オッドとイリーの奇妙で不思議なサーカスにようこそ!!🎪✨お代はいらないよ!
あつあつのホットドックやさくさく軽〜いポップコーンはいかが?
ふわふわのコットンキャンディもあるよ!
楽しいサーカスのはじまりはじまり!
時間も忘れてすてきな演目を楽しんでね!
赤と白のサーカステントの中は夢のような空間。
オッドの指示で猛獣達も玉乗り、火の輪くぐり、三輪車こぎと次々器用に演目をこなしています。
イリーは慣れた手つきで次々に風船でお花や動物を作り、はい!君にプレゼント!
ジャグリングもナイフ投げも流れるように成功させていきます。
団員たちの空中ブランコも、トランポリンも、綱渡りも鮮やかな身のこなし。
あっという間に時間が過ぎます。
でもね、楽しい時間はずっとは続きません。
あーあ、ざんねん、もう終わりの時間です。
"バイバイ、また来てくださいね。
みんなが待ってますよ。"
ピカピカにぎやかだったサーカスに暗くて静かな時間が訪れます。
帰る前にもうちょっとだけ、さっきのライオンさんがみたいなあ。そうだ、あの幕の向こう、ちょっとだけ、ちょっとだけ。
こっそり探検だ、と檻が並ぶ通路を隠れながら進んで行って…。
あっ…誰か来た!
ビロードのマントをすっぽり頭からかぶって、すみっこで息を潜めてジッします。
コツコツと足音が通り過ぎます。
ああ、ドキドキした!
さあまた探検しよっと!
ビロードのマントを外して、目を開けた、ら、
にっこりにこにこ。
三日月の形になったお目目とお口が仲良く並んでいます。
あれ、まだ残ってたの?悪い子だねェ。
んん?ライオンさん見たかったの?
そっかそっか!かっこいいもんね!
じゃあコッチにおいでよ、せっかくだし教えてあげるね。
ボクらのサーカスのお話を。
さてさて、オッドとボク以外の団員、猛獣は全て元々は犯罪を犯して逃げたり、隠れたりして罰せられなかった悪〜いやつらなんだよ。
悪いことを重ねたやつらのこと、ボクらには分かるんだ!
あいつらすっごくにおうもんね、オッド。
ええ、そうですね、イリー。
だからお話を聞いて、鎖でぐるぐる巻きにして、るんるんと鼻歌をうたいながらスキップでサーカステントに連れて行くの!
ボクねェ、知ってるよ!そういうのお散歩っていうんでしょう?
どうしようもない理由があれば見逃すこともあります。たぶん。きっと。いや、いままでしたことないけれども。
テントのなかの奥の方、暗い所にある檻のなか、怯えたり怒ったり喚いたりしてる悪いやつの檻の上から、キラキラのマントをかけて、ステッキ振って、1、2の3!
あら不思議!
あんなに怒鳴っていたあばれん坊がみんなのことを喜ばせるのが大好きなトラさんやライオンさん、ゾウさんや、新しい団員さんになりました。ジャジャーン!
わー!!すごーい!すごいよね?
悪いことした分に応じてサーカスにいる日数が決まり、日数が経って、お勤めが終わったらだいたい死にます。
だって他のだれかのしあわせや命を奪ったりしたんだからね。
最後には誰かにやったことを精神的にそのままそっくりやられ返されるんだ〜!
すっごく便利でしょ?天罰覿面!
みんなを笑顔にしたくらいじゃ許されるわけないでしょ!
たりないよね。あたりまえだよね。
そうして、終わった後には感情がすっかりなくなった抜けがらさん以外、なあんにも残りません。
さて長かった仕事を1つこなしおえた2人は腹ペコ!
で、仲良く半分こです。
なにを?ひみつ〜!
いったいどうやって?ひみつったらひみつ〜!
…おいしい?そりゃあもう!…おっと!
……なーんてね。うそうそ。ジョークですよ。
びっくりさせちゃいましたね。
ボクらにとっては毎日がエイプリルフールみたいなものだからつい!
反応があんまりに良いのでおもしろくてからかっちゃった♡
さて!そろそろお家にいる親御さんも心配されるでしょうし、私たちはこれで失礼しますね。
またねー!次はちゃんとかえらないとだめだからねー!
それでは、1、2の3!
ぼふん!と音がして、子どもは驚いて目をつむりました。…おそるおそる目を開きます。
キラキラでラメラメのピンクの煙がもうもうと立ち込めています。
けほけほ、げほごほ、ピンクの煙を吸っちゃった!
でもこれいちごミルク味だ!おいしい!
あれえ、何の話をだれとしてたんだっけ?
ぼく、何でこんな所にいるんだっけ。
うーん?
まあいっか!おうち帰ろ〜っと。
今日のごはん、何かな〜!
すっかり煙が消えた頃には巨大なサーカステントは影も形もなくなっていました。
今日はサーカスの休演日です。
団員さんが3人減ったので、新しい子を見つけに街へ繰り出します。
おや、今日は運がいい。
やめろ!ワーワー。はなせ!ギャーギャー。
んもう、元気よすぎ!
…さて新しい団員予定をオリに入れ、お話タイムです。何か質問ある〜?
んん?お前らなんなんだって?
何で、こんなことしてるのか?
だって、呼ばれた時にお願いされたから。
ボクらに最初に会ったアレがねェ。
そう祈っちゃったんだ。
だからしょうがないね。
"あぁああほんとうにきたほんとうにきたほんとうにきたこれでやっとあいつに復讐できるざまあみろくそったれめじごくにおちろあはははははははは悪魔でもイカれた殺人鬼でもなんでもいいとにかくくそったれなあいつをおれと同じ目に合わせてくださいいやそれだけじゃたりないよなあそうだそうだよな大勢に笑われて見せ物にされてあはははははははは感情もなくなるようにぐちゃぐちゃにして精神的にも肉体的にもぶっっっっ殺してくださいお願いしますそのためならなんだってしますはやくどうかどうかどうか"
って。
うーん、目がギラギラでね、あれはなかなかおもしろい顔だったなぁ、だからさあ。
べったり血のついた体を無理やり動かして、文字通り大出血サービスでさ、いいですよ〜ってにっこり笑って握手したんだけど。
まあビックリ。
まさか握手した途端に相手が血を撒き散らして発狂してしんじゃうなんてだれが思う?
悪魔だって思わないよねェ。
起き抜けでおねむなボクらも流石に笑いすぎて目が覚めたよ。
それで困ったことにさ、ボクら帰れないんだよね。
あいつってやつについて詳しく聞いてないから困っちゃって。まあそれはこっちの責任だしとりあえず手当たり次第こうしてるんだけどなぁ。
まあ1000年経って契約が切れるか、そのあいつとやらをどうにかできればいつか帰れるでしょう、こちらの世もなかなか楽しいので飽きずに過ごせていますよ。
さて質問おーわり!
ふふふ!君は新しい団員になるのだ!
これからがんばって働いてね!
よびだしたひとに偶然目をつけられてぶっころされて、悪魔を呼ぶための材料、リソースにされたただの兄弟が2人のもともと。首をざっくり切られてる。今はもちろんくっついてるよ!
完全にとばっちり。かわいそうに。
でもこの契約が終われば体を返してあげるよ、ちゃあんと生き返してあげる。
ボクら慈悲深いんだよね、やさしくて泣いちゃうよ。まあその頃にはだあれも知り合いが居ないくらい時間が経ってるかもしれないけど!
実際悪魔的には全然兄弟じゃないし、ただの仲良しなお友達なんだけど、もとの体が兄弟だったからごっこ遊びでやってる。
ごっこ遊びでも、家族という強い繋がりはなかなかあなどれません。
強大な力になりますからね。
まぁ万が一に備えて、ね。
力は大きければ大きい方がいい。
まさかこんなところに悪魔祓いができる奴なんていないだろうけど!(クソでかフラグ
体の諸々が作り変わってて、もとの体の知り合いが見てもさっぱりわからない。
ころころされた2人に呼び出された悪魔が入って握手で契約。
でも契約内容がまずかったんだね。
対象にしたい相手の名前を言わないから"自分も"同じ目にあってしんじゃったんだね。
まあ2人も殺したんだし、しょうがないよね。
わるいことはしちゃだめだもんねェ。
でもボクら血は汚れるしそんなに好きじゃないから次からは精神的な操作だけにしようって契約をちょっとだけ捻じ曲げたんだ〜。
弱点は無難に尻尾とツノ。普段はカモフラージュして隠してるよ。
ツノ折られたり尻尾切られたら死ぬほどつらい。力が抜けちゃうし。再生するけど時間がかかるんだよ!
イリーのツノはねじれてるやつ、ごつい羊系。パミールアルガリ羊さんみたいなやつ。
尻尾はスタンダードな矢印系。
オッドのツノは上に長い感じの。尻尾は長くてフサフサ。
ちなみにオッドの普段みえてる尻尾はフェイク。
弱点晒すわけないでしょう!
でも隠しておくとワタシの尻尾が好きなイリーが悲しがるからしょうがなくやってるんですよ。
でもニセ尻尾を壊されたらたまらないからイリーが強く触ると怒るんです!