【切爆】ワンライ「声が聞きたい」リビングのソファに鉛のように重い体を沈めて、ぼんやりと窓の外を眺める。しとしとと降り続ける雨の音が、薄暗い部屋に染み込んでいく。
ふと机の上に置いてあったスマホが震え出した。急に響いた人工的な音に、思考を放棄していた脳味噌が現実に無理やり引き戻される。
「…もしもし」
『もしもし爆豪?!久しぶり!」
「…おう」
『さっきは電話出れなくてごめんな!元気にしてるか?』
「…まぁ」
『よかった!俺はだいぶ大阪に慣れてきたぜ!つかどうした?爆豪から電話してくるなんて珍しいからさ、なんかあった?』
「…あー……」
『ん?』
——聞きたかった。
大嫌いな雨音をかき消す、すり減ったこの胸を満たす、お前の声が。
「…別に、なんも。」
『…そっか!』
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