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    黒羽(DQアカ)

    Twitterに流しにくいものを垂れ流します。

    2023.05.17 Twitter垢 乗っ取りに合っています…
    近いうちに連携切る事になるかと…。
    無念。

    からの、復活!!!
    ヒィーーーハァーーー!!!

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    黒羽(DQアカ)

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    ◆領主踊り子if①◆

    やっちまった。
    後悔はしていない。

    ・エイト君が旅のキャラバンの踊り子、ククがマイエラ領主の肩書きでのクク主ifです。
    ・エイト君が身体でお金をとっています。

    大丈夫な方のみお進み下さい…。

    #クク主
    kukuMaster

    ①出会い(領主踊り子if)◆出会い(領主踊り子if)◆


    ある日、ぽっくりと、
    マイエラ領主だった父が死んだ。

    そして悲しむ間もなく、跡継ぎ問題が浮上した。

    オレには、腹違いの兄がいる。
    齢24にて、マイエラ修道院の騎士団長を務める、それは優秀な男だ。

    きっと彼が父の跡を継ぐ。
    オレはそう疑わなかった。

    しかし、その予想に反して、彼は領主を継ぐのを辞退した。
    父の女癖の悪さで出来た、己の出自を理由に断ったという。
    (本音は、多分違うと思う。)


    結果、オレは18歳の若さで領主を継ぐ事になった。


    そんなクソの様な父だが、仕事は出来る男だったようだ。
    領主を継いでからは、毎日それは目が回る日々だ。

    オレは、領主の勉強を殆どしていなかった。
    父は…オレの事をあまり好きでは無さそうだったから、オレが跡を継ぐ日なんて来ないと勝手に思っていたからだ。

    母さんが死んでからは、特に距離を置かれていた。
    オレが朝帰りしても、顔色ひとつ変えない。
    嗜める事も、何もない。

    そんな冷めた家族だった。
    それなのに。
    本当に、血筋とは厄介なものだと思った。


    …それでも、跡を継いで、もう3年になる。


    「おい、来月分、修道院に予算をもっと回せ。」
    「いや、無理だって…これで限界。」
    「この前着工したドニの裏の山の開拓分、こちらに回せばいいだろう。予算を見たが、金をかけすぎだ。2割減らせ。」
    「アレは土砂崩れの危険があるから、金かけて早めに片さなきゃなの。ってか、なんであんたが予算知ってんの。」

    たまに、頭のキレる兄に小言を言われる程度で収まる程には慣れてきた。

    …と、思う。


    「フン、お前の金の回し方は緩いからな。」
    「えぇ、えぇ。ですよねぇ〜?だから、何度も言うけど、あんたが領主やった方がいいと思うなぁオレ。今日から変わる?」
    「阿保が。誰があの男の後釜になどなるか。」
    「はい、出ました本音〜。」

    と、砕けた会話ができるくらいには、兄弟仲も悪くない。

    しかし、兄の鋭い指摘が、まるで定期テストのようだ。
    部屋から出て行く兄を見送り、オレは小さく息をついた。

    兄と入れ違いに、執事が紅茶を持ってくる。
    天を仰ぐオレに、執事が状況を察して、柔らかく微笑んだ。


    「あの様に仰いますが、マルチェロ様はククール様をお認めになられていますよ。」
    「…さぁ、どーだかな。」

    オレは淹れられた紅茶のカップにゆっくり手を伸ばす。
    落ち着いた香りが、身体の緊張を解していく。


    「時に、ククール様。今宵はどうぞお早目に、お仕事を切り上げて下さいませ。2時間後に馬車を呼んでおります。」
    「ん?あぁ、例のイベントな。ちゃんと頭に入ってるよ。」
    「領主のスピーチもございますから、遅刻は厳禁です。」
    「ハイハイ。分かってますって。」

    町おこしの為、オレは定期的に催しを開催している。
    これが意外と評判で、最近は他国からの参加者もいる程だ。
    少し波に乗ってきたので、今回は有名なゲストを用意した。


    「例の旅のキャラバン、無事着いたか?」
    「えぇ。先程無事に到着したと報告を受けております。他国でも有名な、例の踊り子のステージがあるそうで、楽しみですね。」
    「おかげで、今回は随分と金を積まされたよ。」
    「その分、利益も大きいかと。」
    「そうでないと困るね。」

    世界を回る、旅のキャラバンは沢山あるが、中でも各国で今1番有名なキャラバンを呼ぶ事ができた。
    特に、『踊り子』のステージが素晴らしく、国々で専用のステージを建てないかと声を掛ける程らしい。


    「果たして、いくら稼がせてくれるかねぇ。」
    「それもですが、素直にステージを楽しむ事もお忘れなく。きっとククール様の気分転換にもなりますよ。」
    「あー…そうだな。楽しみにしとくよ。」
    「はい。」

    そう会話し、オレは再び紅茶のカップに唇を添えた。









    空が暗くなり、夜空には星が瞬きはじめた。
    たいまつの灯籠が暗闇を程良く照らし、会場はイベントのムードで賑わい始めていた。

    今回は船着場を使っての大規模イベントだ。
    収納人数も多く、屋台も多い。

    今回も当たりだな、とオレは密やかに胸を撫で下ろした。

    慣れた領主スピーチを終えると、
    オレは、ステージの正面である、領主特等席に着座する。
    ここからだと、踊り子の顔までよく見えそうだ。

    どんな色っぽいお姉さんが出てくるだろう。
    しばらく、そういう場所にも行ってないから、こういうワクワク感は久々だ。
    不思議と胸が躍る。


    少しすると、太鼓と独特な弦楽器のリズムで、会場が一気に盛り上がる。
    激しいリズムで曲が盛り上がりを見せると、ようやく一つの人影がステージに飛び込んで来た。

    ワア…!という声に呼応する様に、ステージの中央に立った踊り子は深々と頭を下げた。

    薄紫の大きなベールをかぶっており、まだ顔がよく見えない。
    髪は短く、おそらく深い茶色。
    小さな赤い花がまとまった、華やかな髪飾りをつけているようだ。


    そのまま、太鼓が猛々しく鳴ると、ステージの空気は一新した。

    踊り子は全身を翻し、両腕についたリボンを使い美しく舞う。
    バク転や宙返り、側転を散りばめ、時に手先まで届いた妖艶な動きに、思わず目が釘付けになる。

    言葉に、表すことが出来ない。
    とても、美しい。
    それは芸術的な舞だった。

    しなやかにしなる身体に見惚れていると、オレはある事に気付く。


    (あれ……男、か?)


    性別を読みにくい、美しい身体使いだったが、
    女性独特の膨らみがない。
    にも関わらず、誘う様な瞳に目が離せない。

    ひたすら目で追っていると、ある瞬間、彼と視線がぶつかった。
    その時、彼が控えめに瞳を細める。
    微笑まれたかのように見えたその表情に、オレは一瞬仕事を忘れていた。









    イベントは大成功に終わった。
    町はまだ祭りの渦中だったが、オレは先に家に戻った。

    久々に良いものを見た。
    『本物』の芸術を見たな、と胸は充実感で満たされている。
    …あれは、確かにお抱えにしたくなるのも理解できる。

    でも、あのレベルの芸術は、もっと広い世界で人の目に触れた方がいい。

    幸運にも、キャラバンとしては明日から1週間、マイエラに滞在するようだ。
    キャラバン隊の長と信頼関係を作り、またすぐ呼べる様にツテを作るには、十分時間がある。
    この機会、必ずモノにしなければ。

    そんな事を思いながら、オレは寝巻きのローブのまま、書類仕事に目を通していた。


    そんな時、部屋の扉がノックされた。

    「…?」

    時間は23時を超えている。
    執事達もおそらく個室で休んでいる筈だ。
    聞き間違いか?と思っていると、2度目のノックが響く。
    …聞き間違いではなかった様だ。


    「誰だ?」

    声をかけても、返事はない。
    かと言って、入ってくる訳でもない。
    不思議に思いながらも、オレは書類をテーブルに置くと、ゆっくりと扉へ足を向けた。
    …念の為、壁からレイピアを取る。


    「誰だ?…!?」

    控えめに、扉を開ける。

    すると、目の前には灰色のローブを来た人物が立っていた。
    知らない人物が家の中にいる驚きで、オレは思わず身構える。


    「…お前、どうやってここに入った?」
    「入口から。執事の方に、招き入れて頂きました。」

    …若い、男の声だった。
    尚更オレは、扉の隙間を細めて警戒する。


    「こんな時間に何の用だ?何故知らない人物がここに通された?」
    「それは…きっと貴方を思ってだと思います。」
    「は?…どういう意味だ?」

    そう言うと、目の前の男がパサリとそのローブの羽織を外し、顔を見せた。

    …さっきまで目を奪われていたんだ、見間違いする訳がない。
    目の前に、例の踊り子が立っていた。


    「……え、何?」
    「あの…抱いて下さい。」
    「………ん?」
    「僕のこと…抱いて欲しいです。…お願いします。」
    「…は?」

    上目遣いで、彼が呟く。
    よくみると、あのステージの衣装のまま、ただローブを羽織っている状態のようだ。
    彼が少し動く度、チャリと全身の装飾品が音を立てる。

    こうして並んで立ってみると、彼はオレより頭一つ小さいようだ。
    下から見上げられると…これまた堪らなく可愛らしく映る。


    「えーーと?オレ、別にそういうの?呼んでないよ?」
    「分かっています。僕の事、お嫌いですか?」
    「いや、嫌いとかじゃなくて…。」
    「今夜一晩だけ…如何ですか?」

    「……あぁ、そういう。」


    オレは彼の言葉から、事情を理解した。
    彼は、身体を売りに来たのだ。

    …これは推測だが、ステージの度に、彼はその拠点のお偉いさんに身体を売って来たのだろう。

    あの妖艶なパフォーマンスを見た後、この見目で抱いて下さいとくれば、断る男の方が少ないはずだ。
    こうして、より深い…『根強いファン』を作って来たということか。

    オレは、先程の素晴らしい芸術の裏を見てしまったようで…正直ガッカリした。
    でも、そうしなきゃいけない理由が、彼にもある訳だ。
    こんな事、好き好んでやってる訳がない。
    まぁ…この手の世界では、よくある話だ。


    「…はぁ。」
    「……。」
    「いーよ。とりあえず、中にどーぞ。」
    「…はい。」

    少し悩んだが、彼のプライドも考え、オレは彼をとりあえず部屋の中に入れる事にした。
    オレのため息に、彼はぴくんと反応しながらも、導かれるままに部屋の中に入ってきた。



    …パタン。


    「あ、いきなりで悪いけど、そこに立って。衣装、全部脱いで。」
    「…。」

    オレは彼を部屋の入口に立たせると、そのように指示をした。
    肩書きから、命を狙われることもある。
    武器を持っていないか、確認してからでないと何も始まらない。

    彼は無表情のまま、灰色のローブを外し、足元に落とした。
    全身にあのステージの衣装が映える。
    シースルー生地で、動きやすそうだ。
    生地から除くへそ周りが引き締まっていて、オレは音を立てずに唾液を飲み込んだ。

    そのまま、彼は踊り子の衣装をスルスルと脱いでいく。
    何の恥じらいもなく、頭の髪飾りや腕の装飾具、下着まで、ただ機械的に衣装を外して行く。

    前も隠さず、彼の足元にはその衣装が積み重なっていく。
    全て脱ぎ終えても、彼は表情を変えなかった。

    それを見届けると、オレは自分のクローゼットから未使用のローブを出し、彼に近づいた。
    オレが目の前に来ても、彼はただどこかを見つめたまま動かない。
    そんな彼を、オレはそっとローブで包み込む。
    その時初めて、彼がゆっくりオレに視線を向けた。


    「意地悪して悪いな。オレも命を狙われる事があるもんだからさ。」
    「…?」
    「今はとりあえず、それ着て。」
    「…あの、しないんですか?」
    「まぁまぁ。とりあえず、そこ座って。外寒かったろ?今紅茶淹れるから。」
    「は、はい…。」

    そう言い、オレは彼の手を引くと、テーブルの椅子にエスコートする。
    そのまま椅子を引き、座るように彼に目で合図した。
    彼は予想外の展開なのか、おどおどと椅子に腰掛けた。

    そのまま、オレは慣れた手つきで紅茶を淹れはじめる。
    領主の家の生まれだ。
    美味い紅茶くらいは淹れられる。

    ポットに湯を淹れると、オレは彼の前にテーブルを挟んで腰掛けた。


    「あーと…オレ、ククール。マイエラの領主。って、知ってるか。じゃなきゃここに来ないよな。」
    「……。」
    「あのさ。さっきのステージ、本当に見事だったよ。目が奪われた…芸術的素晴らしさを感じた。」
    「…っ。」

    そう言い、オレはカップをテーブルに並べる。
    湯を淹れ、カップを温める。


    「てっきり、どんなお色気お姉さんかと思ったら、男で驚いた。でも、今まで見たどんなお姉さんより妖艶だったし、身のこなしも素晴らしかった。」
    「……。」
    「相当厳しい訓練してるんだろうな。…さっき、思わず見ちゃったけどさ、あんたの体つきで分かるよ。筋肉のつき方とか…食事とかも気を遣ってるんだろ。」
    「……。」

    オレは一方的に彼に話しかけた。
    彼はただじっと、テーブルの上で踊るオレの手を見つめていた。

    「…あ、の。」
    「ん?」
    「踊り、褒めて下さったの…嬉しいです。」

    …そう、彼が初めて言葉を返してきた。
    オレはカップのお湯を捨て、ゆっくり蒸らした紅茶を注いでいく。


    「そうか?あんなに素晴らしいステージだ。褒め言葉なんか聞き飽きてるんじゃないか?」
    「そうでも、ありません。どちらかと言うと踊りよりも…僕の格好を褒めて下さる方の方が…多いです。」
    「そっか…ま、確かにあんた自身も魅力的だけど。オレはパフォーマンスに感動したよ。」
    「嬉しい…です。ありがとう、ございます。」

    そう言い、彼が弱く微笑んだ。
    …ステージでは妖艶だったが、こうして笑うと年相応に見える。
    オレはそれに微笑んで返すと、彼に紅茶を差し出した。

    「はいどーぞ。あ…今更だけど、紅茶飲める?」
    「はい。紅茶…好きです。頂きます。」
    「熱いから気をつけてな。」
    「…ふふ。過保護な方ですね。」

    そう言い、彼は紅茶に口を付けた。
    なんだか気恥ずかしくなって、オレも追ってカップに手を伸ばす。


    「…美味しい。優しい味がします。」
    「この時間だから、カモミールね。」
    「貴方は…不思議な方ですね。僕、こんな事してもらった事、初めてです。」
    「そうなのか?ったく他の奴ら、どんだけ飢えてんだよ。」
    「…え?この後、セックスしないんですか?」
    「しないよ。あんたしたいの?」
    「…あ、その。」
    「……あぁ、金?いいよ。いくら必要?」
    「いえ!そんな、受け取れません…!」
    「でも、偉い人に怒られるんじゃないの?」
    「それは…。」
    「いーよ。あんだけ素晴らしいステージ見せてもらったんだし。」
    「…でも、それじゃ。」
    「あー…じゃあ、今晩…添い寝して?それでチャラ。ね?」
    「そ、添い寝?」
    「うん。で、あんたの好きな時間に帰っていいよ。」

    そう言い、オレはカップの紅茶を一口含む。
    目の前の踊り子は両手でカップを持ち、こちらを見つめている。

    …こんな事をしているから、てっきり割り切った性格だと思ったが。
    予想外にも、馬鹿真面目なタイプらしい。


    「初対面なのに、僕の事…信用して良いんですか?もしかしたら…さっき言っていたように、貴方の命を、狙ってるかも知れませんよ?」
    「そうなったら、執事のせいにするからいいよ。」
    「…え?」
    「ウチの執事が、家にあんたを入れた時点で、オレ死んでたかも知れないし。」
    「……。」
    「それにオレ、こう見えて結構強いから。あんたにやられる前に自分で身を守るし。心配ご無用。」
    「…っ。」
    「ん?」


    「っふふ、あはっ…あははっ!」

    突然、彼が弾けるように笑い出した。
    オレはきょとんと彼を見る。
    そのまま、ふは、と釣られるように笑った。


    「なんだ、おまえちゃんと笑えんじゃん。」
    「いや、だって…ふふ、本当に…貴方みたいな人、初めてで…!」
    「なぁ、あんた。名前は?」
    「…エイト、です。」
    「エイト君、ね。…んじゃまー、とりあえず、今晩宜しく?」
    「はい。」

    そう言い、エイトはふわりと微笑んだ。









    【続】

    あーほら、続いちゃったよ。。
    これ、くっつくまで続くよ。。

    踊り子ifだと、1番8君がおとなしいというかなんというか…。

    もはや別キャラなのでは、と思いますが。


    クク主です(良い顔)。


    ちょこちょこ書いていきますので、
    大丈夫な方是非是非最後までお付き合い頂けましたら嬉しいです。

    ここまでお読み頂き、ありがとうございました。


    2023.03.15 黒羽


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