未来の話ルルちゃんが行ってしまった。
『ミユ、これからどうするのだ』
「待ちます、この未来が変わることを願って…それしか私には出来ませんから…」
スペルビアさんは黙って俯く。
本来なら、私達に協力してくださる理由はないのにここまで、本当にここまで助けてくれた。
地球の復興も石を投げられても銃で撃たれても何も言わずにただただ助けてくれた。
ルルちゃんのためもあったと思う。
だけどそれはきっと私が思っているよりも複雑で…一言では難しい。でも言い換えるのであれば愛としか言いようのない感情で動いてくれたのだろう。
ルルちゃんにはああ言っていたが、本当は辛いはず。
「私にも、もっとできることがあったら…せめて…スペルビアさんの願いを叶えてあげられたかもしれないのに」
『ミユ、それは違う』
首を振り、指先がポンと労るように頭を撫でてくれる。
『ルルやイサミ、ブレイバーンや貴殿らと会うまでは我はもう死を望むしかないただの機械であった。だが、その空っぽのコアへ生きる理由を…生きたいと思わせてくれたのは紛れもなく貴殿らのお陰だ』
私は真っ直ぐスペルビアさんを見つめる。
『感謝している、確かにブレイバーンへ推して参れなかったがそれ以外に道があると示してくれたのはルル達である。これ以上何を望もうと言うのか。過去の我もルルのおかげですぐにわかる。生きる楽しさと死ぬ事の怖さそして別れの痛みを…、まぁ心残りがないわけではないが」
「心残り?」
「ルルを今一刻まで乗せれなかったことである、我が…ルルがあの様になることを恐れルルを信じてやれなんだ。…ルルは聡い子だ、我なんぞ敵にならぬであろう。きっと我を立派にブレイバーンと共に推して参れるようにしてくれようぞ』
「スペルビアさん…」
『だから大丈夫だ、ミユ。我は今の生に後悔はない。それが過去の我でも変わらん。今の我は今出来ることをするのだ、そうであろう?』
「…はいっ…!!」
『ルルよ、勇気爆発だ。そう…ブレイバーンと共に勇気爆発し推して参るのだッ!!』
高らかに宣言して拳を掲げるスペルビアさんに習い私も拳を掲げて勇気爆発ッ!と大声で叫ぶのだった。
3人がまた笑い合える未来が世界に彩りを見せるのを信じて。