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    黒羽(DQアカ)

    Twitterに流しにくいものを垂れ流します。

    2023.05.17 Twitter垢 乗っ取りに合っています…
    近いうちに連携切る事になるかと…。
    無念。

    からの、復活!!!
    ヒィーーーハァーーー!!!

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    黒羽(DQアカ)

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    ◆マイエラif◆

    書いてしまいました。
    付き合ってからの喧嘩のお話です。

    ※本作、カナリ好みが分かれると思いますので、
    以下、皆様のお好みでどうぞ…。
    ・エイト君が、マイエラで拾われていたらif。
    ・クク主ですが、本編とは大分違います。
    ・過去フツーにモブにやられてます。
     (直接の描写は無いです)

    大丈夫な方からお進み下さいませ。

    #クク主
    kukuMaster

    マイエラif〜喧〜◆喧◆


    僕は見てしまった。
    何って…ククールの浮気現場をだ。

    その日は、街で買い忘れの道具を、閉店ギリギリの遅い時間に買いに行った。
    その帰り道、酒場からバニーちゃんと2人で、ククールが出てきたのを目撃してしまった。
    バニーちゃんはククールの腕に抱きついていたし、ククールもそのままにさせていた。

    頭をガンと殴られたような衝撃だった。


    …なんだよ。
    あんなに僕の事だけだって言ってたくせに。
    僕の事が大好きだって…何回も何回もベッドで囁いてくれたくせに。

    やっぱり、女の子が好きなんじゃないか!


    心のどこかで分かってはいたけど、胸が苦しい。
    哀しい。
    悲しい。

    そのまま、僕は人混みに隠れ、逃げるように宿へ走った。






    「ただいま。」
    「…お帰りなさい。」

    ちょっと心の整理に時間が欲しい。
    そんな時でも、奇しくも僕は彼と宿が同室だ。

    そして、そんな僕の心情はお構いなしに、
    テーブルで道具整理をしている僕に、ククールが声をかけてきた。


    「エイト。今日は買い出しとか、手伝わなくてごめんな。」
    「うん、大丈夫。それより…ククール、ご飯食べた?」
    「あぁ、偶然昔馴染みと会ってさ〜。今日は外で済ませてきた。」
    「そっか。」
    「もしかして待ってた?悪かったな。」
    「ううん。別に約束してた訳じゃないから。まだなら一緒にどうかなって思っただけ。」
    「あぁ…ごめんな。」
    「気にしないで。じゃ、僕ちょっと外行ってくるね。先にお風呂行って。」
    「おー。気をつけてな。」

    ククールに見送られ、僕は財布を持って部屋を後にした。




    …パタン。

    宿の扉に背中を預けて、僕はハァと息を吐く。


    (…昔、馴染み。)

    …その言葉。
    嘘ではないと、思いたい。

    でもさ…別に腕を組む事ないじゃん。
    ご飯食べて、あんなにくっつく必要ある?
    お酒入ってたんじゃないの?
    2人きりで飲んだの?


    「…はぁ〜。僕、心狭すぎる。」

    自分の独占欲の強さに、嫌気がさす。
    たとえ僕達が付き合っていたって、彼にだって人付き合いはある。
    頭ではわかってる。
    でも…。


    「嫌なものは、嫌だもん。」

    どうにかこの気持ちを、彼にも分からせてやりたい。

    僕が先に惚れたから、多少の負けは認めるけども。
    …ククールにも、ちょっとだけ、ヤキモチ妬かせてやる!

    そう思い、作戦を練るべく、僕は宿備え付けのレストランに向かった。






    「お兄さん、いつもありがとうね。」
    「いえ、そんな。こちらこそありがとうございます。」
    「…あ、その//また来てな。サービスするからさ。」
    「はい、また来ますね!」

    それから、僕は買い物をする度に、ひたすら笑顔を振りまいた。
    男女関係なく、目を覗き込んで、僕を意識させる。

    …昔から、ニコニコしていると不思議と色んな人に声をかけられた。
    大人になってからは、トラブルも起こるから控えていたけど、久々に口角筋をフルで活動させた。


    …作戦はこうだ。
    とにかく、僕も誰かと仲良くなって、ククールにヤキモチを妬いてもらう。
    なんて単純明確な作戦だ。
    というか、1晩考えて、それしか浮かばなかった。

    一瞬、素直に嫌だと思った事を、ククールに話す事も考えた。
    でも…それは、僕のなけなしのプライドが許さなかった。

    僕だって、本気出せばモテるんだって事を思い知らせてやる。
    油断してると取られちゃうって、思わせてやるんだ。


    「…なぁ、エイト。」
    「ん?何?」
    「いや、何でもない。」
    「?そう?」

    ククールは何か言いたげだ。
    でも何も言ってこない。

    …そうだよ。
    そうやって、モヤモヤしてればいい。
    僕の事だけ考えていればいい。

    そう思うと、僕は少しだけ気持ちがすっとした。






    その後も、僕は『笑顔でお買い物作戦』を続けた。
    すると、1人の道具屋の若い男の人が僕に気を持ち始めた。
    僕が買い物に行くと、彼は顔に、ぱぁっと花を咲かせる。
    僕はそれに、笑顔で応えた。


    「な…なぁ、エイトさん。」
    「はい?」
    「もし良かったら、今夜とか…ご飯でも行かないか?その…旅の話、聞きたいなって…。」
    「あぁ…いいですよ。もう少し、この街にはいる予定なので。」
    「!本当か!?」

    僕の快諾に、彼は頬を染める。
    …心底嬉しそうな笑顔に、少しだけ心が痛んだ。

    そうしてその日の晩、僕は彼と食事をした。
    目をキラキラさせて僕の話を聞いてくる彼が、とても可愛かった。
    間違いなく、彼は僕に恋をしている。
    …昔の自分を見ているようだ。

    好きだって気持ちは、こんなに眩しいのに…僕は今彼に対して一体何をしているんだろう。
    彼を騙している罪悪感で、僕はその場の食事は味がしなかった。







    …ガチャ。

    「ただいま。」
    「…おかえり。」

    食事を終えて、僕は宿に戻った。
    ククールがベッドの上で本を読んでいた。
    視線は本から動かさない。
    …機嫌が良くない様子だ。


    「エイト、どこ行ってたの?」
    「え?…あぁ、ちょっと食事に誘われて。」
    「それ、あの道具屋の男?」
    「…そうだけど。」

    そう言うと、ククールはようやく読んでいた本を畳んだ。


    「…なぁ、ワザと?」
    「え?」
    「分かってんだろ?あの道具屋、お前に気があるって。」
    「…そんな事。ただの友達だよ。」

    そう言う僕の言葉に、ククールが小さく舌打ちをした。
    僕の胸はドクンと警告を鳴らしたけれど、顔には出さなかった。

    「あっちはそうじゃない。人の感情に聡いお前が、分かんない訳ないよな?…最近、あんなに笑顔振り撒いといて、色んな人間にモーションかけて。一体どういうつもり?」
    「別に…そんなんじゃないよ。」
    「何?オレへの当て付け?オレお前になんかした?」
    「……。」
    「…なんか言えよ。なんかあるんだろ?」
    「…別に。」
    「……そ、あくまで言わないつもりか。」

    そう言い、ククールは頭をぐしゃぐしゃとかいた。
    僕はククールに背を向けたまま、自分のベッドに荷物を下ろした。

    「…ま、いーわ。お前がその気なら、オレも考えるし。」
    「…何それ。どういう事?」
    「さぁね。…お前も、男遊びは程々にしろよ。」
    「ッ…!!」



    ……男、遊び?

    ぐわしと、頭を掴まれた気分だった。


    男遊び…。
    昔から、一度だって望んでそんな事、した事もない。
    …確かに、性に爛れた生活はしてたけれど。

    でも…僕はずっと、
    ずっと、1人の男の人だけを。
    …君の事だけを想ってきたのに。

    その君に、その言葉を言われるのが、こんなにもツラいなんて…。



    「…おとこ、遊び…。」
    「…?」

    僕の口の中はカラカラだった。
    ショックだった。
    悲しかった。
    ククールには、嘘でも…そんな言葉言って欲しくなかった。


    でも…今…僕がやってる事って…その通りじゃない?
    自分の欲の為に、無垢な人の心を弄んでる。
    …あぁ、なんて最低な人間だろう。

    だから、きっとバチが当たったんだ。
    神様はちゃんとみてるな、なんて。
    僕は心の隙間で思った。


    「…エイト?」
    「……。」

    ククールが声をかけてきたけど、僕はとても彼に向き直ることが出来なかった。
    口がガクガクと動かない。
    ただ、目の前がボロボロと涙で溢れて止まらなかった。


    「…は、え!?」
    「……。」
    「エイト!?な、泣いてんの!?」
    「……。」

    僕の様子に違和感を持ったククールが、僕の顔を強引に覗き込む。

    僕は何も言えず、彼を見ることも出来ず、ただ足元を見ていた。
    顔を拭う事もしなかった。
    頬を雫がぼたぼたと落ちている。

    …そんな僕を、ククールが正面からギュウと抱き締める。


    「ちょ、も…なんなのお前は!」
    「……。」
    「あーもう、泣かせたい訳じゃなかったんだって!いや…オレだって、ちょっとむしゃくしゃしてて…。なんか、最近のお前が…らしくないから…。いっぱい、笑顔の大安売りしてるし…。」
    「……。」
    「…ごめん。さっきの言葉、言っちゃいけない事言った。」
    「……ぅ、えぇ…。」

    このククールの謝罪で、僕のつまらないプライドがガラガラと崩れ散った。

    僕は子供みたいに声を上げて泣いてしまった。

    …だって、こんな想い、した事ないから分からないんだ。

    君の事が好きで、好きで、堪らない。
    どんどん、心が狭くなる自分が嫌い。
    自分の欲のために、人を騙す様な人間になってしまった自分が大嫌い。

    ククールが好きになった、素直な可愛いエイトは、もういない。
    見て…僕はこんなに真っ黒だ。

    ククールに嫌われたらどうしよう。
    こんな可愛くない僕、きっと捨てられちゃうよね。

    あぁ、せっかく両思いになれたのに。
    幸せだけだと思っていたら、むしろ不安だらけだ。

    毎日毎日、不安なんだ。
    君がいつ、僕から離れて行ってしまうのか…怖くて仕方ないんだよ。


    「…エイト、ごめん。泣かないで。」
    「ぅ、あ…あぁ。」
    「ごめん、オレヤキモチ妬いたんだ。エイトが取られるんじゃないかって。」
    「ぁ…ごめ、なさ…。」
    「え…?」
    「…ごめん、なさぃ…!ぼ、く…悪い事してた…!」
    「…なに?」
    「ごめんなさい…ごめんなさぃ…!」

    ただ謝る僕の頭を、ククールが優しく撫でてくれる。
    もう片方の手で、泣いてひくつく背中を摩っている。

    「…エイト、最近らしくない事してたよな。どうして?ゆっくりでいいから、教えて?」
    「…ん、っ…ククール、が、取られちゃうって思って、怖くて…。」
    「オレが?誰に?」
    「…バニーちゃん。」
    「………え?あ、あれ?お前見てたの!?」
    「みてた…買い物の…かえり…。酒場から…出てきたとこ…。」

    僕はぐずぐずした鼻声で素直に話した。
    ククールは僕を抱きしめたまま、僕にベッドに腰掛けるよう促した。


    「…あー。…あぁ、あー。何か分かってきたわ。」
    「…友達って言ったのに、うで…組んでたから…。やだなって思って…。」
    「…うん。」
    「でも…心が狭い僕も、やだなって思って…。でも…ククールにも…ヤキモチ妬いて欲しくて…。」
    「…そーゆー事かぁ。」
    「僕、サイテーだ…いやな人間になっちゃった…でも…こうするしか…思いつかなかった…。」
    「…そっかぁ。」
    「…ククール、嫌いになった?僕の事…もう嫌になった?可愛くないよね…こんな…最低な事…。」
    「ばぁか。…大好きだよ。」

    そう言い、ククールが僕のおでこにキスをした。


    「いや…元はといえばオレが悪いよな。誤解させて、不安にさせた訳だし。」
    「…ちが、僕が…最低な事した…。」
    「ううん。謝らせて。…でも、あのバニーちゃんは本当にただのお友達。ドニの酒場での昔馴染み。そこは信じてくれる?」
    「…うん。」
    「…で、どうしてもあの頃の友達ってスキンシップ距離感近いからさ。あれくらい…と思ってだけど、エイトの立場であんなの見たら…そりゃ浮気だと思うよな。増してオレ昔は遊び歩いてたし。」
    「……ごめんなさい。ぼく…ククールの事、疑った。」
    「うん。オレも傷付けてごめんなさい。」

    そう言い、ククールは僕を撫でる手を止めて、両手でギュウと抱きしめた。


    「僕…ククールに当て付けで…ヤキモチ妬いて欲しくて、こんな事してた…。」
    「そうだよ。酷くない?オレ結構モヤモヤしたんだけど。いつ辞めさせるべきかなって考えてた。」
    「…僕、人の気持ち、考えられて無かった。」
    「そうだな。…でも、オレとしては、エイトが心変わりしたんじゃないって分かって安心したけど。」
    「…?僕は、これからもずっと君が好きだよ?」
    「分かんねーじゃん。オレ昔からこんなだし。」
    「なんで?今更嫌いになんかならないよ。」
    「あ、そう?(笑)ま、とりあえず、よかった。…と同時にさ…あの道具屋、どーすんの?」
    「…謝る。素直に。」
    「告白されたの?」
    「されてはないけど…多分、僕の事…結構好きだと思う。」
    「全く…お前はすげー魅力的なんだから、今後は二度とこーゆー事すんなよ。頼むから、オレのライバルを増やすな。」
    「そんな事ないけど。でも、もう二度としない。」
    「…ん。そーして。」

    そう言い、ククールは僕を抱きしめたまま、ベッドに倒れ込む。


    「…はぁ。でも…オレ、安心したぁ。」
    「何が?」
    「オレはさ、エイトが道具屋に惚れたと思い込んでてさ…この数日気がきじゃ無かったんですけど?」
    「まさか。」
    「あの道具屋…優しそうで、真面目そうだし。オレとは正反対でさ…。あっちもエイトの事、本気で好きそうで…大切にしそうだし。」
    「でも、僕は…君しか見えてない。」
    「…うん。良かったぁ。」

    あ…ククールの心臓がトクトクと鳴っている。
    ククールの腕の中はとてもあったかくて、安心する。


    「…明日、道具屋さんに謝ってくる。」
    「なんて言うの?告白もされてないのに。」
    「…実は、明日も夜ご飯誘われてて。」
    「意外と手がはえーな。」
    「僕が…旅立つ前に…沢山会いたいって言われたんだよね。」
    「あー…ガチだな、そりゃ。」
    「…諸々断って、殴られてきます。」
    「そーだな。そしたらベホマしてあげる。」
    「…うん。」

    そう言い、僕はククールの胸に擦りつく。
    …最初から、こうしていれば良かったのに。
    つまらない意地を張ってしまい、こんな遠回りをする事になった。

    (…反省しなきゃ。)


    「………。」
    「…?」

    擦り擦りと頬を添えていると、ククールがゆっくり覆いかぶさってきた。


    「…仲直り、えっちしたい。」
    「…いいけど、僕こんなに酷い顔だよ?」
    「エイト君の泣き顔、激レアじゃん。可愛いね。」
    「…可愛いくないよ。君は変だな。」
    「酷!…エイトはぜーんぶ可愛いよ。」


    そう言い、ククールは僕の唇にキスをした。




    【完】


    道具屋、と言う名のモブゥ。
    エイト君はこんな事普段は絶対しないタイプの子ですが、恋が彼をこうさせた。
    そのくらい、ククールが好き。

    だいぶ好きの矢印がエイト君から強い感じです。

    泣いたエイト君も激レアなので、この夜は大層お楽しみだったようです。


    ここまでお読み頂きありがとうございました。

    2023.01.17 黒羽







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