チビと泥んこと。「ふんふんふーん♪」
ペタペタペタ。
大人のズボンの膝丈まである少年が、さらにちっちゃくしゃがんで泥を手のなかに丸めて遊んでいる。
カラフルなコットンキャンディのような幼い声が、鼻唄を止めるとしゃがんだ膝をしゃんと立てた。
その手のなかにはツルッとした丸い茶色い玉。
少年一チビブラックは、その様子を撮影していたカメラちゃんにズイッと玉を近づけた。
「カメラちゃん、一時間で泥団子いくつできるかなチャレンジ、スタートです!」
ニコニコしたチビブラックは、そういうとすぐにしゃがんで泥と砂を集めはじめた。
カメラちゃんは、じいっと高い声を上げると、カウンターを手にもって片手を上げた。
「じじぃー、じっ!」
カメラちゃんが手を振り下ろすと、チビブラックの手が猛スピードで動き出した。
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