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    jusimatsu

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    jusimatsu

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    親友のレストランにごはんを食べに行くデアアイ。
    ワンドロなのでノー推敲です。
    ――――――――――――――――――――――――

    #デアアイ
    deer-eye

    「あいよ、特大ウィンナーとポテトの盛り合わせにビールお待ち!」

    ドンと景気のいい音とともに、デアンとアイザックの目の前に二人分のウィンナー盛り合わせとビールのジョッキが置かれる。
    二人はアイザックの親友夫婦が営むレストランに来ていた。今日は正真正銘二人きりの、デートだ。

    「きたきた。これが僕のおススメでね。ここに来たらいつも食べるんだ。他のメニューは、これを食べながらゆっくり考えよう」
    「提供スピードの速い品を食べている間にその他の品を用意させるのか。効率的だ」
    「まあそんなところだね。美味しいものを食べてると待っている間でも話が弾むし、空腹のまま待ち続けるのは辛いものさ」

    アイザックが特大ウィンナーを頬張り、ビールを煽る。一気に表情が崩れ、締まりのない笑顔になった。

    「さあデアンも食べて。ついでにメニューも見ようか。今日はここに来ることが決まってたから、朝食は軽めにしてたんだ」
    「ここで多く食べるために量を減らしていたということか。理屈はわかるが合理的とは言えないな」

    デアンはメニューのページを繰りながらどれにするか決めかねているようだ。
    確かに決められたものが配給される月ではこれほど多くの選択肢から選ぶという経験はそうないことだろう。そして大勢に効率よく食事を提供するグランサイファーでの食事も、ある程度好みに合わせることはできても何でも好きなものを、というわけにはいかない。
    とはいえ決して困っているわけではなく、これまでになかった経験を楽しんでいることは間違いないようだ。

    「それにこの品も随分と塩分濃度が高いようだ。そして同時にアルコールを摂取するのは、体にいいとは言えんな」
    「なんだ兄弟、この兄さんは学者かお医者さんなのか? お前もエンジニアだっていうし、類は友を呼ぶってやつかねえ」

    偶然近くのテーブルの注文品を届けに来た店主が声をかけてきた。幸いなことにこの気のいい店主には、デアンの発言に気を悪くした様子は見られなかった。

    「いや、俺は……」
    「ああ、彼は詳しくは言えないけど最近までとある場所で警護の任務についていてね。それで健康には人一倍気を遣うようになったんだよ。食べる量にムラがないようにするのもその名残だね」
    「へえーそうかい。まあ、ウチは何を食べても美味いからな。楽しんでってくれよ!」

    一連の流れを特に気にしたそぶりもなく店主は仕事に戻っていった。アイザックはすでにウィンナーをもう一口頬張り、メニューに目を戻している。

    「彼はお前と親密な仲なのだろう。隠し事をして良いのか」

    隠し事というのはデアンの出自――月の民であることだ。

    「けど嘘は言ってないよ。警護も君の任務のうちだろう? どこの国や組織でも機密性の高い仕事だからね。深掘りしちゃいけないってわかってくれるさ」

    元は敵対していた勢力の一人であり、空の世界にディアスポラが投下されたときも、単身空に降り立って団長たちと激しい戦いを繰り広げたと聞いている。
    その都合で、デアンは未だに警戒対象ではあるし、グランサイファーの外では一人で行動されることを認められていない。
    彼がアイザックといると非常に落ち着いていることから、アイザックと一緒の行動であれば監視を兼ねた同行者は一人にまで減らすことができた。そしてこうしてデートができるようになったのだ。

    「さあさあ君も選んで。僕はいくつかおつまみになるものと……そうだ、オムライスも頼もう。この間カシウスがオムライスの話をしてたんだ。僕も食べたくなってきたな」
    「エージェントカシウスか。空の世界での食事に強い執着を見せていたな」
    「彼も騎空団のみんなと一緒にここに連れてきたことがあるんだ。あの時は確かミートソーススパゲティを食べてたな」

    なぜアイザックがミートソーススパゲティを選んだのかを思い出してしまい、アイザックの目が一瞬うつろになる。
    そして同じ月の出身者が食べたものならとミートソーススパゲティを選んだデアンを見て、絶対に理由は伏せておこうと誓った。

    その後カシウス本人から理由を聞いて気分を害することなく納得したデアンを見て、自分と月の民の感性の違いについて頭を悩ませることになるのだった。
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    kanamisaniwa

    DONE最終章後生存√デアアイ。デアンはアラヤチとともに月で復興作業なうなお話です。友情出演は鮫←「えっ?なに、ヤチマなんだって??」
    『バケだ。デアンはバケに行く』
    「聞き返しても同じだった!色々突っ込みたいんだけどちょっと待って!」

    アイザックは耳元にあてた通信機から聞こえるヤチマに叫ぶように返事をしながらアウギュステの砂浜をジグザグに走っていた。
    アウギュステの砂浜を走ると行っても可愛い彼女と「ほーら捕まえてごらんなさい♪」みたいな楽しいことをしているわけでは決してない。
    骨の髄までエンジニアであるアイザックには物心ついてこの方彼女らしき女性が出来たことはなく、あわせて夏のアウギュステなんて高級リゾートに縁はなかった。
    だが、アイザックは今年は散々世話になったグランサイファーの団員達に誘われてここアウギュステに来ており、ンニだのンナギだのといった海の恵みに舌鼓をうっていたのだが。
    いたのだが。

    『アイザック、なにか忙しい?』
    「忙しいというよりなにかがおかしいかな?!」
    『落ち着けアイザック。状況を冷静に報告しろ』
    「やぁ相棒久しぶり!状況はアウギュステで空から鮫が降ってきているよ!!」
    『は?』
    「だから!!空から鮫が!!降ってる!!」

    シャァァァクなる鳴き声を上げな 2173

    kanamisaniwa

    DONEデアアイ600年後√(子孫と再構築)、友情出演ヤチマ月の侵攻は、600年前よりも苛烈だった。
    月側は600年前のディアスポラ撃破をインシデントとし、少数精鋭での各島毎の殲滅に舵を切った。
    そのため、月の侵攻を空の民が認識したと同時に小さいが島が一つ落ち、翌日にはそのとなりの中規模の島に先行部隊のω3が侵攻。あっという間に空の民達を駆逐していった。
    だが、月側にもトラブルがないわけではなかった。

    (侵攻は計画より47%遅延。不確定要素を計算にいれても遅れすぎている。先代ω3ヤチマの離反だけでは理由として不十分だ)

    ω3の中でも戦闘に特化した最強の戦士であるデアンは、そんなことを思考しながら目の前に躍り出てきた空の民を一なぎにする。
    骨が砕ける音、悲鳴、逃げ惑う声、破壊音。
    そのどれもがデアンの興味をひくものではない。ただアドレナリン消費の足しになるだけだ。
    やがてあらかた砕きつくし周囲が静まり返ったときだった。
    かたり、とわずかに聞こえた物音、ω3のなかでも戦闘特化であるがゆえに拾えた音をデアンはたどった。
    慌てていたのか乱雑に隠された地下室への扉を蹴り破る。短い階段を降りたさきにいたのは、ひょろりと細い男だった。

    「まだ居たか」
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