鶴宇佐の宇佐美くんと月鯉の月島が転生して現代だらだら話すだけの話「鶴見さんにどうしたら手をだしてもらえると思います?」
「鶴見先生だろう」
「“鶴見先生”。いいですよね、この背徳な響き」
ふふ、と意味ありげに笑う。
「そもそもどうしておれに言う」
適切な助言ができると思うか、と言外に含め言うと宇佐美はきょとんと目を丸くし首を傾げた。
「? そこにいるから」
「はああ…」
ため息がでた。
ここは私立高等学校。柔道部の部室の裏手である。稽古の合間の小休止。木陰で一息つく三年生で部長である月島の隣に二年生の宇佐美が腰掛け声をかけたが一声目からおかしかった。
「そもそも先生が生徒に手をだしたら犯罪だ。中尉殿を犯罪者にするおつもりか」
「わかっていますけど。せめて、デートくらい……」
「どう考えても駄目だろう」
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