ホワイトデー企画鬼滅の刃ホワイトデー企画が発表された。本日はその追加プロモーションの撮影である。既に発表されているイメージカラーのチェック柄のシャツに白のジャケットという衣装をそれぞれの着こなしで身に纏い、撮影に臨む役者達。そんな中、一際キラキラと輝くオーラを放つ者が1人…
「天元君見て見て。俺のクマ、梅を抱っこしてるよぉ。可愛いよねぇ。俺このぬいぐるみ注文しようかなぁ」
自分に似て作られた熊のぬいぐるみを嬉しそうに両手で抱え、夫である天元に熊の手を振ってみせる妓夫太郎。そんな妓夫太郎に天元は、
「は?天使過ぎね?え?妓夫ちゃんクマ何百個買ったらいい?(本当だね。梅もきっと喜ぶんだろうなぁ)」
相変わらず、本音と建前が逆である。
「そんな何百個も買ったら家がクマでいっぱいになっちゃうよ」
「俺のも対で買うとして…値段は……」
「天元くーん?だからそんな大量には買わないよー?」
天元の暴走気味に妓夫太郎は苦笑を浮かべ、無駄な出費を抑えようと必死になる。
そんな仕事場でもラブラブオーラを放つ宇髄夫夫に、不死川実弥が呆れた表情を浮かべて近付いてくる。
「お前ら…特に宇髄、公私混同し過ぎじゃねぇのか?」
「妓夫ちゃんも宇髄だけど?」
「俺が宇髄っつったらお前の事に決まってんだろうがッ」
「不死川君ごめんね。クマが可愛くてつい…」
「ん?…あー、まぁ確かに妓夫太郎のクマは他と違って妹と一緒だもんな。はしゃぐ気持ち分からなくもねぇ…」
「つうかお前、クマ全然似合わねぇな」
「テメェに言われたかぁねぇよッ!」
筋肉ゴリゴリアクション俳優中心のこの鬼滅の刃の企画で、熊のぬいぐるみを思い付いた者は相当な手練れである。実際反響は大きく、発表と同時に注文が殺到している様だ。
「あ、そういえば…」
「ん?」
天元と実弥が言い合いをしている中、妓夫太郎が何かに気付き、実弥へと視線を向ける。それが天元には少し気に食わなかった。
「今回の衣装、俺と不死川君、同じ着こなしだよねぇ。ボタン外してネクタイ締めないで」
そう笑顔で語る妓夫太郎。それは2人の言い合いを止めるつもりの話題逸らしだった。だったのだが、それが更に天元の癇に障ってしまった……。
「なぁ不死川ぁッ。たまには胸元キツーッく締めてみようぜぇぇ!」
笑顔だが明らかに怒りを込めた表情で、天元は実弥のネクタイを両手で持ち、キツく締めようとする……
「テメッ…ヤメッ…!殺す気かぁぁッ!!」
「は?ネクタイ締めてあげるだけだがぁぁ?」
「自分でできるわボケ!!」
「しかもお前、メインポスターじゃ妓夫ちゃんの隣キープして妓夫ちゃん見つめちゃってたよなぁぁッ?」
「あれは俺のせいじゃねぇだろ!制作に言え!!」
「天元君落ち着いてぇ〜ッ!」
そんなやり取りを少し遠くから見つめる蒲鉾トリオ。
「…絶対にこうなると思ってた」
「え?そうなの?予想できるなんて善逸凄いなぁ!」
「なぁ…俺もネクタイ外してぇんだけどよ…」
「ゴリマッチョに首締め上げられるからやめといた方が良いよ」
そうこうして何とか追加プロモーション撮り終えました。