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    黒羽(DQアカ)

    Twitterに流しにくいものを垂れ流します。

    2023.05.17 Twitter垢 乗っ取りに合っています…
    近いうちに連携切る事になるかと…。
    無念。

    からの、復活!!!
    ヒィーーーハァーーー!!!

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    黒羽(DQアカ)

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    公式クク主
    旅の最中。
    お互いに相手を好きだな…って思った瞬間。

    ・ED後、竜神王√に行かなかった公式(?)998です。
    ・カッコいい9はいません。(黒羽シリーズ公式)

    それでも大丈夫!!な方は是非お進み下さい!!

    #クク主
    kukuMaster

    そんな所が(クク主)◆そんな所が◆

    それなりに長い旅の後、
    オレ達はドルマゲスの籠城した島に乗り込んだ。

    これが奴との、最後の闘いになる。
    ダンジョンの暗闇を進みながら、メンバー全員がそう思っていたと思う。
    奥に進む程、皆どことなく口数が減り、表情が固くなっていた。

    …そりゃそうだ。
    全員がこの日の為に、色んな想いを抱えて旅をして来たのだから。

    そういうオレも、流石に緊張して来た。
    革手袋の中が、どことなく汗ばんでいる気がする。

    挑む相手の強さは分かってる。
    奴を倒す為、オレは力をつけてきたのだ。
    『負け』はない。
    これは、『勝たなければならない闘い』なんだ。

    多くの命を手にかけ、こんなにも沢山の悲しみを生み出した奴だ。

    …許せない。

    そう思うと、腹にゾワリと力が入る。
    今日ここで、アイツを倒して全てを終わらせるんだ。

    例え…命懸けになったとしても。



    「…えい。」
    「っひ!」

    突然、横からツンと横腹を突かれる。
    同時に、ビクンと身体がしなり、らしくない変な声まで出た。


    「〜ッ…エイト!!なんだよ!」
    「いや、怖い顔してるから…。」

    オレは瞬時に真横のエイトを睨む。
    当の本人、エイトはヘラリと笑っていた。

    「当たり前だろうが!これから最終決戦だぞ!?」
    「そうだけど…そんな身体がこわばってたら、いつも通りの動き出来ないよ?」
    「!」

    エイトの淡々とした言葉に、オレは瞬時に頭が冷えた気がした。

    流石は王宮兵士上がり…と言った所か。
    どこか、オレとは戦い前の落ち着きが違うと感じる。
    オレは少し深呼吸すると、頭をガシガシとかいた。


    「…わり、なんか変な力入ってたわ。」
    「そりゃそうなるよね…実は僕もちょっと怖いもん。」
    「え?」

    エイトの予想外の発言に、オレは隣を歩くエイトの顔を覗き込んだ。
    エイトは視線に気付くと、今度は気まずそうにニヘラと笑った。

    「僕、いつもはあんまり…こういう気持ちにならないんだけどね。今はなんだか、感情が落ち着かなくて。」
    「それ、本当か?お前はいつも顔に出ないから分からないんだよな。」
    「良く言われる。城にいた時もそう。緊張してるんですって先輩に言っても、誰も信じてくれないんだ。酷いよねぇ。」
    「…ぷ!お前、本当に昔からこのまんまなんだな。」
    「そうみたい。僕、この顔で大分損してると思う。」

    そう言いながら、エイトがウーンと頬に手を当てる。
    緊張していると言いながら、全く普段と変わらない空気だ。

    …しかし、そんなエイトの言葉で、オレには自分を曝け出せる余裕が出来た。
    実は、ずっとどこか不安だった。
    それをポツリと言葉に出す事にした。


    「今まで…オレは動じないタイプだと思っていたんだが…ドキドキして来たぜ…くそ。」
    「うん…僕もだよ。」

    そう言うと、隣のエイトがオレの手を握ってきた。

    …突然の事だった。
    今まで、こういう触れ合いはなかったから、少し驚いた。
    そして、その力は思いの外強く、振り解く気にはならなかった。

    ギュウ…と、オレはただ左手を強く握られている。


    「でも、一緒だから頑張れる。」
    「……。」
    「ね!」


    …さ、行こ!

    そう言い、エイトの手がゆっくりとオレの手を解放する。

    そのまま、少し足速に先を歩き始めるエイト。
    その小さくなる背中を、オレはただ見つめた。

    …胸が、じんわりと熱くなる。




    「…かっこいーじゃん。」

    ふ、と小さく呟いた。

    このやり取りのおかげで、全身の力がいい具合に抜けた気がする。

    …いつも通りだ。
    いつもと同じように、オレはオレの戦いをして、勝つだけ。

    仲間は誰も死なせない。
    勿論、オレも死なない。
    みんなで、いつも通り勝つんだ。

    そのまま、オレは駆け足でエイトに続いた。





    ***




    戦いが終わり、なんとか仇討ちを済ませたオレ達は、雪崩れるように宿のチェックインを済ませた。

    旅の目標は達成した。
    みんながボロボロの状態だったが、心は晴れやかだ。
    こんな気持ち、久々だと思う。

    じゃんけんの結果、オレはエイトと同室になった。
    部屋に入ると、真っ先にトーポに餌をやるエイト。
    その見慣れた光景も今日で最後だと思うと、なんだか名残惜しい。

    そんな事を思っていると、ふとオレは戦う前の出来事を思い出した。
    …余裕のできた今ならわかる。
    あの時のエイトの行動に、オレは礼を言わないといけない。


    「なぁ、エイト。」
    「ん?何?」
    「今日さ、ドルマゲスと戦う前に、オレに声掛けてくれたじゃん?あの時、お前が緊張してたってのってウソだろ?」
    「え?」

    オレの言葉に、トーポにチーズをあげていたエイトがこちらに視線を向けた。

    「あれはさ、オレの緊張を解く為に声掛けて来たんだよな?」
    「そんな事ないよ?僕もいつも通りじゃなかったもん。」
    「まぁ…たしかに?いつも以上にがっついた戦い方してたもんなぁエイト君は。普段なら飛び込まない所飛び込んだりね?お陰でオレ様のベホマラーが大活躍だったけどな?」
    「あ、その〜…ハイ、すみませんでした。」
    「でもさ、あれのおかげで…正直助かった。ありがとな、我らがリーダー様。」
    「…あ、うん。」


    「さ、早く祝杯上げに行こーぜ?先に食堂行ってるぞ。エイトも早く来いよ。」
    「う、うん。」

    そう言い、オレはゼシカ達の待つ食堂へ向かった。


    …パタン。




    「…こうも急に素直に微笑まれると、ドキドキしちゃう。ねぇ、トーポ。」

    そう言い、エイトは片手の指でトーポの頭を撫でる。

    「彼の事、みんなの事、守れて良かった。」


    そう言い、エイトはふわりと微笑んだ。






    【完】


    はい。
    まだ何にも始まってない998。
    何にも香ってこない公式998。

    ここで旅が終わると2人とも思っているので、お互いに『いい奴』位にしか思ってない。
    ここからがスタートですねぇ。

    お読み頂きありがとうございました。
    (実は2ヶ月前に書いてたけど、着地見失ってとりあえず年内に産み出したのは秘密。)

    2023.12.26 黒羽
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