こいつにこのトリガーはダメです。会議室へ向かう途中、壁の空気ダクトから何やら動くものが見えて、引っ張ってみたら、手のひらより少し大きいぬいぐるみで。
なんでこんなところに…としげしげと眺めていたら、コイツ太刀川に似てる気がすると思った瞬間ぴょこぴょこ動き出して、思わず壁に叩きつけてしまった。
「いてぇ」
「!? 喋った」
「その声は、二宮か。いやー助かったぜ。一時はどうなるかと思った」
「…どういう状況だ」
「その前に逆さなんで反対にしてもらえると嬉しいな〜」
俺が持っているのは、足。宙吊りは流石に可哀想か…とりあえず反対にして抱き抱える。
でもこの状態を他の奴らに見られると面倒なので、近くの空き部屋へ。
「説明しろ」
まあるいフォルムは子供がいたら喜んでぶん回しそうだが、あいにくここに子供はいない。
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