Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    黒羽(DQアカ)

    Twitterに流しにくいものを垂れ流します。

    2023.05.17 Twitter垢 乗っ取りに合っています…
    近いうちに連携切る事になるかと…。
    無念。

    からの、復活!!!
    ヒィーーーハァーーー!!!

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖
    POIPOI 58

    黒羽(DQアカ)

    ☆quiet follow

    ケルト民族音楽からの妄想

    お祭りデート編です。
    短く、甘くを目標にしました笑
    クク主 告白はしてないけど、ほぼ両片思い。

    ゼシカは薄々クク主に気付いてる。
    エイト君の事が好きでしたが、
    エイト君の(自分でまだ気付いてない)気持ちを察して、大切な仲間だと思うことにしています。

    それでも大丈夫な方は、是非!

    #クク主
    kukuMaster

    お祭り(クク主)◆お祭り◆


    ある旅の途中、たまの気晴らしにと、僕達は少し豪華なベルガラックの宿に泊まるべく、立ち寄った。
    ルーラで到着すると、僕はすぐに違和感を感じた。

    元々明るい街だけど、今はなんだかお祭りムードだ。
    街全体に花が飾られ、広場では明るい民族音楽が鳴っている。

    街の入口では、1人の女性が、ピンク色の花を配っていた。
    女性はこちらに気付くと、旅人にも臆せず話しかけてきた。


    「ようこそお越し下さいました!今は花祭りの最中なんですよ。」
    「花…祭り?」

    僕が尋ね返すと、彼女はニコリと笑い、腕の籠の中の花をゼシカに手渡した。

    「1人1輪、この花を差し上げています。日頃の感謝を伝えたり、大切な人に渡したり。どうぞ楽しんで行って下さいね。」

    そう言い、慣れた手つきで僕やククール、コワモテのヤンガスにまで花を渡して行った。


    「…はは!ヤンガス、花似合わねぇなぁ。」
    「うるさいでがす!アッシだって柄じゃねぇことくらい分かってるでがすよ!」

    早速、ヤンガスをいじるククール。
    …確かに、ヤンガスが花を大切に持ってる姿は珍しくて、つられて僕も笑ってしまった。

    「あ、兄貴まで〜ひどいでがすよ〜!」
    「あはは、ご、ごめんね…つい…。」
    「ヤンガスの持ち方がおかしいのよ。両手で大切そうに持ってるんだもの…ふふ!ギャップがね…。」
    「ゼシカまで〜!」

    そう言いながらも、ヤンガスは両手で花を持っている。
    彼の優しさは、こういう所にも滲み出てしまうようだ。


    「…さて、どーしようかなぁこの花。」
    「あ、見て。街の女の子達、髪飾りみたいに着けてるよ。」

    僕は周りの年若い女の子達を見て言った。
    ゼシカもサラリとあたりを見ては、少し顔を曇らせた。

    「あーあれは…誰かから貰ったものでしょ。私のこの花、自分でつけるのもなんだかね。」
    「あ…そっか。じゃあ、良かったら僕の花、貰ってくれない?」
    「え?」
    「この花、きっとゼシカに似合うよ。」
    「…いいの?」
    「?…勿論。ゼシカが良ければだけど。」

    瞬間、ゼシカはチラリとククールを見ると、すぐに、ありがとうと頷いた。
    僕は手元の花をゼシカの左耳の辺りに刺し込んだ。
    淡いピンクが、ゼシカにすごく映えて似合っていた。


    「うん、すごく可愛い。」
    「あ、ありがとう。…じゃあ、私の花はエイトにあげるわ。いつもの感謝の気持ち、ね?」
    「えっ…ありがとう!」

    そう言い、僕はゼシカから花を受け取った。

    「感謝…といえば、アッシも。兄貴、どうかこの花受け取ってくだせぇ。」
    「えっヤンガスのもくれるの!?」
    「日頃の感謝の気持ちでがす。」
    「わ、なんか恥ずかしいな…。ありがとう。」

    そう言い、気付けば手元の花が2輪になった。
    改めて言葉にして渡されると、少し気恥ずかしく思う。

    そんな僕を見て、ゼシカはフと笑うと、街の中を指差して言った。

    「ねぇ、街の中、ちょっと見てきてもいいかしら?あの辺のバザー、ちょっと覗きたいの。」
    「え?ああ、勿論いいよ。」
    「さ、ヤンガス、一緒に行くわよ。何かあったらボディガードしてよね。」
    「えぇ?嬢ちゃん、ボディガードなんているでがすか?」
    「街中で魔法使う訳にいかないでしょ?いざという時はその腕で守ってよ。」
    「へいへい…分かったでがすよ〜。」

    しぶしぶと、ヤンガスが歩き始めたゼシカの後を着いていく。


    「…ゼシカのヤツ、ここにスーパーイケメンがいるってのに、ボディガードにヤンガスを連れて行くか。」

    取り残されたククールが、僕の後ろでつぶやいた。

    「あー…お祭りとかでククールが隣にいると…女の人が寄ってきちゃって大変だからじゃない?」
    「…なるほど?それは懸命な判断かもなぁ?」

    そう言い、ククールが胡散臭そうに口元に手を当てる。

    …でも、多分ゼシカは…僕とククールを2人きりにしてくれたんだ。

    僕はまだ、ククールへの気持ちが良く分からないままだけど。
    お祭りって聞いたその瞬間、ククールと回りたいって思って、ククールを見てしまったから。

    …きっと、僕の気持ちを察してくれたんだと思う。


    「…ま、いいや。とりあえず宿は取っておこうぜ。そしたら、おまえも見るだろ?お祭り。」
    「あ…うん。見たいな。」
    「なんか美味いもんあるかな。」
    「屋台ってだけで美味しくなるよね。」
    「あっそれな、分かるわ〜その感覚。」

    そう言い、僕達は宿屋に向けて歩き出した。

    ……ククール、僕と、一緒に回ってくれるんだ。
    あまりに自然な流れで、僕は心のどこかでホッとした。

    宿を取り終えると、僕とククールは荷物を置き、2人で街に繰り出した。

    明るい街の雰囲気と音楽で、心なしか足元がふわふわする。
    僕の隣をククールが歩いている。
    目に入った物に対して僕達は感想を言い合った。

    …楽しいな。
    なんだか、どきどきする。
    気兼ねない友達と、一緒に遊んでる感じ…なのかな?
    仕事中心の生活に後悔はないけど、
    あんまりこういう経験がなかったから、すごく楽しい。

    たまに、ククールに女の子達が声をかけて来たけど、「ごめんね、オレ達デート中なの」とウインクしてやり過ごしていた。
    改めて…イケメンってすごいや…。

    「…ん?何見てんの?」
    「いや、イケメンってすごいなって思って。」
    「何を今更。おまえも顔は悪くないんだから、次来たらやってみろって。」
    「いや…僕には来ないってば。」

    そんなやりとりすら楽しく感じる。

    そのまま、僕達は屋台で買い食いしたり、雑貨屋さんを覗いたり、お祭りを全力で楽しんだ。

    少し喧騒に疲れた頃、ふと、ククールが僕の手首を引いて歩き出した。
    歩いてる間に、彼の手は僕の手首から手の甲に下がり、後半はほぼ手を繋いでいるようだった。

    人混みが酷かったから、はぐれるのが怖くて、僕はその手をぎゅっと握り締めた。
    すると、ククールも手を握り返してくれた。

    瞬間、僕の胸が…どきんと大きくなった。




    「はー着いた。ここ、座ろうぜ。」
    「うん…すごい人混みだね。」

    そう言い、僕達は街のはずれの生垣のそばに腰掛けた。
    座ったタイミングで、ククールの手がするりと離れた。
    …僕は気恥ずかしくて、ククールの手を握っていた自分の手を、空いた手で握り締めた。


    「…花祭り、だっけ?すごい規模だな。」
    「そうだね。あの2人の企画…なのかな?」
    「カジノだけでなく、こんな企画まで考えるとはな。さすがやり手の後継ぎなだけあるぜ。」
    「本当にね。」

    こうして話している間も、遠くではお祭りの音が聞こえる。
    でも、今はククールと2人だけの空間が出来たようで、少しホッとした。


    「お祭り、すごく楽しかった…。屋台も美味しかったし。」
    「そうだな。オレもこーゆー祭り的なもの、久々だった。」
    「…あの、ククール。お祭り、僕と回ってくれて…ありがとね。」
    「ん?あぁ。」
    「ククールは、てっきり1人で回りたいのかなって思ってたから。僕ちょっと意外だった。」

    僕がそう言うと、隣のククールがふはっと笑い出した。
    僕はきょとんと彼を見る。

    「だって…おまえさぁ?街の入口でお祭りって聞いた時、バッてオレの方見ただろ?嬉しそうな顔してさ。」
    「えッ!!」
    「ふふっ…あんな顔されてさ、1人で回ったりしないって。」
    「あーー、えーーとぉ…。」

    …確かにな、と僕は思った。
    無意識とはいえ、自分の素直な行動が恥ずかしい。
    今、絶対顔が赤らんでいる気がする。

    「そんなにオレと回りたかったの?素直なエイト君。」
    「あ…ぅ…。」
    「一緒に回れて、満足した?」
    「…………はい//」
    「そっか。良かった良かった。」

    …そう言うククールも、どこか満足気だ。
    その様子に、僕もどことなく安心した。
    そんな時、ククールが何かを思い出したようにパチンと指を鳴らした。


    「あ、そうだわ。これ。」
    「…?何?」
    「エイト、動かないで……はい、オレの気持ち。」
    「え?」

    急に左耳のあたりをゴソゴソされた。
    耳の感覚と香りで、花を付けてもらったんだと理解した。

    …これ、ククールの花だ。


    「これ…。」
    「ピンク色、可愛いよ。エイト君。」
    「…宿に置いてきたんだと思ってた。」
    「バカ。お祭りで使う花を、このタイミングで宿に置いて来る訳ないでしょ。」
    「…そっか。」
    「オレの花、貰ってくれる?」
    「…いいの?女の子にあげるんじゃなくて。」
    「いーの。オレも、最初からエイト君にあげようと思ってたから。」
    「…そ、う?…ありがとう。」

    そう言い、僕は足元を見つめた。
    左手で自分に着けられた花をそっと触る。

    「どしたの?」
    「…いや、なんだろう。」
    「ん?」
    「……なんか、すごく…恥ずかしいね。」
    「あ…そっち?」
    「え?どっち?」
    「いや、嫌だったかなって。ちょっと心配した。」
    「なんで?嫌な訳ないじゃない。」
    「…あ、そ?」
    「うん…。」


    嫌なもんか。
    嫌などころか…。


    (…どうしよう、

    すごく…すごくすごく、嬉しいっ…。)


    この気持ちが、何なのか、まだ分からない。
    お花、ゼシカから貰った時も、ヤンガスから貰った時も…嬉しかったけど。

    何でククールからのお花は、こんなにどきどきするんだろう…。



    「…でもさ、何でここ(耳)なの?」
    「え?可愛いじゃん。」
    「僕、女の子じゃ無いんだけど?」
    「文句言うなよ。オレはお花無しなんだぜ?」
    「え……あ!」
    「おまえの花、ゼシカにあげちまうしさ〜。」
    「あ、その…!ゼシカに似合うと思ったんだよ。本気で。」
    「……まぁいいけど。…ゼシカはオトナみたいだからな。」
    「え?」

    ククールがツンと呟く。
    僕は意味が分からず、首を傾げた。
    そんな僕を、仕方ないな…とばかりにククールが見つめる。

    「イケメンククールさまが、まさかこんなイベントで花無しとは…。」
    「ご、ごめんってば。」
    「ま、いーよ。オレも楽しかったから。」
    「…うん。」
    「…エイト、もう帰りたい?」
    「あ、えっと……もう少し、ここにいたいな。」
    「了解。」

    そう言い、ククールが僕の頭をポンポンと撫でる。
    楽しい時間が延長されたと分かり、嬉しくて、僕は思わずククールを見て笑ってしまった。

    ククールが一瞬固まったような気がするけど、僕はそのままたわいない話を始めた。


    そのまま、楽しい夜が過ぎていった。








    【完】


    おデート編、です。(デートだと言い切る)

    クク主小説なので、ゼシカごめんね…。
    主ゼシも大好きなんだけど…ごめんね…。

    ゼシカはエイトからお花もらえて、嬉しい気持ちを抑えています。
    お花貰う時にククを見たのは、自分がエイト君のお花貰っちゃうけど、このくらい大目にみなさいよってニュアンスです。
    エイト君からククの事相談受けてて、ゼシカはエイト君がククの事好きになってるって気付いています。
    …自分の好きな人だからこそ、先に気付いちゃうって事、ありますよね。

    ゼシカ・アルバート、いい女だ。


    なので、このクク主は、両片思い。
    エイト君はまだ気持ちを理解出来てない状態です。

    自分の中で、ククールが特別って事は感じ初めてるのですが、それが愛だと分かってない。
    ククールは自分の気持ちに完全に気付いていて、墓場まで持って行こうとしてます。
    (いや、ちょいちょい出てるけども笑)

    手を繋いだり、お花をあげたり、恋人みたいなことしてんのに…全くうちのエイト君は鈍いんだから。
    そんな所も可愛いんですが。

    ちなみに、ゼシカとヤンガスは感謝の気持ちと口にしていますが、ククは感謝とは一言も言っておりません。


    ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。



    2022.09.21 黒羽
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🌼🌷🌸🌼🌷👏😍💞☺👍❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works