「…いやそんなに静かに入って来ないで!」
    「忍びだからつい…」
    「それは役の話だよねぇ…しかも元忍びぃ」

    後ろに張り付くように立っている宇髄に妓夫太郎は思わず声を荒げてしまう。が、宇髄はものともせず、ジッと妓夫太郎を見つめ続ける。

    「…えっと…何?」
    「…今日、梅、泊まりなんだろ?」
    「そうだけど…」
    「んじゃ、俺ん家に泊まりに来なよ、妓夫ちゃん」

    微笑みを浮かべながら、そう妓夫太郎の耳元で囁く宇髄。そのまま、妓夫太郎の耳たぶへチュッとリップ音を鳴らし唇を当てる。その感触に妓夫太郎は「んッ!」と肩をビクッと震わせ、目をギュッと瞑ってしまう。そんな妓夫太郎を宇髄は抱き締め、首元に顔を埋めていく。

    「ち、ちょッ…だ、誰か来たらぁ…」
    「戯れてるって思われるだけだって。普段からスキンシップやってっし」
    「いやだからってッ…宇髄君ッ…」

    妓夫太郎から制止を求められても宇髄は妓夫太郎の首元に唇を当て、再びリップ音を鳴らしていく。

    「ちょ…ほ、本当にやめ…宇髄く…」
    「いつものように呼んでくれるまでやめませーん」
    「いやそれはプライベートッ…」
    「俺は既にプライベートの気分でーす」
    「ここまだ仕事場ぁぁッ…」
    「妓夫ちゃんが素直になるまでやめませーん」
    「〜ッ!て、天元、君ッ」

    根負けした妓夫太郎が2人だけの時にしか呼ばない「天元君」呼びをし、ようやく宇髄は首元へのキスを止める。そんな宇髄に妓夫太郎は頬を赤く染めながらも、呆れた顔をして視線を送る。

    「いやもう…本当…誰かに見られたらどうすんの…」
    「どうもしないけど?」
    「いやいや…天元君は人気イケメンアクション俳優なんだからさぁぁ。変な噂立ったらダメっしょぉぉ」
    「変な噂って?」
    「いやだからぁぁ…あのぉ…俺と、その、そういう関係とかぁぁ…」
    「事実です。結婚も考えてますって言うけど?」
    「それは冗談でも言い過ぎ…」
    「冗談じゃないけど?俺は妓夫ちゃんと結婚するつもりだよ?」
    「いやいやいや…」

    もう冗談はやめてくれ…と思いながら妓夫太郎が宇髄を見ると、宇髄は真剣な眼差しで妓夫太郎を見つめていた。その真剣な眼差しに妓夫太郎の鼓動はドクンッと高鳴る。
    イケメン俳優と名高い整った宇髄の顔が、肌が触れるぐらいまで近付いてくる。もう何度もこの距離で目にしているのに、妓夫太郎はいつまで経ってもこのイケメン顔に慣れる事がなく、目をギュッと閉じてしまう。そんな妓夫太郎が愛らしくて、宇髄はクスッと笑みをこぼし、

    「いつか絶対ちゃんとプロポーズすっから、ちゃんと受けてな、妓夫ちゃん」

    そう告げて妓夫太郎の唇に唇を触れさせる。それは触れるだけのキス。いつもするキスよりも軽いそのキスだったが、今の妓夫太郎にとっては顔を真っ赤にする程、濃厚なキスと変わりなかった。
    まさかプロポーズの予告をしてくるなんて…付き合っているだけでも夢のようなのに…。
    本当にこの人は自分を夢心地にしてくれるなぁと妓夫太郎は改めて宇髄への気持ちを自覚する。

    「…天元君には本当敵わないなぁぁ」
    「それは俺もだよ。妓夫ちゃんには敵わない」
    「どこがぁ」

    お互いにクスクスと笑い合いながら、2人は夢心地に包まれていく。
    ドラマの中では傷付け合っていた2人がその後、人生の伴侶として共に過ごしていく事になるとは、この時は2人以外誰も知る由もなかった。



    余談
    この後2人は仲良くゲーム実況動画配信を始め、それが人気となり、鬼滅俳優達も出演する等、「鬼滅外部宣伝隊」とか言われるようになる。
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